東京・明治神宮外苑のイベント会場で起きた火災で、燃えた作品を出展した日本工業大(埼玉県宮代町)では6日深夜、成田健一学長が記者会見し「尊い命が奪われ、大変申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
大学によると、出展したのは、工学部建築学科の学生を中心に構成されたクラブ「新建築デザイン研究会」。部活動として制作したという。
成田学長は「ご遺族に対しては返す言葉もない。どのような言葉を尽くしても謝りきれない」と、硬い表情。事実関係については「情報収集中」と述べるにとどめた。
一方、主催会社の川崎健二社長は、火災現場近くで午後9時すぎから記者会見して謝罪。安全対策について「高さ制限など厳しい基準を設けてきた」と説明したが、「今回のイベントは約600の作品が出展しており、1つ1つを詳しく見るのは難しい」とも。
また、事故後の対応について「新たな入場はストップさせたが、イベントを続けた」と話し、「地方から来ている人もいたので、作品を見てもらえたらと思った。混乱を招くので(火災の)アナウンスをしなかった」と説明した。
他にも矢継ぎ早に質問が飛んだが、「確かな情報でないことは話せない」「詳しいことはこれからだ」などと繰り返した。
火災があった学校作品展エリアの実行委員長、田淵諭・多摩美術大教授も会見に臨み「悲しみでいっぱいだ。心からおわび申し上げたい」と述べ、「事故は想定外だ」と強調した。(共同)