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 香港独立を視野に入れる政党「青年新政」の宣誓無効問題で、中国が議員資格の有無を判断することに反対するデモが6日、香港であった。デモ隊の一部は、中国の出先機関前で警官隊と衝突。催涙スプレーを発射する警察に対して、デモ隊は雨傘で防戦。双方に負傷者が出た模様だ。香港で政治的な理由で大規模な衝突が起きたのは、2014年の民主化デモ「雨傘運動」以来だ。

 この日のデモには、宣誓が無効になっている同党の游蕙禎議員と梁頌恒議員のほか、司法関係者や各大学の学生会ら約1万3千人(主催者発表)が参加し、「香港の司法の独立を守れ」と訴えた。一部は中国政府の出先機関である中央駐香港連絡弁公室前に集結。道路に鉄の柵を置いたり、路面に座り込んだりしたため、バスや路面電車が立ち往生した。

 2人の議員資格をめぐっては、香港の裁判所での審査が終わっていないが、中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)常務委員会が7日、宣誓について定めた香港基本法104条の解釈を公表する見通し。中国は香港独立につながる動きは容認しない構えで、議員資格を取り消す可能性が高まっている。全人代の決定は香港の司法判断より優先されるため、香港では司法の独立が侵害されたという批判が広がっていた。(香港=益満雄一郎)