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 シリアの少数民族クルド人を中心とする武装組織「シリア民主軍(SDF)」は6日、過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称するシリア北部ラッカを奪還する作戦を5日夜に開始したと宣言した。

 SDFはクルド人組織「民主統一党」(PYD)が中心。アラブ系やトルクメン人も加わっており、米国が主導する対IS有志連合の支援を受けている。SDF報道担当者はAFP通信に「作戦は、ラッカ周辺部の解放と市内の孤立化が第1段階、市内の奪還が第2段階だ」と説明した。

 イラク政府軍などがイラクでのIS最大拠点モスルの奪還作戦を始めてから、IS幹部らはラッカに退避し始めたとの情報がある。モスル奪還作戦でイラク軍、クルド人部隊、シーア派民兵が協力しているのに比べ、ラッカ攻略でアサド政権軍と反体制派が協力するのは不可能で、奪還作戦は難航するとみられる。(カイロ=翁長忠雄)