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『絶唱』(ホリプロ)

 あらゆる映画ジャンルの中で、アイドル映画ほど面白いものはない。そして、アイドル映画はどこかおかしい。人気アイドルが出演するということで企画が成立してしまうため、通常ならGOサインが出ないような常規を逸した脚本でもスルッと通ってしまう。監督は演技力のあるなしにかかわらず、アイドルに無茶ぶりをする。また、アイドルは自分が纏っているアイドルという名の殻を脱ぎ捨てようと懸命にもがき、アイドルから映画スターへと跳躍する奇跡的瞬間がカメラに捉えられる。アイドル映画には、フィクションとリアルの狭間をゆらゆらと揺らぐドキュメンタリー的な楽しみがある。そうして生まれたのが相米慎二監督の『セーラー服と機関銃』(81)や大林宣彦監督の『時をかける少女』(83)といった今なお語り継がれる名作アイドル映画である。大型連休中、見逃していたアイドル出演作を自宅鑑賞するのはどうだろうか。どこかヘンだが、それゆえに愛しさが募る“変愛系”アイドル映画を5本紹介したい。

 まずは“伝説のアイドル”山口百恵主演作から。14歳で芸能界デビューした山口百恵は歌手として「ひと夏の経験」などのヒット曲を放つ一方、女優としての活躍も目覚ましかった。川端康成原作『伊豆の踊子』(74)、三島由紀夫原作『潮騒』(75)と今考えるとかなりアブない文豪たちの作品で映画女優としてのキャリアをスタート。そんな文芸路線第3弾として製作されたのが大地主の息子と山番の娘との格差恋愛を描いた『絶唱』(75)だった。山小屋で暮らす小雪(山口百恵)は恋焦がれる大地主の息子・順吉(三浦友和)が山に来ると、屋内にいながらも「あっ、順吉さんが来る!」と予知できる一種の超能力少女。すでに序盤からノーマルな恋愛ものでないことを匂わせている。『野性の証明』(78)の薬師丸ひろ子もそうだったが、昭和のアイドルには神秘性が残されていた。

 家族から交際を反対された順吉と小雪は山陰の町へと駆け落ち。貧しいながらも幸せな生活を送っていた2人だったが、甘い日々は戦争によって引き裂かれる。順吉に召集令状が届き、小雪は木遣歌を歌って出征する順吉を見送ることに。当時の山口百恵はまだ17歳ながら、木遣歌を歌う姿など表現者としての非凡さを感じさせる。終戦後も順吉はなかなか復員しない。小雪は働きすぎで体調を崩し、臨終の床に。ようやく順吉が戻ってくるが、小雪は「山に帰りたい」という言葉を残して事切れる。かくして順吉は死んだ小雪を山に連れ帰り、きらびやかな挙式を開くのだった。生者が死者と結婚する、いわゆる冥婚と呼ばれるものだ。下手すればネクロフィリア的に受け取られかねないクライマックスだが、ベテランの西河克己監督は山村での冥婚式を幽玄美あふれるシーンとして撮り上げている。死化粧に花嫁衣装を着た山口百恵の美しさが目に焼き付く。女優・山口百恵を代表する一本であり、彼女の類い稀な表現力のために、以降のアイドルたちは高いハードルを課せられることになった。

 山口百恵は主演映画で恋人役を演じ続けた三浦友和と結婚し、それと同時に芸能界を去り、伝説のアイドルとしての神話を完結させた。一方、交際の噂の渦中にあった2人が共演を果たしたものの、現実世界では悲恋を迎えることになったのは中森明菜&近藤真彦の主演作『愛・旅立ち』(85)。先日もWOWOWで放映されたが、80年代を代表するスーパーアイドルだった明菜とマッチが共演した本作は、かなりイッちゃっているアイドル映画なのだ。心臓病で医者から余命わずかなことが告げられた孤独な少女・ユキ(中森明菜)と無謀な運転で親友を死なせてしまった青年・誠(近藤真彦)が幽体離脱や臨死体験を経て、運命的に結ばれていくスピリチュアルムービー。カルト映画として名高い『太陽を盗んだ男』(79)を手掛けた山本又一朗プロデューサー(『クローズZERO』などでも有名)の企画であり、もともとは『太陽を盗んだ男』の長谷川和彦監督の復帰作としてサイキックアクションものが予定されていたが、長谷川監督が降板し、内容も当時ベストセラーとなっていた丹波哲郎の霊界本寄りの内容に変わったという経緯があった。

絶唱 [DVD]

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