ISISがいなくなった町で<3> 支配の傷跡は今も

2016.11.06 Sun posted at 09:00 JST

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イラク北部アルファズリヤ(CNN) 町中の道を進むと、ガルビャ・アッバスさんという女性が自宅の前に立っていた。この2年間は家から一歩出ただけで尋問され、罰金を科されたという。それでも外出する時は顔全体を覆うようにと、ISISから言い渡されていた。

前回「ISISがいなくなった町で<2> ジーンズもたばこも自由の証し」はこちら

ISISが2014年にモスルを制圧した時、ペシュメルガの将校だった息子も連れ去られた。アッバスさんの周りにたたずむのは、息子の妻と4人の子どもたち。息子の行方はだれにも分からないままだ。

「ISISがいなくなってとてもうれしい。軍とペシュメルガが私たちを解放してくれたことに感謝している。私の願いは、息子が妻子のもとへ戻ってくれることだけ」と、アッバスさんは話す。

ペシュメルガがモスルに迫るにつれて、同じような場面が各地で繰り返されている。町が解放され、住民が安どの表情を見せる一方で、傷跡は残ったままだ。

建物だけでなく、社会も住民の心も大きく傷ついた。ISISの支配に協力した住民が、解放後は周囲からの報復におびえている。

とは言え、アルファズリヤの町にあふれる解放感は隠しようもなく、理髪店の列はさらに長く延びていた。

連載終わり


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