米大統領選まで3日 フロリダ州など接戦州が焦点

米大統領選まで3日 フロリダ州など接戦州が焦点
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アメリカ大統領選挙は、投票日まで3日となりました。世論調査では、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補の間で接戦となっている州が13州に増え、中でも南部フロリダ州など勝敗の鍵を握る州の行方が焦点となっています。
アメリカ大統領選挙は、民主党のクリントン候補が優位に選挙戦を進めていましたが、国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題について、FBI=連邦捜査局が捜査を再開したことで、共和党のトランプ候補が攻勢を強めています。

全米の各種世論調査の支持率の平均値は5日の時点で、クリントン氏が46.4%、トランプ氏が44.8%で、クリントン氏のリードは1.6ポイントになっています。

また、大統領選挙は全米50州と首都ワシントンに人口に応じて割り当てられた合わせて538人の選挙人を争う仕組みですが、世論調査で、クリントン氏が優勢な州の選挙人の合計は216人、トランプ氏は164人となっています。

そして、2人が競り合う接戦州は3日の時点での10州から13州に増えました。中でも選挙人の数が多い南部フロリダ州や中西部オハイオ州などが勝敗の鍵を握ると見られ、こうした接戦州の行方が焦点となっています。

アメリカ大統領選挙は来週8日の投票日を前に、最後の週末を迎え、クリントン氏とトランプ氏は接戦州を重点的に回って支持を訴えることにしています。

勝敗の鍵握る接戦州

「接戦州」とは、民主党と共和党の候補者の支持率がきっ抗し、競り合いになっている州を指します。

アメリカ大統領選挙の勝敗は、全米50州とワシントンDCに人口に応じて割り当てられた選挙人の獲得数で決まりますが、ほとんどの州が、その州の勝者がすべての選挙人を獲得する「勝者総取り方式」を取っています。

ところが、多くの州は伝統的に民主党が強いか、共和党が強いか、その傾向がはっきりしているため、接戦州をどちらの候補が押さえるかで、事実上、勝敗が決まります。

一般に、こうした接戦州は大統領選挙のたびに、民主党と共和党の間で勝者が入れ代わることが多いことから、「揺れ動く州」、「スイング・ステート」とも呼ばれ、勝敗の鍵を握る州として注目を集めます。

「今ならクリントン氏勝利 確信はない」

アメリカ大統領選挙に詳しい、首都ワシントンにあるアメリカン大学のクリス・エデルソン准教授は4日、NHKのインタビューに対し、クリントン氏のメール問題でFBIが捜査を再開したことについて、「多くの国民がクリントン氏は信頼に足るのか疑問視してきたが、メール問題は、そうしたイメージを強め、トランプ氏と共和党につけ込む機会を与えた」と指摘しました。

一方で、最終的にどの程度、選挙戦に影響を及ぼすかは見通せないという見方を示しました。そのうえで、「今回の選挙は不確かなことが多い。世論調査も接戦の時ほど、間違うことがありえる。もし今、予想しなければならないのであれば、クリントン氏が勝つだろうと言うが、確信を持っては言えない」と述べました。

また、両候補が競り合う接戦州を見ていくうえでのポイントについて、エデルソン准教授は「トランプ氏は、オバマ大統領が以前制したフロリダ州やネバダ州、ニューハンプシャー州などのうち、クリントン氏から勝ち取れる州を見つけなければならない」と述べました。
そして、「フロリダ州やノースカロライナ州をクリントン氏が制するならトランプ氏が勝つことは非常に難しくなるだろう。また、クリントン氏がオハイオ州を制するようならそれは、おそらくクリントン氏の勝利を意味する」と述べ、こうした接戦州の行方が焦点になると分析しました。