【広島】黒田、背番号と同じ“胴上げ15回”に男泣き「できすぎな野球人生」

2016年11月6日6時0分  スポーツ報知
  • 広島優勝報告会の最後にマウンド近くにひざまずき、涙を流した黒田
  • サインボールを客席に投げ込む黒田

 今季限りで現役を引退した広島・黒田博樹投手(41)が、20年間のプロ生活に別れを告げた。広島の25年ぶりのリーグ優勝を祝うパレードが5日、広島市内で行われ、沿道には31万3000人のファンが集まった。大歓声を浴びた黒田は、その後のマツダスタジアムでの優勝報告会でナインから胴上げされて号泣。そして、涙を浮かべながら、マウンドにひざまずいた。

 感極まった。こみ上げてくる、熱いものを抑えきれなかった。ほかの選手が引き揚げた後のグラウンド。黒田は誰もいないマウンドのそばで右ひざをついた。3万810人の大観衆の前で、約30秒間―。マウンドへ向かって礼をするような姿勢で、動けなかった。20年の現役生活のラスト。苦しかったこと、ファンへの感謝の気持ち、いくつもの思いが脳裏を駆け巡った。

 「まあ、いろいろ…。いろいろな苦しい思いをしたので…。マウンドに立って、スタンドを見るのもね、最後かなと思うと…。苦しいこととか、いろいろなことが思い出されて…。このマウンドにもう上がらなくていいという気持ちと、上がれないという気持ちと…」。何度も言葉を詰まらせた。

 最後まで主役だった。パレードでは新井とともにオープンカーに乗った。満面の笑みで手を振り、沿道の大声援に応えた。マツダスタジアムでの優勝報告会では、場内を一周し約60球のサインボールを投げ込んだ。これが、最後の“投球”。「もう別に肩が痛かろうが、関係ないですし、できるだけ目いっぱい、腕を振って投げようかなと思いました」。昨年の広島復帰会見で「カープのユニホームを着て投げる方が、最後の1球になっても後悔は少ないと思った」と決断理由を説明した。その「最後の1球」ずつに感謝の思いを込めて、ファンへ届けた。

 チームメートの手でまた宙を舞った。リーグ優勝した9月10日、東京ドーム以来の胴上げは、永久欠番となる背番号15と同じ15回。「胴上げはしないでくれと言っていたんですけどね…。あの優勝の日の胴上げを自分の中では持っておきたかったので。でも、15回も上げてくれて感謝しています」。最後にチームメート一人一人と抱擁を交わすと、一気に涙があふれた。

 「広島で最後を迎えられて、僕にとっては最高の引き際だった。自分の中ではすべて良かったと思う。できすぎな野球人生です」。黒田博樹は去り際もまた伝説。愛されながら、ユニホームを脱いだ。(角野 敬介)

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