蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【プロ野球】広島の黒田、リーグ優勝記念式典で涙の別れ2016年11月6日 紙面から
広島の街が真っ赤に染まった。5日、25年ぶりリーグ優勝を記念したパレードに、31万3000人のファンが沿道に集結。今季限りで現役を引退した黒田博樹投手(41)の最後のユニホーム姿に「ありがとう」と多くのファンが涙した。レジェンドは優勝報告会のセレモニー後、マウンドの前でひざまずき、涙、涙。真っ赤に染まった球場も涙に暮れた。 泣き崩れた。20年間、耐えて、闘い、立ち続けたマウンド。セレモニー終了後に、土の前で右膝をつくと30秒、頭を下げてむせび泣いた。真っ赤に染まった球場から鳴りやまない万雷のコール。黒田の勇姿に広島の街が涙に暮れた。 「いろんな苦しい思いをしたのでね。あの場所に立って、スタンドを見るのも最後かな、と思うと」。1分間の沈黙の後、涙で声にならない声を絞り出し、野球人生を巡らせた。浮かぶのは苦しかった、悔しかった日々の記憶。それでも「マウンドに上がるしかなかったから」と紡いだ。 「最後の最後まで、野球の神様がいると思って続けてきた。感謝と、20年のお礼です」 「想像以上だった」パレードの歓声。故人の遺影を掲げ、涙する人の姿があった。「ありがとう」の声も飛んだ。「僕自身が感動させてもらいました」。待ってくれている人がいると1球の重みを感じられると復帰を決めた。決断は間違ってはいなかった。 衰えが見え始めた体で闘った。全盛期は150キロ超の直球とフォークが主体。スタイルの変化に「当然、葛藤はあった」。だが投手である前に、プロとして生きざまを探した。 「このメンバーで野球ができなくなるさみしさと、もうマウンドからの景色を見ることができないさみしさがある。広島で最後を迎えられて、僕にとっては最高の引き際の場所。全てよかったと思う」 初めてリーグ優勝を経験した。スタンドを見渡せば客席は真っ赤に染まっていた。「こうやって1日ね、パレードもさせてもらって。こういう形で仲間に見送ってもらって、出来過ぎの野球人生だったと」。最高のフィナーレに感謝の言葉が続いた。カープは地方球団ではなく「地域球団」と呼ぶ。常にファンとともに戦ってきた。 新井の「いくぞ」の掛け声で、背番号と同じ15回宙に舞った。「最後に世界一のカープファンの前で、ユニホームを脱ぐことができる。本当に最高の引き際」。“最後の1球”は「もう肩が痛くても関係ない」と、スタンドにサインボールを投げ込んだ。まぶしい栄光の記録と、記憶。涙と感動を残して、20年の歴史に幕を閉じた。 PR情報
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