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【教育ニュース】

青森いじめ自殺 遺族と学校が情報共有を 葛西さん父、文科省に申し入れ

いじめ対策を要望後、NPO法人のメンバーとともに記者会見する葛西剛さん(右)=4日、文部科学省で

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 いじめ被害を訴えて八月に自殺した青森市立中二年の葛西りまさん(13)の父剛さん(38)が四日、文部科学省を訪れ、遺族と学校が情報共有するシステムづくりや、いじめに特化した教員研修の義務付けなどの対策を要望した。

 剛さんは要望書の提出後、いじめ防止に取り組むNPO法人のメンバーとともに記者会見した。剛さんによると、りまさんの自殺後に学校が全校生徒に行ったアンケートの開示を求めたところ、学校側は一部しか開示せず、検証の第三者委員会ができたことも知らされなかったという。

 剛さんは「謝罪を求めているわけではなく、何があったのか知りたいだけ。それすらもできないという理由を聞きたい」と学校側の対応を批判。文科省にも指導を申し入れた。

 りまさんの友人は「(学校で)今もいじめは続いている」と話しているという。剛さんは「いじめをなくしたいというのは娘の願いでもある。一歩でも前進できれば、少しでもできることがあればという思いだ」と語った。

 剛さんはこの日、NPO法人ジェントルハートプロジェクトがいじめ防止対策推進法の見直しに関する要望書を出すのに合わせ、文科省を訪問した。要望書では、いじめ自殺が起きてから三日以内に生徒や教員にアンケートを行い、情報を遺族と共有するなど学校側の隠蔽(いんぺい)を防ぐシステムづくりや、教員研修の義務付けなどを求めた。

 りまさんを巡っては先月、青森県黒石市が実施した写真コンテストで、りまさんが写った祭りの写真が最高賞に内定していたのに市が撤回したことが発覚。剛さんはりまさんの写真と実名を公表し、いじめの撲滅を訴えた。

 剛さんは五日、東京都港区の人権教育啓発推進センターで開かれるシンポジウムにも登壇する。入場無料。

 

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