モロッコの北部の町で、魚売りが魚を得る許可を有していないとして警官と衝突して、ごみ収集車の中から死体が見つかったことに対して、各地で抗議運動があったことは先に報告しました。
この事件に対して、政府はそれが重大な政治的事件に発展することを防ぐために、政府は素早く異例の措置を取り、国王が内務大臣を遺族の家に弔問に向かわせ、また関係者11名を逮捕し、そのうち8名(内務省関係者2名、魚市場関係者2名、動物医師1名を含む)を拘留している由。
しかし、それにもかかわらず、各地での抗議は収まらず、特に3日には遺体の葬儀の列に続いて、多数の民衆が抗議のスローガンをアラビア語とベルベル語(殺されたのはベルベル人か?)で書いた幕をもって行進した由。
http://www.alquds.co.uk/?p=624885
これを報じるal qods al arabi net は、事件は2010年だったかにチュニジアで果物売りの行商をしていた失業青年が警官に乱暴され、抗議の焼身自殺をし、それがアラブの春を引き起こした事件と酷似しているとしつつ、モロッコでも2011年抗議運動が広がったが、モロッコの王政はイスラム王政の中では最も古く、国内に根を下ろしていること、国王が限定的な改革を行い、かつ福祉を増額したこと等で、その後不満が拡大しなかったとコメントしています。
今回の事件はそれ以来の最大の抗議運動とのことで、今後どうなるのか注目されますので、取りあえず