韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権の「陰の実力者」と呼ばれる民間人女性、崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入疑惑に対する国民の視線はこの上なく冷たい。第4次産業革命時代の21世紀に、それこそ封建時代にもあったかどうかという前近代的なことが現実に起きた。権力の私有化は、韓国を民主共和国、法治国家と規定する憲法の価値を踏みにじった。「陰の実力者」の実在は、一瞬にして官僚らの権威を失墜させ、彼らに対する信頼を崩壊させた。韓国という国の品格は落ち、非現実的なドラマは世界の笑いものになってしまった。
韓国は今、経済、社会、教育、外交、安全保障などあらゆる面で危機に直面している。にもかかわらず、スローガンばかりがむなしく飛び交うだけで、危機を乗り越えるための戦略は国民の目に見えない。周辺国の指導者たちは国の発展と国民生活の向上に総力を挙げているのに、唯一、韓国では国民を無視した民間人の国政介入や権力ゲームが横行して時間が無駄に過ぎており、国民に不安を与えている。
指導者の演説文は、国家としてのメッセージに他ならない。そのため、誰もが心血を注いで作成する。日本の安倍晋三首相は演説文担当のスピーチライターを抱えている。本をたくさん読み、意見を聞き、具体的な事例を探し出して感動を伝える。数多くの公的組織の専門家が回し読みを重ね、文章を完成させる。崔順実氏のように、専門家でもなく三流にも及ばないプライベートな助言者に指導者の演説を手直しさせるなど、常識的にあり得ない。れっきとした公的組織があるにもかかわらず、私的組織に公文書が流出するなど、衝撃的なことなのだ。
指導者なら誰でも斬新なアイデアを切望する。その多くは最も優れた専門家や参謀に意見を求める。安倍首相は谷内正太郎氏という外交ブレーンの意見を聞き、彼に主要国の要人と執拗な交渉を行わせる。また、中国の習近平国家主席には王滬寧氏というブレーンが付いており、国の発展戦略を練っている。韓国にも、政策や国際問題の専門家は多い。にもかかわらず、大統領が意見を聞くため専門家たちと面会したという話は聞いたことがない。安倍首相は午後7時以降、各界各層の人と会い、意見に耳を傾け、ざっくばらんに対話している。