金の密輸事件が急増 摘発の件数が過去最高に

金の密輸事件が急増 摘発の件数が過去最高に
ことし6月末までの1年間、金を密輸する事件が急増し、全国の税関で摘発され、罰金などの処分を受けた件数が前の1年間に比べ1.7倍に増え、過去最高を更新しました。
財務省によりますと、去年7月からことし6月末までの1年間に、海外から日本に金を密輸しようとして税関で摘発され、罰金の支払いや刑事告発の処分などを受けた件数は294件でした。これは、前の1年間の1.7倍で、過去最高を更新しました。
海外からの輸入品は日本に持ち込む際に、税関で8%の消費税を支払う必要がありますが、密輸して税込みの金額で国内で転売すれば、消費税分を不正に得ることができます。
中でも金はわずかな量でも高額で、持ち運びが簡単なことから、おととし4月に消費税率が8%に引き上げられて以降、密輸が急増しています。
最近は金の延べ棒を溶かしてネックレスに偽装したり、プライベートジェットで100キロ以上の金を持ち込もうとしたりする例も増えてきているということです。
こうした中、税関が摘発した金の密輸による消費税の脱税の総額は、この1年間で2.6倍に増え、6億668万円に上りました。
財務省は韓国や香港などから組織的に密輸を行う犯罪グループも関与していると見て、今後、摘発を強化していく方針です。