ライトノベル遍歴を語るエントリが流行っているようなのでその波に乗ってみました。
ブログ、久しぶりに更新するなあ。
【小学生編】
僕が初めてライトノベルに触れたのは小学校6年生の時。「初めて読んだライトノベルは?」と質問すると良く良く登場する超有名タイトルである『スレイヤーズ!』です。
キッカケは三つ年上の従兄殿。当時アニメ放送もされて大人気だったようで(僕は全く知りませんでした)、従兄もハマって原作を読み始めたようです。まあ自分が好きな本を人に薦めたくなるのは分かる。
「文章読むの面倒だなあ……」とは思ったものの、強烈に推す従兄はちょっと乱暴者でもあったので断ることができず、結局読むことになった訳ですよ。
これが……とんでもなく面白かった!
文章は軽いテンポで読みやすいし、イラストは想像を補完する良い手助けになる。こんなに楽しいものなのか、と1巻を読む終えて感動したものです。そのまま従兄が所有していた『スレイヤーズ!』を借りて一気に読み進めた、と。
……こう考えていくと、従兄が僕に『スレイヤーズ!』を薦めなかったら、これまでライトノベルを通じて知り合った人々との「出会い」はなかったんだなあ。感慨深い。
そんな従兄ですが、先日、90歳を迎えた祖父の誕生祝いの席にて僕の息子(1歳4カ月)を重たい木製の椅子ごと高い高いしてました。彼の腰が心配です。
【中学生編】
『スレイヤーズ!』を読んでいたことで仲良くなった友人・タカさん。長身イケメンで女子となんの気負いもなく会話をする彼の存在がやたらと眩しかったのを覚えています。『スレイヤーズ!』の続きはタカさんに借りたり、直ぐに読みたい時は新刊だけ買ったりしてたような。タカさんが同じ作者ということでオススメされたのが、『ロスト・ユニバース』や『闇の運命を背負うもの』だった。
……昔のライトノベルを調べると結構電子書籍になっているんだな、と感心。それはともかく。
特に『ロスト・ユニバース』はアニメ放送もあって何回も読んだ。『スレイヤーズ!』のアニメを観られなかったこともあって、部活を放り出して帰宅してアニメは観てたなあ。良い子も悪い子もマネしちゃダメです。あとヤシガニの悪口はやめろ。
そこから「自分でも面白い作品を探してみよう!」と思い、書店で手に取ったのが『魔術士オーフェン』ですよ。
早速読み始め……違和感を覚える。読んでいて何かが足りない。何かをすっ飛ばしてしまったような「何か」……そして読み終えた時に、その違和感の正体を知ったのだった。
「これ、2巻じゃん……」
もっと早く気付けよ、と。確かに『魔術士オーフェン』には巻数表記がありません。僕がナンバリングなしのライトノベルを嫌う大元は実体験にあったのでした。いや、本当にあの時はビックリした。
この後からはお小遣いが許す限りライトノベルに手を出していきます。代表格としては『セイバーマリオネットJ』『必殺 お捜し人』そして『極道くん漫遊記』かな。
『セイバーマリオネットJ』でラブコメ(エロコメ)の素晴らしさを知った少年たちは多かったのではないだろうか? 僕はライム派です。それと『極道くん漫遊記』は本当にゴクドーくんの人格がクソすぎて笑えて、いやこの出鱈目な話はちゃんと落とせるのかと心配になることも多々あったけど最後にはしっかり締めくくるから凄い。中村うさぎ先生すごい。だから中村うさぎ先生の悪口は止めよう。
『極道くん漫遊記』は外伝を他のレーベルで刊行していたので、別の意味である種のキッカケを作ったと思う。
そうです。電撃文庫から出ていたのです。富士見ファンタジア文庫、たまにスニーカー文庫を読んでいた僕にとって、新たなレーベルに手を出すのはチャレンジではありました。外伝のゴクドーくんは本編以上にクソでした。(褒め言葉)
中学時代といえば『フルメタル・パニック』の話もしないと。
確かキッカケは隣の席の女子です。とはいっても皆さんが期待するようなお話ではなく、むしろ蓋を開けると闇が深い話かな。中学時代、友人皆無の隣の女子が独り、クスクス笑いながら読んでいたのが『フルメタル・パニック』だった訳です。それを見て単純に面白そうだな、と。闇が深そうなので彼女の話はここで止めます。その後は友人・タカさんにもオススメして二人で良く「ポニー! ポニー!」と叫んでいたのは黒歴史です。ちなみに僕はテッサが好きです。
そしてもうひとつ、中学時代のライトノベルで話しておかなければならないのが、
『ブギーポップは笑わない』です。ある日、友人・タカさんが「これ読んでみて!」と勢い良くオススメされた記憶。まあタカさんが言うなら……と読んで衝撃。なにこの新鮮かつ厨二病全開のお話。こんなんハマらない方がおかしいやん。あまりの面白さ、その余韻もあってその夜はなかなか眠れなかった。
と、いうことで既刊を一気に購入&読破。こうして僕は霧間誠一の抜粋分を暗記するまで読み込むほどブギーポップが……上遠野浩平先生が大好きになりました。小テストの空白部分に霧間誠一の抜粋分を書いていたのもまた立派な黒歴史です。あれを見た先生、僕のことどう思っていたのかな?(遠い目)
【高校生編】
『ブギーポップは笑わない』以降、電撃文庫に傾倒していきます。新人賞作品をチェックするようになってきたのもこの時期。その中でも当時、好きだったのは『ダブルブリッド』と『天国に涙はいらない』といった両極端な内容の2作品。
特に『ダブルブリッド』はライトノベル個人史の中でも上位に挙げるほど好きな作品でした。序盤は良い刊行ペースだっただけに、途中でパタリと止まってヤキモキしたものですが、最終的には完結に至ったので読者としては幸せでした。『天国に涙はいらない』もある意味そんな感じはありましたが。この作品で僕は「萌え」の何たるかを学びました。
それと新人賞作品繋がりでこの作品が誕生したのもこの時期だった。
『キノの旅』の影響でライトノベルを読み始めた、という方も多いかと思います。僕も初めて読んだ時に「こんな書き方もあるのか……!」と驚いた印象があります。同時にある意味「ライトノベルっぽくない」作品でもあったかな。そういった意味では大きな可能性を持っていた。もう20巻も出ていて時間の流れを痛感。
あと高校時代に読んで衝撃的だったのが『DADDYFACE』ですね。
注目すべきはその設定。貧乏大学生の主人公が9歳の時に生まれた娘(現在12歳)と一緒にトレジャーハンティングするお話です。何を言っているか分からないと混乱しながらも興味を持ったロリ○ン諸兄の皆様はぜひ検索してほしい。未完のまま絶版らしい。ちなみに僕はこの内容を高校のクラスメートに嬉々として教えてドン引きされた過去があります。
まあ高校時代は友達らしい友達もいなかったので「ライトノベルが友達」といっても過言ではなかったか、と。この時が一番ライトノベルの話をしたくて仕方のなかった時期だねえ。
マイバイブルである『エンジェル・ハウリング』の話、メッチャしたかったです……安西先生。
ドラゴンマガジンはこの作品を読むために買っていたようなものです。文庫書き下ろしの奇数巻とドラゴンマガジン連載分を纏めた偶数巻で主人公が異なり、二つの主人公が交錯しながら物語を紡いでいく構成が素晴らしかった。
【大学生編(前期)】
まだ続くのこのエントリ感。しかも大学生は前後期2部構成ですよ。
前期の1〜2年生時は大学近くで一人暮らしをしていて、そっちで書店アルバイトをしていました。そのアルバイト先は1階が雑誌を中心とした一般文芸・ビジネス書で、2階が我らのライトノベルコーナーがある店舗。主に1階担当だったため、2階が気になって仕方がなく、かなり集中力を欠いたアホなアルバイト学生だったと思います。
「ライトノベル」という言葉を耳にするようになったのはこの頃ですね。最初に聞いた時は「ライトノベル? 作家と読者をバカにした呼び方。断じて許すことはできない!」などと思っていたのに、今では便利に使っています。人は変わるものです。
アルバイト代を注ぎ込んで、色んな作品に手を伸ばした結果、後々収拾がつかなくなるキッカケを作った時期でもあります。とにかく面白い作品に飢えていて、その中でライトノベルらしい楽しさを感じられた代表格が『バッカーノ』『空の鐘の響く惑星で』です。
成田先生は勢いで書き上げるタイプで、渡瀬先生はプロットを練り上げて書くタイプと感じたのを覚えてる。極端な作家さん達だけで間違いのない面白さに魅了されたなあ。
反対に面白いという声を良く聞いた『涼宮ハルヒの憂鬱』を読んでダメだったんだよねえ。
当時はぶん投げて、アニメ放送後に読み直し『涼宮ハルヒの消失』でこの物語の面白さを知ったので、僕みたいに1冊で投げちゃった人は消失まで読んでみようね!
しかしハルヒはこの後、多くのラノベ読みを生み出す作品になるのだから偉大ですわ。足向けて寝れませんよ。(ぶん投げたハルヒを拾いながら)
書店アルバイトをしていると他店の平台構成がどうなっているのか気になるもので、色々な書店を覗いては平台に並んでいるライトベルを物色していました。
緑色のカバーが目立つMF文庫Jを読み始めたのはこの辺り。
アニメのノベライズ作品を出している印象が強かったので、オリジナル作品が刊行されていることに驚き。
特に『風水学園』は凪さんイラストもあって好きでした。それと『神様家族』が後にアニメ化したの際は「MF文庫J、やるじゃん!」と思ったものです。CS放送だったけど……。
MF文庫Jが大変気に入った僕は新刊もチェックするようになり、新人賞作品も読んだ訳ですが。
やー、『ホーンテッド!』『青葉くんとウチュウ・ジン』どちらも面白かったなー。今思うと凄い二人の作家さんなんだけど……松野先生…………。
あとこの時期に読んで忘れちゃならないのが、今をときめくあのお方のデビュー作。
西尾維新先生だーーーーーー!!
叫んだのに深い意味はありません。当時、プロフィールにあった「京都の二十歳」が印象的でした。『戯言シリーズ』をアニメ化するようで、いーちゃんがどんな感じなのか見てみたい気がする。(Blu-rayパッケージを指くわえながら見てる)
【大学生編(後期)】
住まいを実家に戻し、地元の書店でアルバイトを開始しました。今回は志願してライトノベルコーナーを担当することになり、社員さんが「自由にやっていーよー」みたいな軽い感じだったので結構楽しくできました。
まあある意味、この時期が一番ライトノベルを読んでいなかったかなあ。なんというか、ライトノベルコーナーを担当すると並んでる本が全部自分のものみたいな錯覚に陥って「いつでも読めるしー」感覚になってた。買っても読まない、積読病が発症したのもこの頃。大学生前期に読んでるシリーズを広げた分、積読が溜まる溜まる。未だに消化できてない。
そんな中で急に「ラブコメ読みてー!」となり、選んだのは前々から気になっていた『ゼロの使い魔』です。
読みやすくて面白い。あとルイズ可愛いシエスタ可愛いのよ。既刊数巻を一気に読んで何度も読み直した名作。
そしてその『ゼロの使い魔』がアニメ化してブレイク。ついにMF文庫Jの時代がやってきたのです。読み終えてから平台展開していたので、捌ける捌ける。「在庫がないのでMF文庫Jさん、もっと刷ってくれ〜〜!」状態。自分が推してる作品がバンバン売れるのは嬉しかったなあ。
そしてこの時期に創刊されたGA文庫。創刊ラインナップからだと僕は榊一郎先生の『ポリフォニカシリーズ』を読みました。
その後、シェアワールド展開して色んなシリーズが発売され、律儀に買ってた僕ですが「赤」以外はほぼ手付かずの惨状に。本棚に並べるのも一苦労だよ!
まあ「ポリフォニカ以外は売れない、これじゃあポリフォニカ文庫だよ」と言われてた時代を思うと、今のGA文庫の伸びは凄いよねえ。
もうひとつHJ文庫も創刊してるのもこの時期だったかな。創刊時にライトノベルコーナーを担当していたと記憶している。
四季童子さんが好きだったら買うよね、『グロリアスドーン』うんうん。HJ文庫は創刊仕立てなのにすぐに装丁を変更したので、僕の家にある装丁変更前の『グロリアスドーン』はある意味貴重なのでは?