タイトル:それでも恋するバルセロナ
キャスト
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レビューと評価
最近はまってるウディアレンのヨーロッパ紀行映画シリーズ、今回はバルセロナが舞台の小説です。
親友のクリスティーナとヴィッキーは二人でバルセロナへ旅行、ヴィッキーの親戚の家に滞在します。
そこで出会った画家のアントニオに引かれてイケナイ恋模様を描きます。
半分くらいはナレーションの進行で、まさに小説を読んでいるかのよう。
ヴィッキーは真面目で、誠実な恋愛感を持っていて「不倫」「浮気」「ワンナイト」に否定的な意見の持ち主。
反対に、(ウディさん曰く)クリスティーナは愛からくる苦しみを受けとめ、情熱的なロマンスを求めるタイプ。
そんな二人が、アントニオにそそのかされ彼の飛行機に乗り込んでしまいます。
彼に連れてこられたオビエドで、なんとも言えぬ非日常を味わうことに・・・。
この非日常、結局はアントニオが二人とセックスをしたいという欲望につながるだけなんですが、
その過程でヴィッキーが自分のポリシーを失いアントニオに身を任せてしまいます。
オビエド以降のヴィッキーの彼氏の「モブ」感。 ヴィッキーの変貌。 ヴィッキーを取り巻く男たち。
ヴィッキーに対する純粋な興味からヴィッキーをどんどん壊していく周りの人間が愛おしく思えます。
すぐにヴィッキーは結婚して人生を縛られてしまいますが、
アントニオとの思い出が頭から離れず、
別の人生を心のどこかで望んでしまいます。
ここのところの人間の意志の弱さとか、心のどこかでみんなおもっているよねといった表現がウディさんは本当に抜きん出ている。
誰もが「いや、それはダメだろう・・・」とおもてむきに考えていることを、「これはしょうがない」「たぶん、自分もこう思っているんだ本当は」と思わせてくれるところ、彼しかいないのでは。
夢のような、現実のバルセロナでの一夏。
ウディアレンの映画まだこれで5作目くらいだけど、
彼の作品は独特の統一感があって、バックミュージックやナレーション、俳優のタイプ、脚本、演出、どれを取っても「彼らしさ」がにじみ出ていて、どの作品を選んでも全てが繋がっているように感じます。
まるで「同じ時系列で他の話が進行している」かのような壮大な世界観を共有している感じです。
全てのセリフが、まるでウディアレンが語っているような。そんな印象を受けます。
ヴィッキーとアントニオが再開するときのギターは、あの日の夜に聞いた美しいメロディー。 今作もまた統一感のある音楽で素晴らしい。
まじでタダの浮ついた美術家アントニオによる三人の女のぐちゃぐちゃな恋模様なんだけど、それを理性的にかつ論理的に美しくリアルな小説として書き上げ、映像で表現したのが「それでも恋するバルセロナ」でしょう。
というか、ウディアレンの価値観かな?物欲大量消費的なアメリカから一歩離れて、芸術・文化的なヨーロッパでたくさん恋しようよと言っているような気がする。
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ウディ・アレンってもう70超えてるのか。70超えてこんな映画作れるのって逆にすごくね? 多分、女性が見たらそれなりに楽しめると思う。突拍子ないなりにも楽しめる部分があったことは認めます。でもあんまり、男性が見て面白い映画でもない、っていうか、男性が見たら、「俺この映画見たんだけどどうしよう」っていう戸惑いの方がより強く残るんじゃないかなっていうのが正直な感想。
本作の魅力っていったらペネロペ・クルスだけなんですよねー。 あとはバルセロナの街並み。 物語は正直、意味不明だったので、嘘でも魅力的とは言えません。 結局人生ってこんなもんだ。愛だ恋だで人生が素晴らしいものに変わるわけじゃない、そう言いたかったのでしょうか。
この映画の中にはところどころスペイン語での会話が登場する。授業の中で練習した会話も出てきておもしろかった。自分のスペイン語の発音と映画の中での発音が同じだったので、自分のスペイン語のレベルでもそれなりに聞いたり話したりできるのだと感じた。ヴィッキーとクリスティーナの恋愛に対する姿勢や考え方の違いが見える点もおもしろかった。スペインの風景や、音楽、芸術などの文化も映画を通して楽しむことができる。
まぁ残るのは、フアンはよくもわるくも常人とは違う人なんだな~って感想くらいですね。 さすが芸術家。 でも基本、ヴィッキーかクリスティーナサイドで話が展開されてくんで、 結局のところフアンがどういう人物なのかあんまししっくりこないんですよね~。 まぁ、生き方自体アートってことで。