グローバル化が進むにつれて、子供を国際人にしたいと考えてインターナショナルスクールに通わせるパパママが増えています。
最近、人気が高まっているのが、「インド式インターナショナルスクール」です。
インド式インターナショナルスクールは、その名のとおり、インド式の教育を行うスクールです。
もとは在日インド人の子供向けの学校でしたが、インド式の教育への関心が高まるにつれて、子供を入学・編入させたいという日本人のパパママが増えてきました。
何がパパママを惹きつけているのでしょうか?
この記事では、インド式インターナショナルスクールの特徴、学費や入学方法などよくある疑問質問について紹介します。
インド式インターナショナルスクールの特徴
インド式インターナショナルスクールの特徴は、第一に教育がハイレベルということです。
ゆとり教育による子どもの学力低下が深刻視される中で、インド式インターナショナルスクールでは、子供が幼いころから世界的に見ても最高水準の教育を行っいます。
- 高度な数学教育
- 五感を刺激するツールの活用
- 企画立案能力やプレゼン能力を高める教育が導入されている
- プログラミング教育が充実している
- 1日7~8時間授業が普通
- 個人のレベルに応じた進級
インド式の特徴:高度な数学教育
インド式インターナショナルスクールにおける、一般的な数学のカリキュラムは、次のとおりです。
なお、()内は日本の学校教育において学習する時期の目安です。
- 九九:保育園・幼稚園(小2)
- 割り算:小学校1年生(小3)
- 3桁の掛け算:小2(小3)
日本の学校教育よりも早い時期から高度な数学を学習することが分かります。
また、後で詳しく紹介しますが、インド式では授業はすべて英語で行われるため、子供は、英語で九九を口ずさみ、英語で回答するようになります。
インド式の特徴:授業中はすべて英語を使用する
通常、インド式インターナショナルスクールの授業は全て英語で行われます。
そのため、小3~4の年齢でも、日本の義務教育を受けてきた中3レベルの英語力を身につけています。
年齢が低い時期の方が脳が何事も柔軟に吸収しやすいことや、英語は積み重ねる科目であることから、より小さいうちからインド式スクールに通っていた子供の方が、高い英語力を身につけられる傾向があります。
インド式の特徴:五感を刺激するツールの活用
数学は、学校教育の中で得手不得手や好き嫌いが真っ二つに分かれる教科です。
数学が得意な子供は、教師の話を聞き、黒板や教科書を見るだけで理解します。
しかし、数学が苦手な子供は、見聞きしただけでは十分に理解できず、放っておくと飽きたり、やる気をなくしたりしてしまいます。
インド式では、子供を飽きさせないための工夫として、五感を刺激するツールがたくさん用意されており、子供が常に自発的・主体的に授業に関われるようになっています。
インド式の特徴:企画立案能力やプレゼン能力を高める教育が導入されている
インド式では、小4頃に、パワーポイントを使用してプレゼン用の資料を作成するというカリキュラムが組まれています。
これにより、企画立案能力やプレゼン能力が向上していきます。
教師が一方的に指導・教授する日本の教育と異なり、子供の自主性が存分に発揮されることになります。
インド式の特徴:プログラミング教育が充実している
インド式では、小6頃から、表計算ソフト(エクセル)で課題入力や関数設定を学習し、HTML、FLASHなどでウェブコンテンツを作成するスキルも身につけていきます。
また、Visual Basicなどプログラミング言語を学習するのも小6前後です。
ここ数年でようやく、プログラミング教育を小学校で必修化する動きが出てきた日本の教育現場と比べると、かなり進んだ内容を実践していることが分かります。
関連記事
インド式の特徴:1日7~8時間授業が普通
インド式では、1日にたくさんの科目を学習するようにカリキュラムが組まれていることが多く、通常は、1時間40分前後のカリキュラムを7~8時間行っています。
また、休み時間なく科目が切り替わる時間帯があるなど、より集中して学習に取り組むための工夫がなされています。
この点も、45分授業で6時間まで、毎時間ごとに休憩を設けている日本の教育現場とは異なります。
インド式の特徴:個人のレベルに応じた進級
インド式インターナショナルスクールでは、能力の高い子どもはドンドン学習を先に進め、上の学年が受ける進級テストに合格して飛び級することも珍しくありません。
一方で、能力が追い付かない子供は、小学校の年齢であっても留年することがあります。
インド式インターナショナルスクールに関する疑問質問
ここからは、インド式インターナショナルスクールに関する一般的な疑問質問と回答を紹介します。
インド式インターナショナルスクールの学費・開校地域
インド式インターナショナルスクール2校の学費と開校地域を見てみましょう。
- グローバル・インディアン・インターナショナルスクール(Global Indian International School GIIS)
- インディア・インターナショナル・スクール・イン・ジャパン(India International School in Japan IISJ)です。
グローバル・インディアン・インターナショナルスクール(Global Indian International School GIIS)
- 運営母体:シンガポールを拠点とする財団
- 学費:N〜K2(生後2歳半から保育園・幼稚園の年中組まで)が付き65,000円~7万円くらい、G1〜G10(保育園・幼稚園の年中組から中学校3年生まで)が月75、000円~9万円くらい、G11(高校1年生)が月10万5、000円くらいです。
- 開校地域:東京都江戸川区葛飾(瑞江)
インディア・インターナショナル・スクール・イン・ジャパン(India International School in Japan IISJ)
- 運営母体:インド人中心のNPO
- 学費:年間60万円くらい(月5万円くらい)
- 開校地域:東京都江東区大島、横浜
いずれも、日本で働くインド人がたくさん居住している地域に開校されています。
また、欧米型のインターナショナルスクールに比べると学費が低く設定されているのも特徴と言えるでしょう。
インド式インターナショナルスクールは義務教育か?
日本の文部科学省が義務教育として認可しておらず、義務教育ではありません。
そのため、進級するには年に一度、進級テストを受けて合格する必要があります。
インド式インターナショナルスクールに入学する方法
本来、インド式インターナショナルスクールは、日本で働くインド人の子供向けの学校です。
日本人が入学するには、各学校が定めた日本人枠を巡って、入学テストを受ける必要があります。
入学テストは、スクールによって、また、入学する時の子供の年齢によって異なります。
例えば、グローバル・インディアン・インターナショナルスクールでは、N~K2の入学試験では、アルファベットの読み書きできることが求められます。
また、G1の入学試験では、英語で短い文章を読み書きしたり、会話したりする力がチェックされます。
なお、日本人枠の人数はスクールによって、全生徒の1~3割程度となっています。
インド式インターナショナルスクールの学期
日本の学校と同じで、4月に新年度が始まり、次の年の3月に終わります。
なお、年度途中の入学も認められています。
インド式インターナショナルスクールから、日本の学校に転校・進学する方法
日本の中学校へ進学するには、小学校の卒業証明書が必要です。
そのため、小学校5~6年生までに日本の小学校へ転入し、卒業しなければありません。
また、日本の高校へ進学する場合は、中学校の卒業証書と中学校卒業程度認定試験の結果、日本の大学へ進学する場合は、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)の結果が必要になります。
まとめ
インド式インターナショナルスクールは、日本式教育にはあまり見られない、特徴的なカリキュラムが豊富に取り揃えています。
そして、その多くが、グローバル社会で活躍する人材を育てるという大きな目標に沿ったものになっています。
インド式の特徴や子供の性格行動傾向を踏まえて、子供に与える教育環境の一つの選択肢として検討してみてはどうでしょうか。