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【首都スポ】

関東大学野球 上武大、公式戦12連勝で神宮キップ 山下復活投で4年連続出場

2016年11月3日 紙面から

共栄大打線を2安打に抑え、完封勝利を挙げた上武大の山下=横浜スタジアムで(武藤健一撮影)

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◇<準決勝> 上武大4−0共栄大

 関東地区大学野球選手権は2日、横浜スタジアムで準決勝2試合を行い、関甲新学生リーグを10戦全勝で制覇した上武大が4−0で共栄大に快勝し、4年連続の明治神宮大会出場を決めた。エース山下仁投手(4年・須磨翔風)が2安打完封勝ち。桜美林大は6−1で中央学院大を破り、硬式野球部になって8年目で初の全国大会出場となる神宮キップ。ロッテ1位指名の佐々木千隼投手(4年・日野)は中1日登板で1失点完投した。秋の日本一を決める明治神宮大会(11日開幕、神宮球場)はこれで大学の部出場11校が出そろった。

 秋の公式戦12連勝で、上武大が神宮キップをつかんだ。東海大戦の救援から連投したエース右腕の山下は「疲れもあったのか、直球の調子は良くなかったので、変化球も使って打たせて取りました」。今春は右肩腱板(けんばん)を損傷していて力を発揮できなかったが、秋に完全復活。リーグ戦は4勝負けなし、防御率はリーグトップの1・45で最高殊勲選手。この大会も2試合で13イニング無失点となった。

 2年秋は、この横浜スタジアムでチームを優勝に導いてMVPに輝いたが、3年秋から肩の状態が悪くなった。今春の大学選手権は準決勝の中央学院大戦にリリーフ登板し、追加点を許して敗戦。この夏は、肩を休ませながらピッチングを見詰め直した。

 「強い球が投げられなかったのでコントロールを磨き、投球術も学んだ。力任せだけではなくなりました」

 今秋は最速148キロをマーク、肩を痛める前のベストを3キロ更新したが、打たせて取る投球も披露。この日も奪った三振は2つだけで、シュート、カットボールも使い共栄大打線を凡打させた。味方が3点を取った直後の7回表に、左中間に初ヒットを許したが、二塁を狙った打者走者をセンター島田が好返球で刺した。「ノーヒットは意識していなかった。島田の守備で助かりました」。打たれた安打はこの回の2本だけ、3四球と制球も良かった。

 関東5連盟の1、2位校が集まり、2枚しかない神宮大会行きキップを争うハイレベルな戦いをまたも勝ち上がった。このシステムになってから12年目で4年連続で神宮出場は史上初。谷口英規監督(47)は「4年連続にはびっくりです。スター選手はいないけど全員で勝ってきた。山下にはこの大会は連投で行くと伝えていた。本調子ではなかったが、気だけは抜くなと言った」とエースをたたえた。

 卒業後はJR西日本でプレーし2年後のプロ入りを目指す山下にとって神宮大会は春のリベンジの場であり、大学生活のフィナーレ。「自分はスタンド応援でしたが、1年春に先輩たちが日本一になった。日本一で終わりたい」。神宮のマウンで輝いて初優勝を勝ち取って大学野球を締めくくる。 (小原栄二)

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