アメリカ大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏の側近、フーマ・アベディン氏が、夫で元下院議員のアンソニー・ウィーナー氏の再三にわたるスキャンダル発覚を受け、別居することを発表しました。
アベディン氏は、学生時代にインターンとしてクリントン氏のもとで働き始めて以来、クリントン氏の右腕として活躍しています。そのアベディン氏の夫のウィーナー氏について、29日付けのニューヨークポスト紙が1枚の写真とともに1面でスキャンダルを報じました。写真には、5歳の息子の隣で下着姿になっているウィーナー氏の下半身が映っていて、それをウィーナー氏がテキストメッセージで友人の女性に送ったと記事は伝えています。
ウィーナー氏は2011年、やはり知り合いの女性にわいせつな写真を送りつけたことが発覚し、議員を辞職しています。その後2013年には、ニューヨーク市長に立候補し、政界復帰を狙いましたが、再び同様のスキャンダルが発覚。このときアベディン氏は夫とそろって会見し、「彼を愛しているから許す、信じている」と語りました。しかし今回、再三のスキャンダル発覚を受け、アベディン氏はウィーナー氏との離別を決意。「長くつらい時期を過ごしてきたが、夫と別れることを決めた。これからは息子にとって最善の道を二人で模索する」と声明を出しました。
アベディン氏は今年の選挙戦でもクリントン陣営の選対副部長を務めるなど重要な役割を担っています。今回の騒動について、ライバルの共和党候補、ドナルド・トランプ氏は、「彼女(アベディン氏)は自制がきかない病気の男と結婚した、その女性が機密情報を扱っている」「クリントン氏が誤った判断をした一例」と批判しました。
クリントン氏はここ数日、国務長官時代に自身が関わる慈善団体「クリントン財団」の大口献金者に便宜を図った疑惑が取り沙汰されていました。そうした中で浮上した陣営の混乱は、選挙戦でも痛手になる可能性があると、専門家は指摘しています。