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【サッカー】

浦和、年間勝ち点1位 慌てず騒がずドローで逃げ切り

2016年11月4日 紙面から

浦和−横浜M 後半、先制ゴールを決める浦和・柏木=埼玉スタジアムで

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◇J1第2S最終節 浦和1−1横浜M

 試合終了の笛が鳴った瞬間、歓喜の雄たけびとはいかなった。1−1の引き分け。勝ち点差1で追う年間2位の川崎が勝てば、首位を明け渡していた。DF槙野、GK西川らが一呼吸置き、試合中の情報を再度確認する。川崎の敗戦が分かり、ピッチ上に笑みが波紋のように広がった。

 ハーフタイム。ペトロビッチ監督から「川崎が2点リードしている」と告げられた。この時点では、年間1位死守には勝利が条件だった。昨季までの「失速の浦和」なら強引に攻め、カウンターから失点する自滅パターン。だが、後半開始前の円陣で空気が違ったという。主将の阿部は実感を込めて言った。

 「落ち着きがあった。まずは失点しないこと。必ずチャンスは来るので、それまで粘ろうと。これまで学んできたもの、悔しさもある」

 慌てず、騒がす、構えた。高速パスの連続から後半21分に柏木の先制弾が生まれた。しかし、試合終了間際の後半40分に失点し、同点に。もう1点が必要かと思われた…。だが、4分前に交代でベンチに下がった興梠が「川崎が負けている」とピッチ内に伝えた。指揮官が動かない中、リーグ優勝3回を経験しているストライカーの好プレーだった。

 DF槙野は「(情報は)左サイドから伝えていった」とにやり。状況に合わせ敗戦だけは回避し、引き分けに持ち込んだ。そして、川崎の結果を再び確認して、喜びを爆発させた。昨季の広島に並ぶ年間最多勝ち点74を記録。「失速の浦和」から「大人の浦和」に成長した。CS決勝の出場権を得た槙野は「次は勝って優勝を決める」と文句なしの年間優勝を誓った。 (占部哲也)

 

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