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【大リーグ】

さらばヤギの呪い!!カブスV!! 1勝3敗から108年ぶり頂点

2016年11月4日 紙面から

インディアンスを破って108年ぶりにワールドシリーズを制覇し、喜ぶカブスの選手たち=クリーブランドで(共同)

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◇WS第7戦 カブス8−7インディアンス

 【クリーブランド穐村賢】ヤギの呪いが解けた! カブス、108年ぶり頂点! 大リーグのワールドシリーズ(WS、7回戦制)は2日、当地で第7戦が行われ、カブスがインディアンスに延長10回、8−7で競り勝って対戦成績を4勝3敗とし、108年ぶり3度目の優勝を果たした。最優秀選手(MVP)は今シリーズ打率3割5分7厘と活躍したカブスのベン・ゾブリスト外野手(35)が選ばれた。カブスは6−3の8回に同点に追い付かれ、延長戦に入ったが、降雨中断を挟んだ10回、ゾブリストの二塁打などで2点を勝ち越した。インディアンスは延長10回も1点差に迫る粘りを見せたが届かず、68年ぶり3度目の制覇はならなかった。

 108年ぶりの歓喜の瞬間がついに訪れた。10回裏2死、三塁ブライアントからの送球が一塁リゾのミットに収まる。4時間28分に及んだ死闘を制すると、喜びを爆発させたカブスナインが一塁ベンチから一気に飛び出す。マウンド付近にできた歓喜の輪。北米スポーツ史上最長のブランクとなる107年間“V逸”という暗黒の歴史が解かれた。

 延長に突入した試合に決着をつけたのは、MVPに輝いたゾブリストの一打だった。1死二塁から目の前で4番リゾが敬遠された。この打席前で無安打で「打てなくて胃が痛かった」という5番打者が外角の速球に合わせ、三塁手の脇を痛烈に抜く、勝ち越しの左翼線二塁打を放ったのだった。

 二塁ベース上で大きく飛び上がり、何度も拳を天に突き上げた背番号18は、昨季もロイヤルズで世界一を経験。試合後は「全員が気持ちをむき出しにしてプレーした壮大な戦いだった。108年の時を経て、トロフィーを掲げられるなんて信じられないよ」と感慨にふけった。2006年から14年まで、ゾブリストをレイズで指導したマドン監督も「彼のように献身的な働きができる選手がチームにいてくれて、本当に幸運だよ」と“秘蔵っ子”の活躍を手放しで称賛した。

 71年前に、リグリーフィールドにヤギを連れたファンを追い返したことからかかったとされる“ヤギの呪い”。その呪いを解くべく2年前に招聘(しょうへい)されたマドン監督も、劇的な優勝に「(優勝できて)心の重荷が下りた。呪いは信じるに値しない」と重圧から解き放たれた安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

 

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