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先日、生きていくには辛すぎる地獄のような場所の1つにランクインしていた、極寒地獄のオイミャコン村についてもうすこし詳しく紹介しよう。
ロシア、東シベリアのサハ共和国にあるオイミャコン村は、北極圏のわずかに南に位置しており、世界で最も寒い定住地と言われている。一年の半分以上が冬でその気温はマイナス50℃を下回ることも度々だ。1924年2月6日、当時ソ連だったオイミャコンの気象観測所が、マイナス71℃というとてつもない気温を記録した(ただし測定法には議論がある)。
写真家のアモス・チャップルは、北半球でもっとも厳寒な地とはどんなものなのかに興味を持ち、2012年の冬、オイミャコン村に出かけた、その様子をフィルムに収めた。
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オイミャコンが北半球最寒の地であることを宣言したソ連時代の記念碑
オイミャコンやサハ共和国が地図のどの辺にあるかを、知っている人はおそらくあまりいない。チャップルはオイミャコンのことをそれまで聞いたことはなかった。
だがオイミャコンに足を運んだチャップルは、そこが世界の中でも目を見張るほどすばらしい場所のひとつであることを発見した。
目を見張ったよ。冬景色がすばらしい。いたるところに霧がたちこめ、まるですべてが小さなつららの下がった、砂糖でアイシングされたケーキみたいなんだ。独特で、みんなの頭の中にあるようなイメージとはまるで違う
チャップルはここで冬を過ごし、地元の人たちの生活をカメラにとらえた。
オイミャコンは人口500人の小さな村。住民は極寒の中での生活に適応していかなくてはならない。車のエンジンは一晩中かけっぱなしておかないと、ガソリンやほかのパーツが凍ってしまう。
バーナーで車のドライブシャフトの凍結を解消しようとする男性
オイミャコンにわずかしかないガソリンスタンドは住民の生命線になっている。労働者は2週間働いて、2週間は休みだ。
熱源は、町のはずれにある石炭火力発電所から供給される。毎朝、掘削機が新しい石炭を届けている。
地元の農夫ニコライ・ペトロビッチは、毎晩牛たちをしっかり防寒対策をした小屋に入れる。
オイミャコンのほとんどの家には屋内トイレはない。住民たちは外のトイレを使う。なぜ、外にあるのか? 永久凍土なので、配管工事ができないからだ。
オイミャコンを出ると、コルイマ・ハイウェイに入る。ここは骨の道として知られている。この道路は、スターリン時代に強制収容所の囚人たちによって建設された。建設中に多くの人がここで亡くなった。
極度の寒さにもかからわず、チャップルはまたここに戻ってきて、もっと写真を撮りたと思った。初めてオイミャコンを訪ねたとき、チャップルは首都のヤクーツクを通過し、とても魅せられた。そして翌年、再び戻ってきたのだ。
首都ヤクーツクの町をに立ち寄ったとき、本当にびっくりした。空港から一歩出た瞬間、あたり一面もやと霧に包まれた世界で、美しい女性たちが分厚いファーコートを羽織り、すべてが霜に縁どられていたんだ。絶対にまた戻ってこなくてはと思った
ヤクーツクの人口は27万人。最極寒ではないが、それでもここもかなり寒いことには変わりはない。チャップルがこの写真を撮った日は、マイナス60℃!
銅像でさえすっかり凍りついている。(初代知事イヴァン・クラフトの銅像)
人々は、大学から実家に帰ってきたこの女性のように完全防寒武装しなくてはならない。
チャップルは町を歩き回っていて、さらに驚きの場面に遭遇した。この女性は、まるで冷凍庫の中のような冷え切ったプレオブラジェンスキー聖堂に入っていったのだ。
若者たちは暖房が効いたナイトクラブで楽しんでいる
市の中心近くの氷に覆われた家々
霜で毛が白くなった番犬
郊外の小屋の軒下に吊るされていた夏のシューズもこのとおり
以来、チャップルはサハ共和国に夏も冬も戻ってきている。冬のほうが多い。チャップルは、ロシアの北極地方で行われているマンモスの象牙の略奪行為についてレポートした仕事を終えたばかりだ。チャップルの写真がすばらしいのは、凍りついた地域のありのままをとらえていることだ。
「写真で、ほかの瞬間とは違うその一瞬をとらえるためには、本当にハードに働かなくてはならないことが多い」とチャップルは言う。例えば、何週間もビーチに張りこんで、100万分の1の確率で現われる夕日の瞬間をやっととらえる。しかし、サハ共和国では、飛行機を降りた瞬間から、撮った写真すべてがそこがどのようなものかを的確にとらえていた。
「空港を出たとたん、まったく葉がついてなくて、氷ですっぽり覆われた木々が見えるだろう。これがまさに、シベリアという場所のイメージなんだ」
via:18 spellbinding pictures of the coldest city on Earth.http://www.upworthy.com/18-spellbinding-pictures-of-the-coldest-city-on-earth
動画で見るオイミャコンの村
Walking in Yakutsk - Oymyakon, Siberia, Yakutia, Russia at –50C (December 2014)
▼あわせて読みたい
氷点下の世界では間欠泉も吹雪に変わる(アイスランド)
みなさん寒波とか言いますけど、シベリアはこうですから。ロシア、シベリアにおける冬の洗濯物。
気温マイナス41度の世界では、水鉄砲から放ったお湯が吹雪となる。(カナダ)
水道管の凍結を防ぐため、水を出しっぱなしにしておいたらこうなった・・・
寒すぎて消防部隊の消火の水が凍りつき、火事現場がまるごと氷漬けに(米シカゴ)
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コメント
1. 匿名処理班
そこまでしてここで暮らすメリットが知りたい
2. 匿名処理班班長
ノションしたら凍りそう
3. 匿名処理班
こういう言い方は乱暴だけれど、人間をはじめとした生き物って図太いなぁとしみじみ思う。
恐らく新石器時代に北方から陸伝いに列島へ渡ってきた人達も下手したらもっと厳しい寒さの中を生きていたのかも知れないし。
4.
5. 匿名処理班
不思議なものであれだけの防寒服でモコモコになっていてもちゃんと女性だと分かったりする
※誤変換したまま投稿してしまったので再投稿します
6. 匿名処理班
アジア系ばっかりやね
極東地域だから中国の移民かな
7. 匿名処理班
イソジンのカバも逃げ出すレベル
8. 匿名処理班
マイナス60〜70℃の中で犬を外で飼ってる?!
9. 匿名処理班
メルカトル図法の地図を使って場所を説明しても分かりにくいだろ(笑)
10. 匿名処理班
大黒屋光太夫一行も冬のシベリアを体験しているんだよな
当時も冬の旅では全身毛皮で身を固めたがそれでも寒威は凄まじく
水夫の庄蔵は凍傷で片足を失い帰国の望みを断たれた。
11. 匿名処理班
何に従事して暮らしているのだろう
12. 匿名処理班
こんな気温なのに屋外で飼ってるの!?
寒い所の犬って本当にすごいな。
13. 匿名処理班
永久凍土はすごいねぇ
街中の様子は動画を見た限りだと北海道もあんな感じだよ
寒い朝は川から湯気が立つし
比較的暖かい札幌でも油断するとトイレのタンクや流しや風呂場の排水溝のトラップなんか一晩で全部凍るので基本は春までストーブは微小のままつけっぱなしだよ
14. 匿名処理班
北海道より更に日本一個分以上北なのか…
良く定住しようって気になったなぁ
マイナス70度って想像つかないや
15. 匿名処理班
一部のシベリア抑留者はもっともっと北の北極海付近まで抑留されたんだぜ
16. 匿名処理班
日本人俳優がここに一週間住んでみるって番組を見たことがあるわ
室内暖房は温水パイプのみ、でも温かいとか
小学校〜高校まであって、気温次第でで休校になる(確か−50℃)というのは極寒の地ならではの話だと思った
17. 匿名処理班
犬外飼いなの?
生きていけるの?
夜を越せるの?
18. 匿名処理班
※6
エスキモーやモンゴル人もアジア系だし。もともとアジア系が住んでた場所なんじゃなかったっけ?日本人のルーツはバイカル湖近辺だって説もあったような・・・。
てか、マイナス50度とか言いながらめっちゃ薄着に見えるんですけど!顔出してて作業してたり、大丈夫なの?それとも毛皮ってそんなに暖かいのかな?ボンビーにはわからんのが悲しい。
19. 匿名処理班
オイミャコン村民「冬景色がすばらしい?砂糖でアイシングされたケーキみたいだ?こっちはもううんざりしてんだよ!」
20. 匿名処理班
※1
確か、シベリア物流の拠点の一つで、炭鉱もある。
近くの川は温泉が湧いていて凍らない。
村があるのは盆地で、夏は30度を越える。
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