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2016年11月04日12:00
頑張れ、名古屋グランパス!
「頑張れ」、それは自分とは直接関係のない他人に、具体的な提案とか援助を含まず、「お前自身のチカラで何とかしろ」という激励のメッセージを送るときの言葉。「オリジナル10」と讃えられ、トヨタ自動車という日本屈指の大企業の傘下にある名門には、まさに「頑張れ」がふさわしい。頑張れ、頑張れ、頑張れ!
今季の低迷、そして最終節で降格を負け獲るにいたった直接的な原因は、一般論で言えば小倉隆史監督就任その1点に尽きるのでしょう。多くの人が抱いたであろう「うわぁ、選手としての実績も大したことなく、指導者としての実績は皆無の、テレビコメンテーターを連れてきた!」「しかもGM兼任!」「小倉をクビにする担当者も小倉じゃん!もうダメだ!」という感想は、小倉戦犯論を決定づけるには十分のものでした。
↓「自分のところでは見たくないが、他人のところで見てみたい」監督の日本代表!
就任時:「改革の時を迎えている」
就任時:「原点に立ち返り」
就任時:「確固たるチームスタイルを」
就任時:「闘えるチームを作り上げ」
就任時:「勝負にこだわったサッカーで」
就任時:「信頼を取り戻したい」
就任時:「この難局を一体となって乗り越え」
就任時:「ともに栄光をつかみましょう」
今じゃん…!?
今こそこの意志を持った人材が必要じゃん…!?
小倉監督再登板はまだ理屈として可能なはず!
休養からのV字回復、あると思います!

しかし、僕は思うのです。今年、プロ野球で日本一を成し遂げた栗山英樹監督と小倉監督のどこが違うのかと。「選手としての実績も大したことなく、指導者としての実績は皆無の、テレビコメンテーター」という意味では両者はまったく変わらないところ。そりゃあ確かに「栗山は頭よさそうだけど、小倉は頭悪そう」というもっともらしい意見もあるのでしょうが、いかに栗山氏が隠れた名将であったとしても、就任初年度の2012年にいきなり優勝を成し遂げたというのは、本人のみのチカラではないはずです。
同様に、就任初年度でチームを粉砕した責任の一端が小倉監督にあったとしても、すべてが小倉監督のせいではないはず。小倉監督就任と同時に、「あれ、スタメンが全員バイエルン・ミュンヘンと入れ替わっている」なんて魔法があったら、優勝は不可避だったはず。少なくとも降格などということはなかった。にも関わらず降格したというのは、そもそもが降格するかしないか五分五分程度のチームだった、それが現実なのだろうと思うのです。
「中位力」という言葉。上位にも行かず、下位にも行かないという名古屋グランパスの年間成績を評するフレーズです。ここにこそ「五分五分」の実態があるでしょう。昇格したてのチームなど「ほぼほぼ降格」という候補がいくつかあるから、たまたま免れてきただけで、実は毎年のように降格の可能性を抱きながらのシーズンだった。そして、そこに小倉監督という決定打がきたことで、実態が露呈した。
中位力というまやかしの向こうにある「五分五分で降格」という現実を正しく認識することができていなかったことが、5月8日から8月20日までの「暗黒無勝ロード」を3ヶ月あまりも歩んでしまうという、決断の遅さを引き出してしまった。ファーストステージ終了時点で、降格圏から勝点1差の14位という状況を鑑みれば、そこで「ダメだな」と気付き、水面下で監督交替策の準備を進めるのが普通の反応。そうであればセカンドステージ頭の3連敗の時点か、遅くとも7月中にはカンフル剤を打てた。
何せ、傍目には開幕前から「降格請負人登場」「ついにオリジナル10の降格バージンもマリノスとアントラーズだけか」「2部には絶対にベンゲルはこないな、夢の終わり!」という気持ちで見られていたわけです。いくら内部は現実を認めるのが遅れるといっても、「五分五分で降格」の前提があれば、早い段階で動かざるを得なかったはず。
しかし、「何とかなるんじゃないか」的な希望的観測のもと、ズルズルと決断は引きのばされ、最終的に「休養」という中途半端な落としどころにいたった。やはり、そこには現状認識の問題があったのかなと思います。それは、チームのみならず、ファン・サポーターも含めての話。どこかに「ウチは大丈夫だろう」という気持ちがあったから、あの決定打を許してしまった。トヨタという無限に金がわき出る財布があるから、何とかなるような気にさせてしまった。本来ならウワサの時点で「小倉監督就任絶対反対」のデモでも起こすべき提案を、オオーッと受け入れてしまった。
↓この時点で会見場をサポーターが取り囲んで、盗んだバイクでガラスを壊してまわるくらいしないと!
フロント:「受け入れられたな」
フロント:「大丈夫ですね」
フロント:「よし、ドーンと行ってみよう」
↓遅くともこの時点では新体制発表のステージによじのぼって、怪文書のビラをバラまくくらいしないと!
フロント:「ウケとるな」
フロント:「めっちゃウケとるな」
フロント:「大丈夫ですね」
フロント:「よし、ドーンと行ってみよう」

そもそも、小倉氏のようなレジェンドに対して監督就任を打診するのであれば、「監督は寝ていても大丈夫」な戦力を整えてからの打診とするべきところ。もしくは下部組織から任せ、じっくりと本人の成長を促すべきところ。下り坂の途中で建て直しを託すなんていうのは失礼であり、もったいない話。1枚しかない貴重なカードを、破り捨てるような使い方は、監督としての資質うんぬん以前に止められてしかるべきものでした。
その意味では小倉監督はまさに改革を断行するための、大きな犠牲となった…そのように思うのです。現代の泥船…じゃなくて黒船であると。それは、クラブのレジェンドとしての大きなご奉公だったのかもしれません。まさに身を賭して、クラブの改革の礎となったのです。溶鉱炉に飛び込むターミネーターのように、未来への美しい人柱となって。
この痛みを大きな学びに変えて、名古屋グランパスには頑張っていただきたいもの。そして、今度J1に上がってきた際は、資金の使い方もより現実にシフトしていってほしい。「自分たちが強くなるためではなく、落とせそうな相手を確実に落とすために金を使う」その1点に絞って。「昇格すると必ず名古屋さんがお金をくれる(※主力選手と引き換えに)」という「あしながおじさん」的なポジションを確立していってほしい。この財布はみんなの財布、という大きな心で。そのためにも1年でのJ1復帰、お祈りしたいと思います。頑張れ、名古屋グランパス!
↓最後は希望を託した闘莉王がブチ抜かれて、降格仲間の湘南に道連れにされた!諦めるしかない降格劇!
フロント:「絶対1年でJ1復帰」
フロント:「柏とガンバを見てください」
フロント:「復帰直後に優勝しているでしょ?」
フロント:「と、いうことは…?」
と、いうことはじゃない!まず夢からさめよう!
「落ちそうなチームが普通に落ちた」だけです!
「来季からのJ2仲間に普通に負けるくらいのチームが普通に落ちた」だけです!
それに気づくことが、小倉監督の尊い犠牲に報いるための一歩!

普通にやれば、来年はJ2で例年通りの「中位力」を発揮する感じかと!
「頑張れ」、それは自分とは直接関係のない他人に、具体的な提案とか援助を含まず、「お前自身のチカラで何とかしろ」という激励のメッセージを送るときの言葉。「オリジナル10」と讃えられ、トヨタ自動車という日本屈指の大企業の傘下にある名門には、まさに「頑張れ」がふさわしい。頑張れ、頑張れ、頑張れ!
今季の低迷、そして最終節で降格を負け獲るにいたった直接的な原因は、一般論で言えば小倉隆史監督就任その1点に尽きるのでしょう。多くの人が抱いたであろう「うわぁ、選手としての実績も大したことなく、指導者としての実績は皆無の、テレビコメンテーターを連れてきた!」「しかもGM兼任!」「小倉をクビにする担当者も小倉じゃん!もうダメだ!」という感想は、小倉戦犯論を決定づけるには十分のものでした。
↓「自分のところでは見たくないが、他人のところで見てみたい」監督の日本代表!
小倉監督「(進退について)それは上に聞いて」→小倉GM(※同一人物)→上層部の大人の事情→「(監督を)やれと言われる限りやる」…以下ループの様相のようなので、さてどうなるんでしょう? pic.twitter.com/PJ9ovKJVaQ
— Southside (@ctachicago) 2016年7月11日
就任時:「改革の時を迎えている」
就任時:「原点に立ち返り」
就任時:「確固たるチームスタイルを」
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就任時:「勝負にこだわったサッカーで」
就任時:「信頼を取り戻したい」
就任時:「この難局を一体となって乗り越え」
就任時:「ともに栄光をつかみましょう」
今じゃん…!?
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しかし、僕は思うのです。今年、プロ野球で日本一を成し遂げた栗山英樹監督と小倉監督のどこが違うのかと。「選手としての実績も大したことなく、指導者としての実績は皆無の、テレビコメンテーター」という意味では両者はまったく変わらないところ。そりゃあ確かに「栗山は頭よさそうだけど、小倉は頭悪そう」というもっともらしい意見もあるのでしょうが、いかに栗山氏が隠れた名将であったとしても、就任初年度の2012年にいきなり優勝を成し遂げたというのは、本人のみのチカラではないはずです。
同様に、就任初年度でチームを粉砕した責任の一端が小倉監督にあったとしても、すべてが小倉監督のせいではないはず。小倉監督就任と同時に、「あれ、スタメンが全員バイエルン・ミュンヘンと入れ替わっている」なんて魔法があったら、優勝は不可避だったはず。少なくとも降格などということはなかった。にも関わらず降格したというのは、そもそもが降格するかしないか五分五分程度のチームだった、それが現実なのだろうと思うのです。
「中位力」という言葉。上位にも行かず、下位にも行かないという名古屋グランパスの年間成績を評するフレーズです。ここにこそ「五分五分」の実態があるでしょう。昇格したてのチームなど「ほぼほぼ降格」という候補がいくつかあるから、たまたま免れてきただけで、実は毎年のように降格の可能性を抱きながらのシーズンだった。そして、そこに小倉監督という決定打がきたことで、実態が露呈した。
中位力というまやかしの向こうにある「五分五分で降格」という現実を正しく認識することができていなかったことが、5月8日から8月20日までの「暗黒無勝ロード」を3ヶ月あまりも歩んでしまうという、決断の遅さを引き出してしまった。ファーストステージ終了時点で、降格圏から勝点1差の14位という状況を鑑みれば、そこで「ダメだな」と気付き、水面下で監督交替策の準備を進めるのが普通の反応。そうであればセカンドステージ頭の3連敗の時点か、遅くとも7月中にはカンフル剤を打てた。
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しかし、「何とかなるんじゃないか」的な希望的観測のもと、ズルズルと決断は引きのばされ、最終的に「休養」という中途半端な落としどころにいたった。やはり、そこには現状認識の問題があったのかなと思います。それは、チームのみならず、ファン・サポーターも含めての話。どこかに「ウチは大丈夫だろう」という気持ちがあったから、あの決定打を許してしまった。トヨタという無限に金がわき出る財布があるから、何とかなるような気にさせてしまった。本来ならウワサの時点で「小倉監督就任絶対反対」のデモでも起こすべき提案を、オオーッと受け入れてしまった。
↓この時点で会見場をサポーターが取り囲んで、盗んだバイクでガラスを壊してまわるくらいしないと!
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フロント:「大丈夫ですね」
フロント:「よし、ドーンと行ってみよう」
↓遅くともこの時点では新体制発表のステージによじのぼって、怪文書のビラをバラまくくらいしないと!
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そもそも、小倉氏のようなレジェンドに対して監督就任を打診するのであれば、「監督は寝ていても大丈夫」な戦力を整えてからの打診とするべきところ。もしくは下部組織から任せ、じっくりと本人の成長を促すべきところ。下り坂の途中で建て直しを託すなんていうのは失礼であり、もったいない話。1枚しかない貴重なカードを、破り捨てるような使い方は、監督としての資質うんぬん以前に止められてしかるべきものでした。
その意味では小倉監督はまさに改革を断行するための、大きな犠牲となった…そのように思うのです。現代の泥船…じゃなくて黒船であると。それは、クラブのレジェンドとしての大きなご奉公だったのかもしれません。まさに身を賭して、クラブの改革の礎となったのです。溶鉱炉に飛び込むターミネーターのように、未来への美しい人柱となって。
この痛みを大きな学びに変えて、名古屋グランパスには頑張っていただきたいもの。そして、今度J1に上がってきた際は、資金の使い方もより現実にシフトしていってほしい。「自分たちが強くなるためではなく、落とせそうな相手を確実に落とすために金を使う」その1点に絞って。「昇格すると必ず名古屋さんがお金をくれる(※主力選手と引き換えに)」という「あしながおじさん」的なポジションを確立していってほしい。この財布はみんなの財布、という大きな心で。そのためにも1年でのJ1復帰、お祈りしたいと思います。頑張れ、名古屋グランパス!
↓最後は希望を託した闘莉王がブチ抜かれて、降格仲間の湘南に道連れにされた!諦めるしかない降格劇!
フロント:「絶対1年でJ1復帰」
フロント:「柏とガンバを見てください」
フロント:「復帰直後に優勝しているでしょ?」
フロント:「と、いうことは…?」
と、いうことはじゃない!まず夢からさめよう!
「落ちそうなチームが普通に落ちた」だけです!
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まして降格したらいっそう密着なんてしていられない
そら野球にはなされるわ