東京都の小池百合子知事は4日の定例記者会見で、築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転について、「安全性の検証」や「環境影響評価」など4つの段階を踏まえ決定する方針を明らかにした。
小池知事によると、(1)安全性等の検証(2)環境影響評価(3)必要な追加対策工事(4)農林水産相への認可手続き――の4段階に分けて検討するという。小池知事は具体的な移転時期は明確にしなかったが、「都民に信頼される市場を目指すために、この4つのステップを着実に進めたい」と語った。
11月7日に開業予定だった豊洲市場について、小池知事は、光熱費や警備費など1日当たりの維持管理費が移転までに約500万円かかるとの試算を明らかにした。当初は1日700万円と試算していたが、今後、さらに圧縮を目指すという。
また小池知事は、移転延期で経営に影響を受けている市場の関係業者らへの補償のあり方を検討する「補償検討委員会」を、11月中旬に設置する考えを明らかにした。
委員会の座長は鈴木五十三弁護士が務め、ほかに公認会計士や中小企業診断士らが加わる。業界団体から意見を聴き、実態を把握したうえで、補償のスキームを決める。
移転延期によって市場業者は、移転に向けた設備投資や機材リース費用などが負担になっている。