橋下徹前大阪市長が性的な接待を受けたとする「週刊文春」の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の文芸春秋(東京)に1100万円の賠償を求めた訴訟で、大阪高裁(池田光宏裁判長)は27日、橋下氏の主張の一部を認めて文春側に220万円の支払いを命じた1審・大阪地裁判決を支持し、双方の控訴を棄却した。
対象の記事は2013年5月30日号で、橋下氏が08年に大阪府知事に当選する前、顧問弁護士をしていた団体の接待で性風俗店に行ったとする内容。高裁が支持した1審判決は、文春側が記事の根拠とした関係者証言に客観的な裏付けがないと指摘していた。
一方、親族の経歴を報じた月刊誌「新潮45」の記事を巡り、橋下氏が発行元の新潮社(東京)や執筆者の作家に計1100万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決も同日、大阪高裁であった。江口とし子裁判長は記事の公益性を認めた1審・大阪地裁判決を支持、橋下氏側の訴えを退けた。【向畑泰司】