2016年11月4日10時16分
堺市北区に住民票がある梶本樹李(たつき)ちゃん(4)が行方不明になり、両親が児童手当などの詐欺容疑で逮捕された事件で、大阪府警は4日朝から30人態勢で、大阪との府県境の奈良県御所市の山中で、死体遺棄容疑での捜索を開始した。父親で鉄筋工の梶本卓(すぐる)容疑者(35)が「(樹李ちゃんの)遺体を山中に投げ捨てた」と供述したという。
捜査関係者によると、卓容疑者は逮捕当初、樹李ちゃんについて「階段から落ちて死に、遺体は海に捨てた」と供述。だが、最近になって、「本当は今年5月下旬に(大阪・奈良の府県境にある)水越峠で道路脇から崖の下に投げ捨てた」と話し始めたという。死因についてはあいまいな供述をしているという。
今月3日には捜査員とともに現場に行き、具体的に遺棄場所を示したという。遺棄現場は府県境から約200メートルの奈良県側とみられる。一方、母親の無職千穂容疑者(32)は「昨年のクリスマスごろに夫が(樹李ちゃんを)どこかに連れて行った」と説明しているという。
樹李ちゃんは2013年12月、大阪府の乳児院から同府松原市の両容疑者のもとに戻って以降、所在が確認されていない。同市職員らが自宅を訪れても、両容疑者は「(樹李ちゃんは)親戚に預けている」と言って会わせなかった。昨年末には堺市北区に転居。今年5月下旬、堺市は訪問や電話を繰り返しても樹李ちゃんの安否が確認できないとして府警に相談していた。
府警は10月18日、樹李ちゃんの児童手当など計36万2千円を、以前住んでいた松原市から詐取したとして両容疑者を逮捕し、樹李ちゃんの所在を聞いていた。
両容疑者は、12年4月に大阪府富田林市が、生後まもなくから安否を確認できていないと発表した樹李ちゃんのいとこの男児(当時9)の叔父と叔母。両容疑者らが「男児は03年ごろに死に、遺体は河川敷に埋めた」と供述したため、府警が同市内の河川敷を捜索したが、遺体は見つからなかった。府警はいとこの男児の死体を遺棄した疑いで両容疑者ら親族4人を書類送検したが、公訴時効により不起訴となっていた。
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