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» 2016年11月04日 07時51分 UPDATE

会員制リゾートホテル復活、人気のワケは「日本人だけ!」 (1/2)

バブル崩壊で憂き目にあった会員制リゾートホテルが、活況を取り戻している。株式相場が一時期の低迷から脱し、富裕層が再びぜいたくを楽しみ始めたほか、安い会員権も増え、市場が広がってきた。

[産経新聞]
産経新聞

 バブル崩壊で憂き目にあった会員制リゾートホテルが、活況を取り戻している。株式相場が一時期の低迷から脱し、富裕層が再びぜいたくを楽しみ始めたほか、安い会員権も増え、市場が広がってきた。一般的なホテルを悩ませる繁忙期と閑散期の差が小さく、長期滞在型の利用客が見込めるとあって、新規参入も増えている。(田村慶子)

株価連動で市場拡大

 日本生産性本部の「レジャー白書2016」によると、平成27年の会員制リゾートホテルの国内市場は3550億円と、この10年間で約1.6倍に伸びた。業界団体の日本リゾートクラブ協会(東京)の今泉陽一事務局長は、市場が拡大した最大の理由を「アベノミクス効果だ」と言い切る。

 株式相場をみると、前回の自民党政権末期から民主党(現民進党)政権下にかけての下落分をほぼ取り戻している。富裕層は保有資産の価値が上がり、「会員権を買いやすくなった」と今泉事務局長は説明する。

 会員制リゾートホテルを利用するには、会員権を購入したうえで年会費や宿泊代を支払う必要がある。ただ、一般のホテルのように繁忙期に宿泊代が高騰することはなく、宿泊予約も取りやすいというメリットがある。

日本人だけで静かに過ごす

 市場を牽引するのが、約40の会員制リゾートホテルを運営し、会員権価格が数千万円という高額商品もそろえる業界最大手のリゾートトラストだ。30年2月には兵庫県芦屋市で、31年春には愛知県蒲(がま)郡(ごおり)市で、それぞれ新規物件のオープンを計画するなど開発を加速させている。

 一方で会員権の価格帯の低下もみられる。東急リゾートサービスなどは1千万円以内、セラヴィリゾート泉郷(東京)などは100万円台で売り出している。各社が狙うのは、定年を迎え平日の長期レジャーを楽しめるようになった団塊世代だ。

 会員制リゾートホテルの中には、2月の閑散期などに訪日外国人客を取り込もうと試みた企業もあった。1月末から2月初めにかけては、中国で春節(旧正月)に伴う大型連休もあるためだ。ただ、外国人のマナーに対する考え方の違いなどから日本人会員の苦情が増え、断念した企業は多いという。

 結果的に一般的なホテルと違って、ほぼ日本人客だけで気兼ねなく過ごせるようになったことも魅力ととらえられるようになった。

会員制リゾートホテル、東急ハーヴェストクラブ京都鷹峯のフロント=京都市北区(志儀駒貴撮影)
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