みなさんこんにちは。@ryuzeeです。
プロダクトバックログはスクラムにおける生命線の1つです。 プロダクトバックログが良くないとプロダクトの価値がでなかったり、そもそもスクラムチームとして安定したデリバリーを行えません。
プロダクトバックログを管理する上でみなさんがよく知っているのは、並び替えをする、という点ですが、これだけではまったく不十分です。
単に並び替えだけをしたプロダクトバックログで、スプリントを始めてしまうと以下のようなことが起こります。
このような問題を防ぐためには、スプリントに投入するプロダクトバックログ項目はReady(準備完了)になっているものだけを投入しないといけません。
さきほど見てきた問題を流れの観点から見ると、「要求 → 開発」の流れにおいて、逆流が起こっていることを意味します。 このような逆流が起こってしまうと、完成までに余計に長い時間がかかったり、混乱したりします。これらを避ける必要があります。
プロダクトバックログの責任者はプロダクトオーナーですが、開発チームにプロダクトバックログ項目を引き渡す(開発を始める)にあたっては、
のプロダクトバックログ項目を渡さないといけないのです。 そしてプロダクトバックログ項目がそのような状態になっていることをReady(準備完了)といいます。
なお、プロダクトオーナーはプロダクトオーナーの並べ替えの責任や最終的な意思決定の責任はありますが、プロダクトバックログを全て自分で用意しないといけない責任があるわけではありません(できるのならもちろん良い)。プロダクトバックログを作ったりメンテナンスする作業は開発チームも協力して行えば良いでしょう。
それでは、開発チームとして必要な情報が揃っている、受け入れ可能な品質のプロダクトバックログ項目とはどのようなものでしょうか。
まずプロダクトバックログ全体としては、以下が必要です。
またプロダクトバックログの項目としては、以下のような項目が挙げられます。
これらを満たすプロダクトバックログを維持するためには、バックロググルーミング(リファインメント)のイベントなどを使って、継続的にプロダクトバックログをメンテナンスし続けるようにしてください。
なお、これらすべてを100%完璧な状態にしようとはしないでください。 目的は開発チームとして安定的な成果を出すためであり、開発チームが十分と思える度合いになればそれで良いのです。したがってガイドラインとして扱うのが望ましいと言えます。
ここまでの話は、慣れているスクラムチームであればやっている話ですが、最初のうちはReadyの定義を作ってチェックするようにしておいても良いでしょう。 いくつか、ネット上で公開されているものを抜粋して紹介します。
これがすべてでもなく絶対というわけではないので、ふりかえりの中で出てきた知見を反映していくのがお勧めです。 もちろん言わなくても守れるような定義はリストから外していってください。
それでは。