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法華狼の日記

2016-11-03

[][]爆破予告に対して運動団体が反応したことを「音の出るおもちゃ」あつかいするツイートを見かけて、気持ちが落ちこんでいる。

ひとつふたつのツイートで私などが沈んでもしかたない、とは思うのだが、見かけてから心が回復しない。

これらのツイートは、爆破予告に対する「女たちの戦争と平和資料館」の声明をはじめとした対抗運動を指しているのだろう、とはわかる。

新聞各社・通信社へ呼びかけ文「言論を暴力に結びつけない社会を」を送付 | アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)

設立以来、さまざまな形での嫌がらせは日常的にありましたが、このような爆破予告は初めてです。

近年では1987年赤報隊を名乗る何者かによって朝日新聞新聞記者小尻知博氏が殺害されました。1990年には本島等長崎市長が「天皇にも戦争責任はあると思う」と発言したことを理由に、右翼団体幹部に銃撃されました。そして現在も、「慰安婦」の記事を書いたことのある元朝日新聞記者の植村隆氏と家族への脅迫などがあります。

しかし“いじめられた人間は反応するから楽しい”レベルの今さらな“発見”を、わざわざ公言する文脈はわからない。


そもそもインターネットで標的にされている弁護士の、名義を利用した脅迫にいたっては、ツイートの直前に有罪判決がくだったばかり。

元大学生の男に有罪=弁護士かたり爆破予告?東京地裁:時事ドットコム

被告は男性弁護士に対する誹謗(ひぼう)中傷をインターネット上で繰り返すうち、犯行に及んだと指摘。「弁護士をおもちゃにして遊んでいた」とする動機は悪質としつつ、「年齢不相応の未熟さがあった」と述べ、猶予が相当とした。

それなのに「面白くなりそう」などと始まってもいないかのようにふるまう。歴史にも時事にもくわしく頭が良い人間ならではの、あえて愚鈍な人間をシミュレートしたツイートということだろうか。

不謹慎ネタとしても周回遅れにもほどがある凡庸さで、私のセンスでは一周まわっても笑えず、いたたまれなさすら感じている。Beriya氏とそのフォロワーは、このツイートの深い含意を「理解」*1しうるセンスと文脈を有した人々ばかりなのだろうか。


何より引用した声明にもあるように、「女たちの戦争と平和資料館」はつとめて抑制的に反応している。

一方、元記者を職から辞させた国内の大学や、それを追認している日本社会はどうだろう。それは過去形ではなく、ずっと足元で鳴り響いている。

音に満ちた世界からひとつの音だけ指摘することは、つまり「おもちゃ」にする理由ではなく口実ということ。

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