2016年11月3日22時27分
■石破茂・元防衛相
日本国憲法は占領下でできた。当時日本は国家主権を持っていなかったから、国家とは何か、国家主権とは何か、国の独立とは何かを学校で教わらない。私も国民主権は嫌というほど習ったが、国家主権や国家の独立は習わなかった。
国の独立を守るのが軍隊の仕事で、国民の生命、財産、公の秩序を守るのが警察の仕事だ。軍隊と警察は明らかに違う。北方領土がどうなるかはうかがい知る余地もないが、領土を少しでも失う国は、やがて国そのものを失うと言われる。小さな島一つでも失う国は、やがて国土全体を失う。だから、領土の問題では何があっても妥協はあり得ない。国民の生命、身体は、何があっても外国に手を触れさせてはならない。拉致問題は絶対に解決しなければならないというのは、そういう意味あいだ。
中央政府であれ北海道政であれ札幌市政であれ、その国の政治はその国の国民が行う。自民党の党員資格を、日本国籍を有する者に限るとしているのはそういうことだ。もちろん外国人の人権は最大限尊重する。その国の統治はその国民が行うということは、イデオロギーや主義信条や政治体制とは関係ない。国家の独立とはそういうものだ、というのが国際常識だ。(札幌市内での講演で)
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朝日新聞官邸クラブ