カメラ片手に見に行ってきました。航空ショー。
父親が元自衛隊ということもあり、小さい頃に連れていってもらった記憶がおぼろげながらにあります。音がうるさすぎて手足をバタバタさせながら泣きましたが。
入間基地の航空ショーはほぼ毎年11月3日に開かれており、昨年の来場者数はなんと20万人、一昨年は29万人と、めちゃくちゃ多い。どうやら、県内のみならず、遠くの県からも訪れる方がいらっしゃるようで。
まぁ、なんというか、祭でした。
さすが「航空祭」と呼ばれているだけのことはありますね。入間基地内では絶えず迷子のお知らせがアナウンスで流れておりました。運良く僕の名前が呼ばれることは一度たりともありませんでした。よかったです。
メインはやっぱりブルーインパルス
↑前列にはロケットランチャーのようなカメラを構えたおじさま方がたくさんいらっしゃいました。
何と言っても、メインはブルーインパルス。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ぶるーいんぱるす。
健全な男子には珍しいことかもしれませんが、僕は乗り物の類に一切の関心がありません。
車の免許も「取りたくて取った」というよりかは、「必要だから取った」みたいな節がありますし、友人との会話で車やバイクの車種が出てきてもいまいちピンときません。
どれだけ熱心に語られようとも、『ジムニー?なんか海外ドラマに出てくるおてんば娘みたいな名前だな?』などというような感想しか抱きません。
もちろん、「ブルーインパルス」にだって1mmも興味がないです。
まるで、コミケのコスプレ会場にいるような非日常感
↑ショーから帰ってきたC-1を手を振ってお出迎え。人が多いです。
基地内の滑走路付近が航空機展示場になっており、そこの上空であらゆる機体の航空ショーが行われております。
機体が一番よく見える"前列"は、カメラを持った多くの人たちで埋め尽くされておりました。というより、そこらじゅう人でいっぱいでした。若干、人酔い……。
僕もそこに突っ込んでいってパシャパシャと写真を撮っていたのですが、やはり写真撮影は楽しいものですね。テンションが上がります。まるで、コミケのコスプレ会場にいるような非日常感。少しだけ魅力が分かった気がします。
要は、『◯◯たんは俺の嫁えええええ!!!!!かわいいよおおおおお!!!(高速連写パシャシャシャシャ!』ってことですよね?ある種の萌え、ってことですよね?
確かにカッコいいです。機体の名前がどうとか、このエンジンを積んでるから凄いんだ、とかはどうでもいい。空を飛んでる姿がただただ美しい。
流線型の整ったフォルムに、「飛ぶ」ということにだけ特化されたそれぞれのパーツ。そして、誰もが一度は夢見るであろう「自由に空を飛び回る」というロマンがそこには詰まっておりました。うーむ、少年心をくすぐられます。
ふむぅ、何十万人という人が航空ショーを見に来るのもなんとなく分かる気がしますねぇ。でも、この中で本当に戦闘機や輸送機が好きだという方はどれほどいらっしゃるのでしょうか。
ほとんどの方がお祭り気分を楽しむために来たような雰囲気がありましたねー。いや、悪いことではないんですが。僕のそのうちの一人ですし。
↑パラシュートをつけた人が次々と飛び出してくるパフォーマンス。圧巻。
どうしてもブルーインパルスだけは見ておきたかった
↑思わず、「オォ!」と声が出てしまった瞬間。超かっこいいじゃん。
正直、一度だけ本気で帰ろうとしました。人は多いし、ずっと立ちっぱなしだし、空腹だし、トイレ行きたいし。ですが、最寄り駅の手前まで行ったところでふと踏みとどまる。
おい、ちょっと待て、と。お前は今日何をしに来たんだ、と。
……そう、僕はブルーインパルスを見に来た。1mmも興味がないのにも関わらずここに来た。それはなぜか。……わからない。でも、突然"見たくなって"、とりあえず"見に来てみた"んだ。理由はどうでもいい。その気持ちをなかったことにするのか?無駄にするのか?
僕は、駅の前でパンフレットを配っている自衛隊の方のところまで赴き、こう告げた。
「パンフレット、一枚……!」
普段、あまり感情を表に出さない僕ですが、この時ばかりはどうしても"男のロマン"を手放せなかったのです。あぁ、きっと少年心というものはいくつになっても失くせないものなんだなぁ、とつくづく思いました。あと、猛烈にクソが漏れそうでした。
トイレの前は長蛇の列
ブルーインパルスの航空ショーが始まるまでは1時間半ほど余裕があったので、その前にトイレを済ませておきました。が、トイレがめちゃくちゃ並ぶ、並ぶ。『はて?埼玉にディ◯ニーランドなんてあったかな?』と思いつつ最後尾にデットアライブ。
結局、トイレに行き着くまで30分以上もかかってしまいました。男性でこれですから、女性はもっと大変だったでしょうに。
待っている間はあちこちからブルーインパルスのおもちゃの「キューン、バッキャーン!シュウウウウウ……」という音がしておりました。子供は実にまっすぐでかわいい生き物ですね。
でも、それが10人以上もいるとさすがに騒がしかったです。ブルーインパルスノイローゼになるかと思いました。
そう、この子たちも大人になるにつれて自らのブルーインパルs(ry
↑大勢が「おーっ」と声をあげていた瞬間。とても綺麗です。
大勢で一つのものを見るのもいいものだな、と
↑頭の中は『天空の城ラピュタ』の有名なシーンのテーマで夢いっぱい。
僕は一人で行ったのですが、ほとんどの方が家族連れやカップル、同級生、またはその界隈の仲間たちと一緒でした。ですが、不思議と寂しさはありませんでした。
もちろん、屋台を散策している時やトイレの順番待ち、航空ショーに行くまでの道中はほんの少し寂しかったですが、ショーの間はすっかり空の虜になっておりました。
↑上から急降下しながら各方向に散開。ものすごいスピードでした。
こうして、一つのものを大勢で共有するのはとてもいいですね。素敵です。日本人はマナーもありますし、常識もあります。たまにそれを持ち合わせていないない人はいますが……。
困っている人がいれば黙って手を差し伸べることができ、勇気を出せば隣の人ともすぐ友達になれる。素晴らしいじゃないですか。こうして、みんなでワハハと喜べるんですもん。すげーじゃん。
↑螺旋を描きながら垂直に急上昇。いやー、いいところで観れたなぁ。
空に描かれるアート、撃ち抜かれるハート
↑逆光の光がなんともいい感じの雰囲気を演出。戦隊モノっぽい。みんなブルーだけど。
何がすごいって、まず空が飛べているってこと。「そこからかよ」みたいなところはありますが、人間が空を飛んでいるんですよ?めちゃくちゃすごくないですか?一体どういう原理なんですか。わけわからんです。
特に、複数の機体で並列して空に線を描くパフォーマンス。あれはずるい。
感動しないわけがないじゃないですか。
本当に綺麗な線を描くんですよ。まっすぐ。ひたすらまっすぐ。
「ヘイ彼女、俺についてきな」なんて言わない。無言でフォローミーと伝えてくるような、大きくて頼り甲斐のある背中。何も言われていないのに「はい!ついていきます!」って言いたくなっちゃうようなナイスガイ。
そりゃあ、ハートだって射抜かれちゃいますよね。
そしたら、一緒に星を見に行こう。
まとめ
いやー、すごかった。すごかったしか感想が出てきません。人の多さにもびっくりしましたが、もうね、あの航空ショーをリアルタイムで見れただけですごく幸せです。
もし、今日航空ショーに行きたくても見れなかった人たち、もしくは遠方にお住まいの人、ブルーインパルスに1mmも興味がない人たち。そのような人たちと少しでも今日の航空ショーが共有できれば僕は嬉しいです。
うーん、全くブルーインパルスに興味がない僕でしたが、あんなもの見せられたらちょっと興味湧いてきちゃいますよ。かっこいいし。今、現在進行形で機体の名前とか調べちゃってますし。
来年も見に行こう。今度は椅子を持って行こう。