清澄高校応援部
ふわふわな記憶
アニメ 『ポケモンXY&Z』最終回、いつか必ず叶える夢がある、君が教えてくれたのさ、そう、だからこそ旅に出る!
アニポケXY最終回
ここまで長かったような短かったような…3年の間放送されてきたアニメポケモンXYシリーズも先日ついにその幕を下ろしました。率直に言うと、僕はこのXYシリーズが大好きだった。ダイヤモンドパールも大好きだったけど、XYシリーズは自分の中で一番思い入れが強いシリーズだった。だからこそ、毎週楽しみにしていたし、だけれど、どんどんサトシたちの旅が進んでいき、最終回が近づいていくのも何だか寂しくて、そんな毎日を過ごしているうちに、ついに最終回を迎えてしまった。
XYシリーズは本当にストーリーラインがしっかりしていた。ポケモンシリーズが視聴者に伝えたいことはきっと一貫していて、それは旅を通してのサトシたちの成長だ。一緒に旅をしてきたメンバーたちが旅を通して得たもの。その先にあるものに向かってそれぞれの道を歩いていく。最終回というのはそれを色濃く描写する回であり、最も彼・彼女たちの成長が見て取れる回になる。
それぞれの旅路へ ~終わりなきゼロ!また会う日まで!!~
最終回の良かった点を挙げればキリがないが、一番グッと来たのはユリーカが夢を語るシーン。
ユリーカも一緒だよ!みんなとお別れしたくなんかないよ!
ずっとずっと一緒にいたいよ! だってこの旅 すっごく楽しかったもん!
ユリーカだって みんなの事大好きなんだよ!
でもね みんな夢があって セレナもサトシも それに向かって頑張るって決めたの
だから寂しいけど 私も頑張る!
わたしの夢は ポケモントレーナーになること
もちろんデデンネは わたしのパートナー!
セレナにも負けないパフォーマーになって
お兄ちゃんからはバッジをゲットして
サトシとピカチュウに勝って カロスで一番になるの!
だからね…だから私たちも夢に向かって…
今日みんなと笑って バイバイしよう!
ずっとずっと一緒にいたいよ! だってこの旅 すっごく楽しかったもん!
ユリーカだって みんなの事大好きなんだよ!
でもね みんな夢があって セレナもサトシも それに向かって頑張るって決めたの
だから寂しいけど 私も頑張る!
わたしの夢は ポケモントレーナーになること
もちろんデデンネは わたしのパートナー!
セレナにも負けないパフォーマーになって
お兄ちゃんからはバッジをゲットして
サトシとピカチュウに勝って カロスで一番になるの!
だからね…だから私たちも夢に向かって…
今日みんなと笑って バイバイしよう!
この描写は本当に凄く良かった。お別れは辛い。それはみんな同じで。だって視聴者目線で言えば3年もカロス組の旅を見てきたんですよ。3年です。全140話です。数えきれないほどにドラマがあって、長い長い彼らの旅の軌跡を知っている僕らにとって彼らの旅の終わりには当然寂しさと喪失感がつきまとう。気持ちはさながら別れを受け止めきれずに走り出してしまうデデンネのごとくである。そう、デデンネはまさに視聴者の姿そのもの。でも、そんなデデンネに対して、そして視聴者に向けた言葉としてユリーカが自分の想いを語る。
最終回を見ていればわかる通り、別れを前にしたユリーカが物憂げな表情を浮かべるシーンが最終回の中で何度も印象的に映し出される。もしかしたら旅を始めた頃のユリーカであったなら、デデンネの役を担っていたのは彼女だったかもしれない。でも、旅を通して、みんなが夢を見つけて、そのために頑張る姿を近くで見てきたからこそ、あのセリフが出てきたのだと思うと感慨深い。
旅の終わりを締め括る最後を、1番若くてこれからの希望に満ち溢れているユリーカの口から語らせることによって、別れることよりもそれぞれが自分の夢のために、可能性に満ちたこれからの道を歩ていくことを祝福することが出来る…。ユリーカの力強い決意に、ここがゴールではなく、ここからがスタートなんだという意志が見て取れる。お別れの締めをユリーカに託すことで、構成の綺麗さが抜群にキレていたよね。子供らしい幼さと、その裏返しとしての壮大な夢を語る成長描写までを両立させて、全員がユリーカの目線でそれに応える…。この1シーンだけでもどれだけ作りこまれているかがわかる。まだトレーナーになれる年齢に達していないユリーカがサトシとセレナちゃんとシトロンとの旅を通じて得たもの。その夢を語るシーンが何よりも彼女の成長を物語っていて胸熱すぎる。
今回のXYシリーズはサトシだけじゃなく、カロス組の4人が旅を通してそれぞれ本当に成長したな…というのが伝わってくるシリーズだった。上述した「ユリーカの夢」もそうだし、シトロンもまた自分の夢を見つけた。誰よりもポケモンが好きで、ポケモンのために無茶もして、ポケモンと一緒にどこまでも成長していくサトシにシトロンは憧れた。ポケモンマスターになるという壮大な夢のためにどんなことにも挑み続けるサトシの姿を見て、シトロンが出した答え。ポケモンのために自分が出来ること。それが「ポケモン達を幸せにする発明家になる」ことだったのもシトロンらしさがあって良かった。
そして、このシリーズで最も成長が色濃く描かれてきたのはセレナちゃんだろう。
サトセレのキス
このシーンの破壊力が凄すぎる。サトセレ好きとしては最終回に何かしらやってくれないかな~とは期待する気持ちは確かにあったけど、期待以上なんてもんじゃない。キスですよ。キス。しかもセレナちゃんが搭乗したのは「ラティアス航空H71便」。H71というのはセレナちゃんが向かうホウエン地方の71番目のポケモン、「クチート」(=口と)を意味しているわけです。マウストゥーマウスですよ。そんなの驚くじゃん!最高かよ!めちゃんこニヤニヤ出来たよね。ヒヨクシティの初デート回(XY第59話)でサトシと手を繋ぎたくても繋げなかったセレナちゃんが今や自分からサトシにキスをする。凄いよ…。ポケモントレーナーとしても一人のおんなのことしても今回の旅で一番成長したよね。
そもそもセレナちゃんは本当にゼロからのスタートだった。最初はお母さんのお手伝いもあまりしない、飽きっぽい性格で、トレーナーとしての目的もないままサトシたちの旅についていくだけだった。そして、旅の中で「ポケモンパフォーマー」という存在を知る。夢中になれるものがなかった彼女がライバルたちとの出会いと「経験したことに無駄なことは何もない」というサトシの言葉に背中を押され、夢を見つけていく。
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以前に上記エントリでも触れたけれど、夢を見つけて、挫折を知って、やっと夢を追いかけるチャレンジャーとしてのスタートラインに立って、憧れの舞台で自分に足りないものを自覚する。「クイーン」に必要なものは“与える力”。「何もなかった」自分がカロスクイーン・エルさんのパフォーマンスに憧れて夢を見つけたように、今度は自分が誰かに“与える”ことが出来る人になりたいと。
ポケモンXY 第121話(XY&Z 第28話)「迷いの森…進化の夜明け!」
私の知ってるサトシは いつも元気で みんなを引っ張って
一生懸命で ポジティプで 最後まで絶対にあきらめない
だから私は… 私は…
今のサトシなんて ちっともサトシじゃない!
一生懸命で ポジティプで 最後まで絶対にあきらめない
だから私は… 私は…
今のサトシなんて ちっともサトシじゃない!
“与える力”という視点で見ると、サトシとゲッコウガが完全に1つになったこの回はセレナちゃんの目指すものの片鱗が見えた回だった。ライバル・ショータの成長に焦り、自分を見失ったサトシが復活するきっかけとなったのはセレナちゃんのこの言葉だった。いつだって自分の進む先を照らしてくれたサトシが迷い立ち止まった時、セレナちゃんが"与える"側になる展開はまさにXYシリーズの1つの見せ場だっただろう。完全復活を遂げたサトシを見て、「おかえり。私の憧れの人」というモノローグが飛び出してくるあたりが彼女のヒロイン力の高さを感じさせる。(←これが言いたかっただけ。)
そして、ホウエン地方に到着した時のセレナちゃんの表情が何とも力強くて…。今までの経験がこれから歩いていくまだ見ぬ未来へ立ち向かう力になってくれる。サトシがかつて言っていた「経験したことに無駄なことは何もない」という言葉はきっと彼女の中で今もそしてこれからもずっと彼女を支え続ける。叶えたい夢がある。サトシが教えてくれたポケモンと見つける夢。だからこそ旅に出る。いつかサトシと再会した時にもっと魅力的なおんなのこになるために。
1話の頃と比べると本当に本当に成長したよなぁ……。彼女のこれからを観れる日が次いつになるのかはわからない。次があるのかもわからないけれど、きっと彼女は何があっても絶対に夢を諦めない。サトシがそうであったように。そんな安心感を抱かせてくれる1シーンでした。
旅の終わり 新しい始まり
そして、カントー行きの飛行機の中でサトシとピカチュウがカロスでの旅を振り返る時にV(ボルト) が流れる演出がまた熱すぎる。本当に今回の旅は色々なことがあった。ゲッコウガと一つになり、リーグで初の準優勝を果たした。何よりも今回のサトシはセレナちゃんが憧れた“与える”側の立場でいることが多かった。シトロンの夢もセレナちゃんの夢もサトシとの出会いがきっかけであったし、だからこそサトシが自分を見失った時の迷いの森回が印象的だったよね。
アニメのポケモンももうすぐ20年近くになるけれど、初期の頃に比べてサトシが先輩トレーナーとして、共に旅をするトレーナーたちに何かを“与える”立場になったことが感慨深い。ポケモンは本来「子供向け」のアニメではあるけれど、でもそれは大人が楽しめないという意味ではない。誰にも子供の時があって、だからこそ、大人になっても楽しめる。大人になって、「あの頃のサトシはあぁだったよね…このシリーズのサトシはこうだったよね~」って語り合えるのは幸せなことだし、やっぱり長寿作品であるポケモンの強みであり楽しさでもあるのだと思う。
重ね重ねになるけれど、XYシリーズはサトシはもちろん、共に旅をしたカロス組全員が魅力的だった。だから、始まりがあれば終わりがあるのは当たり前だけどやっぱり寂しいんだ。本当に寂しい。今までのシリーズで一番好きなシリーズだったから。でも最終回をこんなにも惜しむことが出来るのは幸せで喜ばしいことなんだよね。それだけ、XYがおもしろかったということの証でもあるのだから。だから、今は最高の最終回に感謝するとともにこれだけは言いたい。サトセレは永遠です。また逢う日まで!!
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私もXY組とのお別れが(60話あたりから)嫌で嫌で仕方なかったのですが、ユリーカ&デデンネの演出で覚悟ができました。
二十過ぎた大人が幼女に諭されてどうするねん・・・!と思うと同時に、それができるのがこのアニポケXYだったんだよなぁとしみじみ思います。
あのキスシーンは足元だけ映す演出もとてもよかった。というか、もし直接的な描写されてたらきっと数日間身悶えが止まらなかったと思います(真顔)。
この四人の成長を追いかけ続けてきてよかった。でも、もう彼らの成長を見守る必要はないですね。それだけ、「もう大丈夫」と思わせられる作品でした。
サトセレは永遠。素敵な感想をありがとうございます。