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 JR姫路駅構内で女性(当時50)に痴漢をしたとして、兵庫県迷惑防止条例違反の罪に問われた元加古川市職員の男性(61)の控訴審で、大阪高裁(後藤真理子裁判長)は2日、逆転無罪の判決を言い渡した。罰金50万円とした一審・神戸地裁姫路支部の判決は破棄した。

 男性は2014年11月28日夜、同駅構内の下りエスカレーターで、前にいた女性の尻に触ったとして現行犯逮捕された。

 高裁判決は、一審で有罪の根拠とした女性の次女(当時高校生)の目撃証言について「男性が直立姿勢で触っていたとするなど不自然な部分がある。母親に影響を受けた可能性もあり、信用できない」と指摘。男性のかばんが接触していた可能性もあるとし、「痴漢行為を認めるには合理的な疑いが残る」と結論づけた。

 男性は15年1月、起訴休職の分限処分となり、約3カ月後に定年退職した。