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あれこれやそれこれ

雑記系ブログのさらなる高みを目指すブログ

大政奉還150周年特別プロジェクト、渉成園秋の特別公開と没後150年坂本龍馬展

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京都駅から半径2キロの旅

さて、今日は文化の日。新しいカメラを持ってどこに行こう。昨日は自転車に乗って滋賀県をウロウロしようと思ったのですが、背中の痛みがどうも引かない。それなら電車に乗せてもらって京都まで出かけよう。

こないだ行ったときはやってなかった坂本龍馬展を見に行こう。そういえば京都の渉成園(しょうせいえん)で特別拝観をやってたはず。いつも仕事でこの回りはウロウロしてるんですが中はゆっくりしたことがなかったのです。まわりは高い壁に囲まれていて、上から覗くこともできないし。

現在公開可能な情報

  • 大きさは200m×200mくらいで高い壁に囲まれている
  • 庭が有名らしい
  • 立体機動装置がなくてもお金を払えば壁を越えられる(らしい)
  • 東本願寺となんらかの関係がある

では出かけましょうか。駅まで妻に車で送ってもらい、電車にのること30分。京都駅に到着。

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今日も京都タワーは綺麗です。そのまんま渉成園にはいかず、ちょっとお東さんにお参り。お東さんというのは京都駅前にある東本願寺のことです。京都駅前には本願寺が2つ、東本願寺と西本願寺がありますが喧嘩しているわけではありません。

戦国時代に織田信長に反抗した石山本願寺というのがあったと思うんですが、戦いに敗れて解体されてしまったのを秀吉の頃に許され、京都に本願寺が再興されます。しかし内部抗争が起きた時に家康からも土地を与えられ、兄弟がそれぞれ西本願寺、東本願寺に分かれてしまって今に至るということです。

東本願寺に

でもお西さんはちょっと逆方向なのでお東さんに。

そう、こういう後ろがボケた写真とか撮るの好き。

本堂の中は撮影禁止なので遠くからまんまんちゃん、あん。

一通り散歩したので渉成園にむかって歩きます。すぐそこなんですけどね。

秋の渉成園特別公開

で、渉成園ってなんやの、という質問にそろそろお答えしておきましょう。

ようこそ東本願寺へ | 東本願寺

ここから渉成園のスペシャルサイトに飛ぶことが出来ます。渉成園っていうのは東本願寺の別邸で、江戸時代に徳川家光から与えられた土地を庭園にしたものです。昔は高瀬川の水を引いてきていたらしいんですが、今は琵琶湖疏水の水が引かれているそうで。なんだ、要するに滋賀県か(違う)

Google マップ

ここからGoogleストリートビューで庭園内を散歩できますよ!興味がある方はぜひ。

さて、僕はリアル庭園散策をはじめました。

高石垣。臼や石柱などを組み合わせた石垣。幾何学チックで楽しい。

あと半月後なら紅葉がさぞや綺麗だと思うのですが、紅葉はまだ始まったばかり。そういうときにこの赤はよく目立ちました。そのうち鳥が全部食べてしまうのでしょう。

灯籠にすすき、壁の向こうは普通の京都駅前なのでビルなどがそびえ立ってます。写真を撮る時にそれらを外すのはちょっと難しい。

ところどころに灯籠や井戸などがひっそりと隠れアイテムのように存在します。遠くに見えてる灯籠は「檜垣の灯籠」というらしいんですが、なぜその名前なのかはわからないそうです。うん、ミステリアス。お茶席があってくつろぐこともできます。

ほら、ちょっと目線を上げると京都タワーがいたりして。せっかく庭園を歩いているのに急に現実に戻る一瞬。

池と石、石と枝、枝と葉、たまに橋。これなんて絶対紅葉のとき最高の絵だと思う。

橋といっても木の橋だったり。狭いし今日は沢山の方が来園、お互いに譲り合って橋を渡ったりするのも心地よいのです。「お先にすみません」「どうぞ(にっこり)」ほら、蜘蛛の巣だって愛おしく思える。

こういうお茶席に使うような建物が沢山あります。

歩いているうちに何が何やらわからなくなってきます。どれも素朴な建物。

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そこらじゅうにある石ころのはずなのに、池の真ん中にあるだけでありがたく思えてくる不思議。

ほらほらほら、なんかパンフレットとかに使えそうな写真じゃないですか?

今日初めてOLYMPUSのミラーレス一眼「OM-D E-M5 MarkII」を使ったわけですが、カメラって本当になにこれ楽しい。もしここをカメラを持たずに歩いていたらあっという間に通り過ぎていたと思うんです。でもカメラのファインダーで庭園を眺めた時、「ここに橋を置いてここは緑、あ、もうちょっと左に行ったらあの赤がちょっと写って綺麗」とかいろいろ考えるんですよ。

で、こう思ったんです。

写真撮るのって楽しい。息を吸うのを忘れる。

ほら、たまにこんな色を見つけるとすごく嬉しくなる。そして庭を一通り回ったところで特別公開の入り口。ここは靴を脱いで建物に入ります。おはよう靴下ではかっこ悪いので新しい靴下でぜひ。(おはよう靴下って指先に穴が開いてる靴下です)

この中は撮影が許可されていません。特別公開されているのはこの2つ。

  • 井上雄彦作の屏風「親鸞」
  • 棟方志功作の襖絵

棟方志功の襖絵は僕にはよくわからなかったのですが(こらこら)井上雄彦の親鸞の屏風は本当に圧倒されました。「息を呑む」とはこういうことを言うのだろうと。

探してみたら動画で見つけることが出来ました。

youtu.be

襖絵は昭和33年と35年に棟方志功が描いたとのこと、杉の大木や満月などこの庭園の色々を描いたらしいのですが、僕には「バババッ、スッスッス、テンテンテン」と一気に描いたようにしか見えないのです。でもちゃんと眺めたら椿の花を1つ見つけました綺麗だったです(それ以上はいやはやなんとも)

屏風はね。

六曲の屏風が2枚。1つはいろんな表情の民衆の先に鋭い眼光で進む道を睨むような親鸞。「南無阿弥陀仏」を唱えれば極楽浄土にいけますよと民衆に説くことで浄土真宗をおこした親鸞ですが、これは逆に政治を行う人たちには危険思想でもあったわけです。そのせいで都を追放されたりしますが、逆にそれによってさらに教えを深くしていくのですが、そのあたりは五木寛之の親鸞を読むと面白いかもしれません(五木の親鸞は実話ではないので小説としてぜひお楽しみを)

www.nubatamanon.com

教えを説くことはいろいろなものを切り開いていくことだった親鸞、その後ろに泣きそうな人たちや迷っている侍、何もわからず純粋な子供などを描くことで何かを導こうとしている親鸞に見えます。それが井上雄彦の圧倒的な画力で描かれているので迫力がものすごいんです。筆が表現する勢いというのは本当に素晴らしかったです。

そしてもう1枚の屏風は穏やかに一人座る親鸞は何か達観していて鳥を眺めています。何かを終えたような表情に僕は見えましたがどうなんでしょう。

拝観料は600円でしたが見どころ十分、さらにこんなパンフレットをもらえます。

これが全22ページに写真あり資料ありの豪華なもの。お金かかってますよこれ。これをいただけるだけでも行く価値があると思います(これは特別拝観の時期以外でももらえるようです)

11時過ぎに渉成園に入ったはずなのですが、ウロウロしているだけで時間は過ぎて出てきた頃には13時前。お昼ごはんを食べなくては。

京都駅に戻れば市バスに乗れますが、京都駅前はバスに乗るの行列がすごい。あえて戻らず七条通を東に歩いて国立博物館に向かうことにします。

高瀬川を渡り・・・鴨川へ。

ここでカメラのズームを調べてみたくなりまして。まず一枚目。

ビューン、パチリ。

さらにビューン、パチリ。

いやいや、もうちょっといける!!

うん、カメラって楽しい。ほんと楽しい。でもこれ、レンズが違ったらまた違うものが撮れるんですよね、ね、ね。これがいわゆる「カメラ沼」ってやつか。

スタスタ歩き途中ココイチでカレーを食す。早くておいしい。ということで国立博物館到着。さっそく龍馬さんがお出迎えですよ。

特別展覧会「没後150年 坂本龍馬」

入場料を支払ったら国立博物館の中へ。こちらは旧本館「旧帝国京都博物館」で国の重要文化財。

ね、ズームでここまで寄れるの。左の方の三角形のとこだよ。

展示は今すべて隣の平成知新館(平常展示館)で行われています。そしてまた龍馬さんがお出迎え。空の青がホント綺麗。

この裏には次の予告が。海北友松ですか。「うみきたともまつ」ではありません。かいほうゆうしょう、と読みます。これは建仁寺さんにある雲龍図。

これも見てみたいな、来年4月ですか、楽しみにしておこう。建仁寺といえばアプリで建仁寺所蔵のものを色々と見ることが出来ますよ。

www.kenninji.jp

雲龍図、風神雷神図屏風、竹林七賢図などなど、まさにオンパレード。

そういえば「150年坂本龍馬」は

  • 京都 2016年10月15日(土)から11月27日(日)まで
  • 長崎 2016年12月17日(土)から2017年2月5日(日)まで
  • 東京 2017年4月29日(土)から2017年6月18日(日)まで
  • 静岡 2017年7月1日(土)から2017年8月17日(日)まで

京都がスタートだったのですね。特に今日は文化の日来場者めっちゃ多い!

お昼ごはんを食べた後だったので到着したのは13時45分くらい。入場制限で10分となっていたので「あらまぁ」とは思ったのですが!中でもまぁ並ぶ並ぶ。

展示物を間近で見たい方はこちらにお並び下さい、というのがすごい行列。でもせっかく来たのだし、なんといっても坂本龍馬など幕末の偉人の直筆のものがすぐ間近で見られるなんてそうそうあるものじゃない。

並びます。ひたすら並びます。展示物は穴が空くほどながめます。

展示は時代別に七章に分かれています。

1章 龍馬の生まれ育った時代
2章 土佐脱藩と海軍修行
3章 龍馬の手紙を読む
4章 龍馬の遺品
5章 薩長同盟から大政奉還 そして龍馬の死後
6章 瓦版・錦絵から見た幕末維新
7章 美術工芸から見た幕末維新

龍馬が江戸に剣術修行に出た年にペリーが来航、開国を迫ったことから明治維新というのはガンガンと進んでいきます。ここのストーリーは司馬遼太郎の味付けばっちりの「竜馬がゆく」で知っていたりチラホラ知識として得る「幕末から明治維新への流れ」というもので頭のなかには存在していますが、それをリアルな「絵」や「直筆の手紙」や龍馬が暗殺されたときの「血染め屏風」、銘刀「陸奥守吉行」などをほんの数センチ先に見ることで「ほんの150年前に本当にこの人達は真剣に生きていたのだ」ということが心の底からわかった気がするんです。

ただ教科書で「幕末という時代があった」「尊皇攘夷が起きた」「長州征伐」「七卿落ち」「蛤御門の変」とワードで拾い出された歴史ではなく。

たとえば坂本龍馬が言う「アギ」こと武市半平太は吉田東洋暗殺の嫌疑で投獄されるんですが、そこで絵を書いたり書を書いたりして「笑泣録」というのを書いているんですね。さらに愛妻家として有名な半平太が奥さんに自画像を描いて送ったりしてるんです「格好良く書きすぎた」とか付け足して。

幕末の偉人も一人ひとり普通に人間で、手紙の文章にシャッシャと黒く消してあったり、1枚1枚もらった手紙を丁寧に保存しておいて清書したりする三吉慎蔵みたいな人がいたり本当に生々しいんです。

坂本家を継いだ坂本権平に対する手紙はきちんと文章が整えられているのに対して、姉乙女さんに書かれたものは見事なまでに「おねえちゃんっ子」全開の文章だったりします。桂小五郎に送った手紙には2人の親密さをまじまじと感じるし、ちゃらんぽらんかと思いきや政治的にも本当に最後の方は生き急いでいる感じが手紙の中に見えるのです。

そして奥さんのおりょうさんのことも。初の新婚旅行とされる霧島への旅行を描いたものも本物が閲覧でき、ひときわ人気がありましたね。もう人がぜんぜん流れない。刀の陸奥守吉行のところも本当に大渋滞。僕にはさっぱりわからないんですが、刀を擬人化?したアニメ?かなにかがあるんですよね。違いました、ゲームだそうです。

刀剣乱舞-ONLINE- - オンラインゲーム - DMM GAMES

刀剣男士を束ねて、いざ出陣!

DMMゲームズとニトロプラスがタッグを組んだ刀剣育成シミュレーションが誕生!
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あなたは刀剣男士たちの主(あるじ)となって
彼らを育て、強化し、自分だけの白刃隊を結成しよう。
自分好みの刀剣男士集めはもちろん、
刀剣にまつわるエピソードや熱いバトルなど見所は盛り沢山!

――歴史を遡り敵を討伐することこそ、我らが使命!

 もう何のことやらさっぱりわかりませぬ。

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で、これが陸奥守吉行だそうです(あああ)まぁあれですね、時代の流れというものですよねきっと。

本当はもう少し細かい事をうんちくたっぷりで書きたいのですが(笑)なんせ京都スタートということなのでやめておきます。公式ガイドも購入、これはじっくり楽しめるやつです。公式ガイドって本当にこれだけまとめてもらってて安いですよね。

トータル328ページですよ。これが2000円ちょっとで買えるなんて。

入場したのが13時45分。最初の1章を見始めたのが14時30分でした。そして幕末という歴史を坂本龍馬を通してたっぷりと堪能させていただいて・・・外に出ると

すっかり夕方になっていました。16時半くらいでしたね。旧本館も夕焼けに染まっていい感じの色になっていました。

さて、京都タワーのある京都駅まで歩いて帰りましょうかね。そうそう、最後に駅前のヨドバシカメラに行ってカメラ用のカバーを買いました。店員さんに親切にしてもらってちょうどいいサイズのを選んだんですが…

カメラのレンズカバー、どこかに落としちゃった。買わなくては。レンズフィルターを付けた時にちょっとレンズカバーの収まりが悪くって落ちるかもしれないなとは思ったんですが。落とさないようにヒモかなにかでぶら下げられるようなタイプにしようと思います。

どうだったか

京都は今日も最高でした。またカメラ持って出かけたいです。
(とか言いながら明日また普通に京都で仕事なんですけど)

150年坂本龍馬展は本当におすすめです。とくに幕末に興味がある人はぜひ。幕末のことがすごく深くよくわかるようになりますよきっと。