東京五輪裏金、電通が「D社」とされた理由は玉木雄一郎が自民党に配慮したから?

   

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英紙ガーディアンが報じ、フランス警察当局が捜査している東京オリンピック招致に関わる裏金問題。

 

日本の国会でもこの問題はとりあげられました。

ところが、民進党の玉木雄一郎氏が国会で日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長に質問した際のフリップでは、ガーディアンが報じた金の流れの相関図うち、大手広告代理店「Dentsu(電通)」の部分が「D社」とされ、会社名がなぜかイニシャルになっていました。

 

ガーディアンが報じた相関図は以下です。

 

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画像は以下の記事より引用。元記事では「Dentsu」は着色されていません。報道について詳しくは元記事をご覧ください。

https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympics-payment-diack-2020-games

 

そもそも、日本の大手メディアではオリンピック招致に重要な役割を果たしたとされる「電通」について詳しく報道されていません。なぜ電通の役割が報道されないのか、以下の記事に書きましたので参考にしてみてください。

東京五輪招致の裏金、日本のメディアが「電通」の関与を報道できないのはなぜか

 

そしてなぜ国会では「D社」とされたのか。5月24日発売の週刊ポストが詳しく報じています。少し内容をご紹介します。

 

玉木雄一郎氏が自民党に配慮か

週刊ポストが玉木雄一郎氏に取材したところによると、同氏が「電通をD社」と表記したのは

フリップの使用許可申請の際に、与党側から「会社(電通)の了解をとったのか」と言われるのが面倒だから

という理由。週刊ポストは別の人(全国紙政治部記者)にも取材。この配慮が行われた背景について

特に自民党は、選挙の際の政党CMを電通に頼りきっているため、大きな問題にしたくない

からだと説明しています。参院選直前という時期も背景にあるようです。

 

この「玉木氏が与党側に言われるのが面倒だった」という話と「自民党がCMを電通に頼っている」という話は、繋がる話なのか。

それとも玉木氏が単に「指摘されるのが面倒だった」というだけのことなのか。はっきりとはしませんが、政界にもD社に遠慮する雰囲気があることは確かのようです。

 

電通社内では、スポーツ部門が花形部署

週刊ポストには、他にも電通について詳しく書かれています。

社員4万7000人、国内広告シェアは25%(テレビCMに限ればもっと高いと思われる)、売上は国内トップの4.6兆円で2位の博報堂の4倍以上。

 

最も花形の部署は意外にもスポーツ部門。電通は40年ほど前からスポーツビジネスに取り組んでいて、もはや電通なしではオリンピックビジネスが成り立たないと言われる、とまで。

 

IOCや東京都も電通に頼りきるようになり、当時の石原慎太郎東京都知事も「電通の影響力は、他社では及ばない」として、同社との特命随意契約を結んでいます。

 

その影響力は幅広い人脈に見て取れます。今回裏金を受け取った疑惑が報じられている元IOC委員で国際陸上競技連盟(IAAF)の会長だったラミン・ディアク氏(セネガル)と、電通の成田豊元社長が握手を交わすシーンは電通の「社史」に掲載。

 

大手メディアの報道

週刊ポストによると、日本で初めて「電通」の名前を報道した大手新聞は朝日新聞、初めて報道したテレビ番組はテレビ朝日の「報道ステーション」だとのこと。

 

多くの番組では報道されても軽く触れるだけだったり、電通の名前を隠して報道している番組もあるようです。

 

日本の大手メディア、例えばテレビ番組では、何か大きな事件(傷害事件など)が発生すると、その犯人の卒業アルバムを全国に晒し、親族や近所の住民の話を聞き込み、犯罪に至った背景を詳しく解説し、コメンテーターたちが見解を述べます。

 

今回の事件についても、海外ではJOCのみならず、電通が名指しで報道されているのですから、テレビ各局各番組は電通という会社を徹底的に解説してもらって、疑惑の背景をコメンテーターたちにしゃべらせたらどうでしょうか。

 

コメンテーターたちへの踏み絵

ところで日本では、報道番組やワイドショーの司会者やコメンテーターたちが平気でテレビCMに出演しています。例えば、「すき家」のCMに出演している番組司会者は、すき家(ゼンショー)がいくらブラック企業だろうと、すき家を批判することはできません。

本来、報道番組の質の観点からすれば、そこに出演する者たちは企業広告に出るべきではありませんね。それはあったりまえのことだと思うのですが、日本ではそうなっていません。

 

で、電通はそんなテレビCM業界における寡占的なシェアを持つ企業なのです。電通さんにお世話になっている人たちが、報道番組の司会やコメンテーターをしている、という構造なのです。

 

もちろん、テレビ局各局も電通さんにはお世話になりまくっていますね。もう一度この記事を載せておきます。

東京五輪招致の裏金、日本のメディアが「電通」の関与を報道できないのはなぜか

 

メディアがダメならせめて国会ぐらい、と思うのですが、玉木氏は「D社」と書いてしまう始末。政治家が配慮すれば、警察も配慮する、NHKも配慮する。どうすればいいのか。

 

もうフランス警察に日本国内の裏金に関わる捜査もお願いしたいぐらいですね。いえ、冗談ですよ。週刊ポストさんはじめ週刊誌はこの疑惑を徹底的にやってほしいですね。もっと週刊誌が影響力をもってもいいと思った今回の問題。舛添要一知事の疑惑とかも週刊誌が発端ですからね。何十倍も予算がある大手メディアは何やってんですかね。とりあえずみなさん週刊ポストを買いましょう。

 

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