韓国経済の至る所に赤信号がともっている。輸出低迷の中でも善戦し、景気を下支えしてきた消費と建設投資も不振だ。9月の小売売上高は4.5%減少し、過去5年7カ月で最大の減少幅を記録。増加してきた建設投資もマイナスに転落した。経済の三大軸である生産、投資、消費がいずれも不振に不振に陥る「トリプルマイナス」の状況となった。家計債務が急激に膨らみ、一時回復したかに見えた輸出も2カ月連続で減少した。専門家の多くは供給過剰状態の建設部門が下り坂に向かい、経済成長率は2%台も死守できなくなると予想している。
こうした中、「崔順実(チェ・スンシル)問題」で国政がまひした。ただでさえ政府の経済リーダーシップが問題だったが、求心点すら消え去った。韓国がこれまで経験したことがない状況と言える。企業経営者の多くは今後どうなっていくのか分からないと語っている。
現在世界経済の環境は思わしくない。不景気が1929年の世界恐慌の時期よりも長引くとの見方もある。しかし、経済状況は国ごとに異なる。困難な条件下でも比較的善戦している国もある。その差は結局、経済を率いるリーダーシップだ。
米国はオバマ大統領の経済チームが思い切った量的緩和で真っ先に金融危機の後遺症を脱した。今年第3四半期の成長率が予想を上回り、金融引き締め(利上げ)に向かう可能性が高まった。日本は20年間の長期不況の泥沼を脱し、活力を取り戻した。これも安倍首相の強く一貫したリーダーシップのおかげだ。安倍首相の支持率は60%を超える。欧州の懸念材料だったスペインも一時620万人に達した失業者数が430万人にまで減少し、危機を脱した。