日ミャンマー首脳会談へ 経済協力拡大 連携強化
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安倍総理大臣は、2日、ミャンマーの政権を事実上率いているアウン・サン・スー・チー国家顧問と会談し、経済協力を拡大する意向を伝えるとともに、核やミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強めるため連携の強化を確認したい考えです。
ミャンマーの政権を事実上率いているアウン・サン・スー・チー国家顧問は、1日から政権発足後初めて日本を訪れていて、2日は安倍総理大臣と会談する予定です。
日本政府は、ことし3月に民主化政権が誕生し、高い経済発展が期待できるミャンマーを「アジア最後のフロンティア」と位置づけていて、安倍総理大臣は会談で、日本企業の投資を促す環境整備や、ミャンマー国内での人材育成の促進など、経済協力を拡大する意向を伝えることにしています。
また安倍総理大臣は、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対し圧力を強めるため、北朝鮮と国交を持つミャンマーとの間で連携の強化を確認したい考えです。
ミャンマー国内では少数民族の武装勢力と政府軍との内戦が長く続いていて、和平の実現が政権運営の最大の課題となっていることから、安倍総理大臣はミャンマーの治安の安定化に向けた協力を進める方針も伝えたいとしています。
日本政府は、ことし3月に民主化政権が誕生し、高い経済発展が期待できるミャンマーを「アジア最後のフロンティア」と位置づけていて、安倍総理大臣は会談で、日本企業の投資を促す環境整備や、ミャンマー国内での人材育成の促進など、経済協力を拡大する意向を伝えることにしています。
また安倍総理大臣は、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対し圧力を強めるため、北朝鮮と国交を持つミャンマーとの間で連携の強化を確認したい考えです。
ミャンマー国内では少数民族の武装勢力と政府軍との内戦が長く続いていて、和平の実現が政権運営の最大の課題となっていることから、安倍総理大臣はミャンマーの治安の安定化に向けた協力を進める方針も伝えたいとしています。
専門家「来日によいタイミング」
ミャンマーの政治経済に詳しい政策研究大学院大学の工藤年博教授は今回の来日について、「平和や民主化への改革が少しずつ軌道に乗り、経済に取り組もうという段階になってきた。最大の経済協力の支援国である日本に来るには、よいタイミングだ」と話しています。
スー・チー政権発足から半年
ミャンマーでは軍が強い影響力を持つ政権が長年続いてきましたが、去年11月の総選挙でアウン・サン・スー・チー氏が率いる最大野党のNLD=国民民主連盟が圧勝し、ことし3月に新たな政権が発足、政権交代が実現しました。
しかし、スー・チー氏は国民の圧倒的な支持にもかかわらず、軍事政権時代に作られた憲法の規定により外国籍の家族がいることを理由に大統領に就任することができませんでした。このためスー・チー氏の側近のティン・チョー氏が新大統領に就任し、スー・チー氏は新設された国家顧問のポストについて、事実上、政権を率いることになりました。
新たな政権の発足にあたってスー・チー氏は、まず経費削減のため省庁の統廃合を進め、大臣などのポストの大幅な削減に踏み切りました。また、みずからゴミ拾いを行うなど、国民に対し新たな国づくりに自発的に貢献するよう促すとともに、汚職の追放や軍事政権のもとで投獄された政治囚の釈放に取り組みました。さらに、イギリスからの独立以来、60年以上にわたって続いてきた少数民族の武装勢力との内戦終結を最優先課題に掲げ、ことし8月には主要な武装勢力が参加した和平会議の開催にこぎ着けました。
一方、経済については政権交代に伴う人事異動などで海外からの投資の認可が一時滞ったほか、食品や生活必需品の値段も上昇しています。
こうした中、スー・チー氏は、ことし9月、アメリカを訪れてオバマ大統領と会談し、軍事政権の関係者や企業を対象に科されてきたミャンマーに対する経済制裁の解除に合意しました。制裁は先月、およそ20年ぶりに全面的に解除され、これによりミャンマーへの送金などが容易になり、今後、アメリカ企業をはじめ各国のミャンマーへの投資が活発になると予想されています。
しかし、スー・チー氏は国民の圧倒的な支持にもかかわらず、軍事政権時代に作られた憲法の規定により外国籍の家族がいることを理由に大統領に就任することができませんでした。このためスー・チー氏の側近のティン・チョー氏が新大統領に就任し、スー・チー氏は新設された国家顧問のポストについて、事実上、政権を率いることになりました。
新たな政権の発足にあたってスー・チー氏は、まず経費削減のため省庁の統廃合を進め、大臣などのポストの大幅な削減に踏み切りました。また、みずからゴミ拾いを行うなど、国民に対し新たな国づくりに自発的に貢献するよう促すとともに、汚職の追放や軍事政権のもとで投獄された政治囚の釈放に取り組みました。さらに、イギリスからの独立以来、60年以上にわたって続いてきた少数民族の武装勢力との内戦終結を最優先課題に掲げ、ことし8月には主要な武装勢力が参加した和平会議の開催にこぎ着けました。
一方、経済については政権交代に伴う人事異動などで海外からの投資の認可が一時滞ったほか、食品や生活必需品の値段も上昇しています。
こうした中、スー・チー氏は、ことし9月、アメリカを訪れてオバマ大統領と会談し、軍事政権の関係者や企業を対象に科されてきたミャンマーに対する経済制裁の解除に合意しました。制裁は先月、およそ20年ぶりに全面的に解除され、これによりミャンマーへの送金などが容易になり、今後、アメリカ企業をはじめ各国のミャンマーへの投資が活発になると予想されています。
スー・チー氏 京都大に研究員として在籍
アウン・サン・スー・チー国家顧問は、1985年から翌年にかけておよそ9か月間、京都大学の当時の東南アジア研究センター、いまの東南アジア研究所に研究員として在籍しました。
京都大学では、国家独立の英雄として今も国民から慕われている父親のアウン・サン将軍について研究し、その一環で旧日本軍の関係者に聞き取り調査を行ったり資料を集めたりして、ミャンマー独立運動の歴史研究に取り組みました。
スー・チー氏は3年前の2013年4月に最大野党の党首として27年ぶりに日本を訪れ、その際も京都大学のかつての研究室を訪問したり、講演を行ったりして旧交を温めていました。
京都大学では、国家独立の英雄として今も国民から慕われている父親のアウン・サン将軍について研究し、その一環で旧日本軍の関係者に聞き取り調査を行ったり資料を集めたりして、ミャンマー独立運動の歴史研究に取り組みました。
スー・チー氏は3年前の2013年4月に最大野党の党首として27年ぶりに日本を訪れ、その際も京都大学のかつての研究室を訪問したり、講演を行ったりして旧交を温めていました。