野党は「緊密な挙国一致内閣ではなく真相究明が先だ」とも言っている。真相究明と国政収拾はどちらが先でどちらが後だという問題ではなく、同時進行させるしかない問題だ。どちらにせよ検察の捜査の後には特別検事制度による捜査も予定されている。特別検事制度による捜査が終わるまでの数カ月間、この混乱を放置してもいいというのは無責任だ。
野党の計算は分かりにくいものではない。野党も加わった挙国一致内閣が構成されれば、ひとまず混沌(こんとん)とした政局は変わる。だが、野党はそれを望んでいないのだ。より根本的なことを言えば、緊密な挙国一致内閣が成立すれば、野党も国政の責任を分担しなければならないが、そうする理由はないと考えているのだ。この困難な時局の責任を担うことには足を突っ込みたくないということだ。一言で言えば、この混迷を楽しめばいいというのが本音だろう。
もちろん、今回の事態の責任は全面的に朴槿恵(パク・クネ)大統領と与党にある。その責任追及は既に始まっている。野党が政権を執るつもりがないなら、見物でもしながら糾弾してさえいればいい。しかし、政権を執るつもりがあるなら、今は国政への責任感と能力を証明できる良い機会だ。それにもかかわらず、知らない振りをしている。本当に政権を執って国政運営をしようというのか、それとも何もしないまま、将来権力を振るう機会をひたすら待つのか。野党は今、危機管理能力と執権能力を示す機会を自らはねのけようとしている。