本日、公式コラボ動画、PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen)ペンパイナッポーアッポーペン/ Ryuk(死神リューク) feat.PIKOTARO(ピコ太郎)という動画が公開されました。
制作したのは、映画「デスノート Light up the NEW world」でCG制作を担当したデジタル・フロンティアさん。死神リューク✕ピコ太郎「PPAP」をどうやって制作したのかお聞きしました。
試作段階では髪型を思い切ってピコ太郎さんに似せて、サングラスも着用したバージョンも制作したのだとか。試行錯誤のすえ、通常のリュークバージョンになりました。
「ぱっと見でPPAPだとわかるような印象になるよう特徴をつかむことを意識しました」と宮尾さん。ちなみに<ここを意識して見て欲しい!>という点は、「ちょび髭も一本一本描いて、本人に寄せるように細かなところもこだわっています」。
「実物がどのように揺れるのかリファレンスを元にClothSimulationを行っているので、服のSimulationはかなりリアルなものになっています」。ちなみに大変だった点としては、布の重なりが多い服なので、ClothSimulation時に布がめり込まないように調整すること、とのこと。
アニメーション作業初期段階時の画像。アニメーションは全てMotionBuilderにて作成。 大まかにタイミングを計る為、10-15f間隔でフルボディでポーズを付けながら、キーを打っていきます。 カメラも実際のPPAPに似せて作成し、作業用カメラにはロトスコ用にPVを貼っています。
「ロトスコープ(※編集部注:1コマごとのアニメーションをトレースする。以下、ロトスコ)をメインで行いましたが、短時間で仕上げる為に、最小のキーで効率良く作業を進める必要があったので、まずそこがクリアすべき箇所でした」
「実際のPPAPではペンもリンゴなど全てエアーですが、このリュークverでは実物を持たせてやるという事で、 実際に物を持った時に変わる動き・挙動、ペンや果物の持ち替えを自然に見える様に調整するのがネックになりました」
「スケジュールが大変短かったので、他セクションと話し、手間を減らすためにシーンをなるべく一連で作ることになりましたが、 実際に作ってみたら、本人のPVは動きが実際に繋がってない箇所もあり、そこを一連の動きになる様に変えてつくるのが、難点でした」
意識した点としては、ダンスの特徴を捉える事で、特に手首の返しや、足のしなり、動きのメリハリなどなど。また、ロトスコと手付けでやっているので、不自然さが出ない様に重心の動きなどを意識しつつ、滑らかなアニメーションに気を付ける事、とのこと。
アニマティクスのチェック画像。MotionBuilderからレンダリングしたムービーと、実際のPPAPのムービーを並べて確認していました。
注目して欲しい点としては、「実際にリンゴやパイナップルを刺しているとこうなります、という点」で「しなやかで、メリハリある動き」とのこと。カメラも作成し、手持ちで揺れている感じも再現しているそうです。
亀川さん「普段ロトスコをする事は無いので、やれる算段はありましたが正直不安でもありました。短時間での手付けアニメーションは普段なかなか行わないので、貴重な経験をしました。是非ともジャスティン・ビーバーさんにも見て欲しいです」
山口さん「手付けやピコ太郎さんの研究が想像以上に楽しかったです。 リュークの腕が長いのでピコ太郎さんと似せてエディットするのが大変困難でしたが、今となっては良い思い出になりました」
山田さん「PPAPをフレームごとに何度も繰り返し観るとは思っていなかったですが、楽しくアニメーションを付けることができました。 PPAPの曲を一生分聞いた気がします。曲が頭から離れません。(笑)」
アニメーション詰め作業(モーション詰め)の画像です。フルフレームでキーをプロットしてIKFKを切り替えつつ、 モーションの滑らかさ、メリハリなどの精度を上げていきます。
「リュークは顔の特徴上、常に笑っているように見えてしまいますが、ピコ太郎さんは表情豊かなので、 実際にFacial作業時に動画をバック貼って、歌い方の特徴や表情、舌の動きを参考にしながらつけました」と印牧さん。「映画本編とはまた違うコミカルなリュークを楽しんでもらえれば!」
「ベースをきちんとつくることでカットごとのずれが少なくなり、コンポジットもベースを作成したものに差し替えるだけで、 ある程度うまくいけたことが大きかったです。かかる時間と手間を極力削ることができたので、少ない時間でこなすことが出来ました」
ライティングベースのチェック画像(正面)
ライティングベースのチェック画像(斜め)
ライティングベースのチェック画像(引き絵)
「白い環境に馴染むようにしつつ、上手にキーライト弱くをあてて、若干上下の明暗を出すことでリュークに質感がでるようにしました」と安藤さん。
各ショットライティング作業画面
各ショットライティング作業画面
「PPAPオリジナルの文字情報のタイミングや、カットのつなぎ等厳密に会う様に注意しました」
「始まりと終わり部分のPPAPロゴ部分にデスノートとのコラボ感強調の為、リュークをロゴと一体化させたりタイミング等結構こだわっています」
以上、死神リューク✕ピコ太郎「PPAP」を作るための6つのステップ、でした!デジタル・フロンティアさん、取材させていただき、ありがとうございました!
是非、何度も見てみてくださいね!
制作したのは、映画「デスノート Light up the NEW world」でCG制作を担当したデジタル・フロンティアさん。死神リューク✕ピコ太郎「PPAP」をどうやって制作したのかお聞きしました。
死神リューク✕ピコ太郎「PPAP」を作るための6ステップ
1.CHARA(モデリング)
2.SETUP(骨)
3.ANIM(ボディアニメーション)
4.FACIAL(フェイシャルアニメーション)
5.LIGHTING(ライティング)
6.COMP(合成)
1.CHARA
まずキャラクターを造型します。担当したのはChara室シニアデザイナーの宮尾さん。「ピコ太郎さんご本人に似せるために髪型のシルエットや、ちょび髭の角度などを細かく調整するのが苦労しました」。試作段階では髪型を思い切ってピコ太郎さんに似せて、サングラスも着用したバージョンも制作したのだとか。試行錯誤のすえ、通常のリュークバージョンになりました。
試作段階の髪型を思い切って似せてみて、サングラスも着用した幻の“ピコ太郎リューク”。試行錯誤のすえ、本番では通常のリュークでの制作となりました。
「ぱっと見でPPAPだとわかるような印象になるよう特徴をつかむことを意識しました」と宮尾さん。ちなみに<ここを意識して見て欲しい!>という点は、「ちょび髭も一本一本描いて、本人に寄せるように細かなところもこだわっています」。
2.SETUP
第二段階はセットアップ。Setup室シニアデザイナーの森田さんが担当。「リュークのClothSimulation作業(※編集部注:布の揺れの表現をCGソフト上で物理演算する作業)を始める前に、モデルのUV(※編集部注:テクスチャを作成するための展開図)から袖の型紙を作り、型紙を元にリュークの袖をつくりました」と森田さん。「実物がどのように揺れるのかリファレンスを元にClothSimulationを行っているので、服のSimulationはかなりリアルなものになっています」。ちなみに大変だった点としては、布の重なりが多い服なので、ClothSimulation時に布がめり込まないように調整すること、とのこと。
3.ANIM
第3段階はアニメーション。Animation室の室長でシニアデザイナーの亀川さん、チーフデザイナーの山田さんと山口さんが担当。ボディアニメーションを3人で分担して作業し、亀川さんが全体のアニメーションチェックをして仕上げました。アニメーション作業初期段階時の画像。アニメーションは全てMotionBuilderにて作成。 大まかにタイミングを計る為、10-15f間隔でフルボディでポーズを付けながら、キーを打っていきます。 カメラも実際のPPAPに似せて作成し、作業用カメラにはロトスコ用にPVを貼っています。
「ロトスコープ(※編集部注:1コマごとのアニメーションをトレースする。以下、ロトスコ)をメインで行いましたが、短時間で仕上げる為に、最小のキーで効率良く作業を進める必要があったので、まずそこがクリアすべき箇所でした」
「実際のPPAPではペンもリンゴなど全てエアーですが、このリュークverでは実物を持たせてやるという事で、 実際に物を持った時に変わる動き・挙動、ペンや果物の持ち替えを自然に見える様に調整するのがネックになりました」
「スケジュールが大変短かったので、他セクションと話し、手間を減らすためにシーンをなるべく一連で作ることになりましたが、 実際に作ってみたら、本人のPVは動きが実際に繋がってない箇所もあり、そこを一連の動きになる様に変えてつくるのが、難点でした」
意識した点としては、ダンスの特徴を捉える事で、特に手首の返しや、足のしなり、動きのメリハリなどなど。また、ロトスコと手付けでやっているので、不自然さが出ない様に重心の動きなどを意識しつつ、滑らかなアニメーションに気を付ける事、とのこと。
アニマティクスのチェック画像。MotionBuilderからレンダリングしたムービーと、実際のPPAPのムービーを並べて確認していました。
注目して欲しい点としては、「実際にリンゴやパイナップルを刺しているとこうなります、という点」で「しなやかで、メリハリある動き」とのこと。カメラも作成し、手持ちで揺れている感じも再現しているそうです。
亀川さん「普段ロトスコをする事は無いので、やれる算段はありましたが正直不安でもありました。短時間での手付けアニメーションは普段なかなか行わないので、貴重な経験をしました。是非ともジャスティン・ビーバーさんにも見て欲しいです」
山口さん「手付けやピコ太郎さんの研究が想像以上に楽しかったです。 リュークの腕が長いのでピコ太郎さんと似せてエディットするのが大変困難でしたが、今となっては良い思い出になりました」
山田さん「PPAPをフレームごとに何度も繰り返し観るとは思っていなかったですが、楽しくアニメーションを付けることができました。 PPAPの曲を一生分聞いた気がします。曲が頭から離れません。(笑)」
アニメーション詰め作業(モーション詰め)の画像です。フルフレームでキーをプロットしてIKFKを切り替えつつ、 モーションの滑らかさ、メリハリなどの精度を上げていきます。
4.FACIAL
第4段階はフェイシャル。Facial室デザイナーの印牧さんが担当。難しかったのは「スケジュールの関係上BODYのアニメーションが無い状態でファイシャル作業に入った点」とのこと。「リュークは顔の特徴上、常に笑っているように見えてしまいますが、ピコ太郎さんは表情豊かなので、 実際にFacial作業時に動画をバック貼って、歌い方の特徴や表情、舌の動きを参考にしながらつけました」と印牧さん。「映画本編とはまた違うコミカルなリュークを楽しんでもらえれば!」
5.LIGHTING
第5段階はライティング。ShotDesign室のシニアデザイナー安藤弘樹さん。「納期までの期間が短い中、19カットのライティングとレンダリングをこなさなければならなかったので、 まずライティングのベースを、各カットに流用できるように汎用性を持たせて作成することで、作業の効率化を図りました」。ライティングベースシーンのMaya作業画面
「ベースをきちんとつくることでカットごとのずれが少なくなり、コンポジットもベースを作成したものに差し替えるだけで、 ある程度うまくいけたことが大きかったです。かかる時間と手間を極力削ることができたので、少ない時間でこなすことが出来ました」
ライティングベースのチェック画像(正面)
ライティングベースのチェック画像(斜め)
ライティングベースのチェック画像(引き絵)
「白い環境に馴染むようにしつつ、上手にキーライト弱くをあてて、若干上下の明暗を出すことでリュークに質感がでるようにしました」と安藤さん。
各ショットライティング作業画面
各ショットライティング作業画面
6.COMP
そして最終段階。ShotDesign室室長でシニアデザイナーの齋藤和丈さんが担当。「PPAPの文字もリュークのイメージに合う様に、シルバーの装飾文字を社内でデザインしています」「PPAPオリジナルの文字情報のタイミングや、カットのつなぎ等厳密に会う様に注意しました」
「始まりと終わり部分のPPAPロゴ部分にデスノートとのコラボ感強調の為、リュークをロゴと一体化させたりタイミング等結構こだわっています」
以上、死神リューク✕ピコ太郎「PPAP」を作るための6つのステップ、でした!デジタル・フロンティアさん、取材させていただき、ありがとうございました!
是非、何度も見てみてくださいね!
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