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<天王寺・バット男>41歳「目が合い、肩ぶつかり殴った」

毎日新聞 11/2(水) 21:43配信

 ◇2人けが 大阪府警天王寺署員が傷害容疑で逮捕

 2日午後5時半ごろ、大阪市天王寺区のJR天王寺駅付近で、「バットを振り回している男がいる」と駅員から119番があった。大阪府警などによると、幼稚園に通う女児(6)とアルバイトの女性(22)が金属バットで殴られ、女児は頭の骨を折り重傷、女性も頭などに軽傷を負った。通行人の男性らが男を取り押さえ、駆け付けた府警天王寺署員が傷害の疑いで現行犯逮捕した。

【別カット】男を取り押さえる警察官ら

 府警によると、男は無職の松本将史容疑者(41)=同市東淀川区東中島5=で、「目が合い、肩がぶつかったので殴った」と容疑を認めている。バットは長さ約80センチ。ビニール袋に入った状態で、「バッティングセンターに行くために買った」と話している。

 松本容疑者は同駅改札近くの商業施設前の通路で、それぞれ通行中だった2人とすれ違った際、突然バットを振り回して襲ったという。すぐ近くの市営地下鉄の乗り場に通じるエスカレーター付近で取り押さえられた。女性は友人らと通行中で、女児は当時、知人女性と一緒だった。松本容疑者はけがをした2人と面識はないという。

 事件当時は夕方の帰宅ラッシュの時間帯で、現場は一時騒然となった。近くにいた堺市北区の男性会社員(23)は「キャー」という叫び声を聞いた直後、慌てて階段を下りてくる十数人を見て一緒に逃げた。「銃かナイフを持った人が暴れていると思い、パニックになった」と話した。近くの雑貨店の女性従業員(28)は「女性数人が慌てた様子で店内に逃げ込んで来たので入り口を閉めた。こんな大勢の人がいる場所でバットを振り回すなんて怖い」と声を震わせた。同府寝屋川市の専門学校生の男性(19)は「叫び声が聞こえて見に行くと、女性2人が頭をタオルで押さえていた。近くでスキンヘッドの男がスーツ姿の男性らに取り押さえられ、ぼうぜんとした表情だった」と興奮気味に話した。

 現場周辺はJRや近鉄、地下鉄などが乗り入れ、百貨店や商業施設が建ち並ぶ大阪有数の繁華街。【村田拓也、道下寛子、遠藤浩二、宮本翔平】

最終更新:11/2(水) 23:58

毎日新聞