基本的にはこちらの『本気論・本音論』のブログは、現在は落ち着きを取り戻すまでは更新しないようにしているつもりだったし、今の自分には意識的にでも少しゆっくりした時間を過ごした方が良いと思っています。

が、今日だけは、少しだけ書かせていただきたい。

余りにも度を越した、被害者の声を侮蔑した情けない判決が大阪で出されました。ネットニュースでこの判決を聞き、しばらく声を失ってしまいました。




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大阪ミナミで起きた飲酒運転による交通事故の裁判。
私は当事者にインタビューもさせていただいた経緯もあり、このニュースを何度もこちらのブログでも紹介させてもらってきた事はご存知の方も多いだろう。

先日あった話をします(長いですが)(2015年8月25日)

絶対に許すな!飲酒運転を招いた同乗者が「罰金のみ」で済んでいるというあまりに理不尽な現実(2016年5月16日)

美容師をしていた白坂愛里(しらさかあいり)被告は居酒屋でビールを3・4杯飲み、その上で車を運転。なんと、車の運転直前にまで、追加でもう1本ビールを飲むという信じられない状態で本当にハンドルを握り、車を暴走発進。

看護師をしていた河本恵果さんという24歳の女性を轢き殺した。付近にいた恵果さんの友人を含め、3人が死傷する飲酒運転事故。



未来のあった恵果さんは、何の罪もないまま、帰らぬ人となった。




警察は最初、これは人殺しに近いはずだ!と「危険運転致死傷罪(最高懲役20年)」を適用させる判断をしたものの、それを検察側が「ただのミスである=過失運転致死傷罪(最高でも懲役7年。だってミスだし)」と変更。

恵果さんのお母さんやご友人たちが「あまりにもおかしい!」と声を上げ、懸命の署名活動などを行ったのが、私たちが取材するきっかけ。

その後、なんと17万人という途方もない数の署名が集まり、裁判は「訴因変更(そいんへんこう)」され、危険運転致死傷罪で裁判員裁判になった話は関西でも全国ニュースでも大きく報じられた。

当然、多くの方が厳罰を予想していた。
当然、ほとんどの方々が飲酒運転を許してはいけない、と考えていた。

しかし、本日、Facebookで流れてきた新聞の記事が…こちらだ。

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ミナミ暴走:3人死傷、被告に懲役3年6月 大阪地裁

大阪・ミナミで昨年5月、飲酒運転の車で暴走し3人を死傷させたとして自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪などに問われた無職、白坂愛里被告(26)の裁判員裁判の判決公判で、大阪地裁は2日、予備的に問われた同法の過失致死傷罪などを適用し、懲役3年6月を言い渡した。飯島健太郎裁判長は「原因はアクセルとブレーキの踏み間違えで、飲酒の影響は認められない」と述べ、危険運転致死傷罪の成立を否定した。
検察側は控訴を検討している。
裁判は、白坂被告が飲酒の影響で正常な運転が困難な状況だったかどうかが主な争点だった。弁護側は「アクセルとブレーキの踏み間違え」と訴え、過失致死傷罪の適用を求めていた。
飯島裁判長は主文の言い渡しを後回しにし、判決理由から読み上げる異例の措置を取った。
判決によると、白坂被告は昨年5月11日未明、大阪市中央区西心斎橋2の駐車場から不注意で車を暴走させ、自転車で通りかかった准看護師の河本恵果(けいか)さん(当時24歳)らをはねた。恵果さんは死亡、友人女性ら2人も重軽傷を負った。
白坂被告は居酒屋で3、4杯のビールを飲み、運転直前にも缶ビールを口にした。しかし、飯島裁判長は、事件前後の白坂被告の意識ははっきりしており、「酔いの程度は弱いものだった」と認定。正常な運転が困難な状態に陥っていたとまでは認められないとして、危険運転致死傷罪の成立を否定した。
そのうえで検察側が予備的に追加していた過失致死傷罪を検討。判決は事故原因について、白坂被告が駐車場の車止めに乗り上げた際、目に入った被害者の姿に焦ってアクセルとブレーキを踏み間違えたと認め、少なくとも運転時の注意義務を怠ったと結論付けた。
飯島裁判長は量刑理由について、「被害者や遺族の処罰感情は峻烈(しゅんれつ)だが、過失は反射的な不注意によるもので、とりわけ悪質なものとまでいえない」と述べた。
検察側は過失致死傷罪適用の場合は懲役5年、危険運転致死傷罪では懲役9年が相当と求刑していた。
大阪地検は当初、白坂被告を過失致死傷罪などで起訴した。しかし、遺族らが地検に対し、より刑罰の重い危険運転致死傷罪の適用を求める上申書と約17万人分の署名を提出。補充捜査を行った地検は同罪への訴因変更を決め、地裁もこの請求を認めて裁判員裁判で審理していた。【向畑泰司】
【ことば】危険運転致死傷罪 悪質運転の厳罰化を目的に2001年の刑法改正で新設された。致死罪の最高刑は懲役20年。14年の自動車運転処罰法の施行に合わせ、刑法から移された。同法の過失致死傷罪(最高刑は懲役7年)は過失責任を問うのに対し、飲酒や薬物の影響などによる異常運転で故意に人を死傷させた場合に適用される

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…ウソだろ…?

なぁ…ほんとウソだろ…?いくらなんでも、いくらなんでも、これはあんまりじゃあないか?





ビール、3・4杯飲んでさらに運転直前にもビール飲みながら車に乗り込んでんのよ?
そんな状態でハンドルを握って、

「酔いの程度は弱いものだった」

ってなんだよ、それ?
酔いの程度が軽いとか重いとか、そんなの、関係ないんじゃないのか?
じゃあアレなのか?
酒に強い人間は、どれだけ酒飲んで運転しても危険運転致死傷罪って適用されないのかよ?
でも、酒に弱い人間は、ビールコップ半分でも懲役20年ってか?





頭おかしいんじゃないのか?





酒飲んで運転したら、全部ダメに決まってるだろ!
人が一人死んで、なんで懲役3年半????????
たった???
模範囚だったら3年弱でシャバに復活ってか?

ちょっと深呼吸をして、この問題を整理します。





今回の問題点を挙げると裁判官が失念していると思われるのが大きく2点あると気づかされます。


1、危険運転致死傷罪は「飲酒運転」を無くすために、多くの方々が声を上げ、これ以上の被害者を増やさないように、と心から願って作られた

「飲酒運転(やドラッグを吸っての運転)などをやめろ!」という罰則だということ。

裁判官や机の前でしか勉強できない法曹関係者たちに強く訴えたい。
ビールを3・4杯飲んで、運転直前にさらにまた飲んでたけれど「酔いはそんなにひどくなかった」と言うのは、そもそも…


全然関係ない


飲んで、アルコールが残ってる状態で運転してるんだから、ダメに決まってんだろうが。「司法試験」とかいうご立派な試験では、その程度のこともテストに出ないのか?


2、これは少なくない司法関係者に言えることなのだけれど「裁判」という存在の「社会的意味合い」を何も分かっていない点。

裁判をタダで運営出来ていると思っているのか?
なんのために高い金を使って、国民の税金を投入して行っているのか?
この社会は「罪を犯したら裁かれる社会」であることを示すのが裁判の役割だからだ。

たとえ、目の前の被告が反省の弁を述べていたとしても、そこでもし甘い対応などをしてしまっては、今後
「第2・第3の同様の事件を引き起こしてしまう」
ことを司法関係者は肝に据えるべきだ。

今回のケースで言えば、今回の裁判と判決によって明確に示されたことは次の2点である。

・酒を飲みまくったところで、「酔ってはいませんでした」と言えば、危険運転は適用されない
・人を轢き殺したところで3年半程度の懲役。模範囚なら3年弱ってか。

白坂被告のことは知らない。ひょっとしたら反省してるかもしれない。

が!

そんなことは関係ないのだ。ここで甘い判決を下すと、上記の「示された事実」から今後は…

A君を殺したいほど恨んでいたB君がいたとして、
そのB君は酒に強かったがとにかく酒を3杯ほど飲んで、アリバイを作り
A君が歩いてきたところを轢き殺す。

で、取り調べに対して、「すみませんでした。反省しています。ちなみに俺は酒に強いので、危険運転は認識していませんでした。つまり、ただのミスです!」

と言えば、今後は3年(模範囚なら3年弱ほど)で出てこられると言う「事実」が示されたのだ。





分かってるのか?

今回の判決に関して、もう一度言うが、





完全におかしいだろうが!







河本恵果さんのお母さんは「もう恵果は戻ってきません。ならば、未来に起きるはずの…悲しい飲酒運転の犠牲者を救う、天使のような存在に、恵果をしてあげたい」と涙ながらに訴えていました。

「被害者や遺族の処罰感情は峻烈(しゅんれつ)だが、過失は反射的な不注意によるもので、とりわけ悪質なものとまでいえない」
だ?

遺族が怒っているから厳罰、そうじゃないから軽い罰とか関係ないんだよ。遺族は関係ないんだってば!裁判所がやらなきゃいけないことは、




酒飲んで運転したらダメだって示すことだ!




自分のことを例に挙げて申し訳ないが、私はこのブログでの表現が過激だったために多くのお叱りを受け、全番組を降りることとなった。全連載をストップさせて、今は仕事がゼロになった。
今は収入も仕事もゼロだ。



これでいいんだってば。



アナウンサーが言葉でミスしたんだから。
ミスしたら、人様に迷惑かけたら罰を受けるんだよ!

人を一人轢き殺して3人を死傷させた?
それで、「そんなに酔ってなかったです。だからただのミスです。」で懲役3年??
一体どこの誰がこの判決に納得できるのか?


即刻、控訴すべき。で、頼むから高裁で、「普通」の判決を出してくれ。
こんな判決を下す裁判官の免許、取り上げろ、と叫びたい。
こんな人間に裁かれる関係者が可哀想すぎると思うのは私だけだろうか…。