医師免許がないのに採血をした疑いがあるとして、医師法違反(無資格医業)などの容疑で愛媛県警の家宅捜索を受けた松山市の民間医学研究所の男性所長が、全国で「血液診断」の講習会を開き、参加者から採血をしていた疑いのあることが2日、分かった。県警も把握しているとみられ、研究所以外でも恒常的に採血をしていた可能性があるとみて慎重に調べている。
所長は医学博士を自称。「赤血球の形を見れば健康状態が分かる」と強調し、研究所を訪れた相談者から医療行為である採血をしていた疑いが持たれている。所長は顕微鏡で血液を観察し、独自の分析だとうたって健康についてアドバイスをしていたという。
ホームページなどによると、所長は各地で講習会を開催。参加者の血をその場で採り、顕微鏡で見たとする画像を参加者に示して健康状態について解説していた。
所長は健康食品販売会社も運営しており、治療に効果があるとしてサプリメントやブレスレットなども販売していた。県警は研究所などから押収した資料を分析するなどし、採血行為と販売との因果関係などを調べている。【成松秋穂、木島諒子】