春日山親方側、和解を提案…年寄名跡証書引き渡し訴訟第1回控訴審

2016年11月1日23時51分  スポーツ報知
  • 春日山親方

 大相撲の春日山親方(39)=元幕内・浜錦=が、先代親方の岩永祥紀氏(元幕内・春日富士)に年寄名跡証書の引き渡しを求めた訴訟の第1回控訴審が1日、東京高裁で開かれた。

 8月の第一審判決で、証書を所有するには1億7160万円の支払いを対価として命じられていた春日山親方側は和解を提案。同親方の代理人弁護士は「話し合いでお互いに解決するのが一番。(証書を手に入れるために払う金額は)正しくないと思う」とコメント。条件面で折り合いをつけるための話し合いの意思があることを示した。和解協議に応じる意向である岩永氏側の代理人は「金額の面で開きがある。次回までに検討します」とした。

 春日山親方は2013年5月に虚偽の紛失届を出し、証書の再発行を相撲協会に申請。岩永氏が所有を表明したことで当時の北の湖理事長が同7月に再発行を取り消した。「前体制の協会関係者の指示を受けたと尋問で春日山親方は語っているが主体は親方。(証書に財産的価値を認めれば)場合によっては詐欺の可能性もある」と岩永氏側の代理人は言う。

 前体制の協会は虚りの申請を認識しながら、春日山親方が訴訟を起こした際は黙認する形となったことで裁判は控訴審までもつれた。岩永氏は「虚偽の申告が分かった時点で処分を課すべきだった」と指摘。今回、同親方側は第一審では円満決着のため裁判所から提案されながら応じなかった「和解」を、遅まきながら申し出てきた。だが岩永氏側は同親方とその弟子に会見などで偽りの事実を公にされて損なわれた名誉の回復を図り、和解案の中に謝罪を求めることも示唆した。

 相撲協会から受けた師匠辞任勧告を受け、追手風部屋付きとなった春日山親方は「目の前のことをやらないといけない。いろんなことがありすぎた」と複雑な表情だった。

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