コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。
このページでは、コンテンツマーケティングを理解し実践するために必要な知識や考え方を解説しています。ここで解説している内容を理解し、実践して頂けば、ホームページへの問合せを増やしたり、メールマーケティングを活用して商談を生み出したりすることができるようになります。(顧客育成を上手に行う会社は、商談開拓のコストが33%削減でき、営業のアポイントが1.5倍に増えるという統計データがあります)※米フォレスター調べ
1. なぜ今コンテンツマーケティングが必要なのか考えてみよう
かつて、ネットマーケティングの主役は、「リスティング広告」と「検索エンジン対策」でした。やがて、クリック単価を下げることに限界がきたため、CPA(顧客獲得単価)に注目が移り、ランディングページやサイト改善により転換率を上げることが注目されました。
そして、現在叫ばれているのが、「LTV」(Life Time Value、顧客生涯価値)です。従来の「いかに安く効率よく新規顧客を獲得するか」という、刈り取り型のマーケティングから、顧客のニーズを育て、長期の関係性を築くことで、生涯にわたってもたらされる価値(LTV)を最大化しようとする考え方に徐々にシフトしてきたのです。
1-1 コンテンツマーケティングとは何かを理解しよう
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。ポイントは「価値あるコンテンツを作る」こと、「顧客を育てる」こと、そして「ファン化する」の3つです。
商品に対するニーズが顕在化した「今すぐ客」をターゲットとする従来手法とは異なり、まだニーズが顕在化していない「潜在層」に対し、コンテンツをとおして自社の存在を認知してもらい、段階的に購買へとあと押ししていくことに重きを置くのが特徴です。コンテンツマーケティングとは単一のツールや手法を指し示す言葉ではなく、下の図のような段階的なマーケティングプロセスを構築するための「概念」であり「考え方」と理解するといいでしょう。
1-2 コンテンツマーケティングの成功事例を研究しよう
コンテンツマーケティングを理解するためには、自社と同じ業界、近い業界の事例を勉強するのが近道です。また、事例を勉強することで、どのようなコンテンツを出していけばいいのか?どのように顧客のニーズを育てていくのか?自社には向いているのか、向いていないのか?などの多くの気付きを得ることができます。
イノーバでは、コンテンツマーケティングの事例集を公開していますので、こちらからチェックしてみて下さい。
1-3 情報化によって訪れた 「売り込み型」マーケティングの限界
企業があたりまえに行っていた、テレビCMのようなマス広告、バナーなどのネッ ト広告、テレアポ型のセールスなど、「売り込み型」の宣伝手法が通用しな くなってきています。近年のネットの普及で、消費者は、知りたいコトや欲しいモノに関する情報 を「自分から積極的に探す」ことがあたりまえ になりました。「新商品情報の入手経路」はテレビ広告や店頭よりもネット検索が多いと発表されています。
これまでいわゆるBtoBではこれまで「できるだけ多く顧客に会う」ことが大事とされていました。しかし今や、「忙しいから」と断られたり、逆に「なぜ用事もないの来るのか?」と心証を悪くされるようになりました。かつてはこうではありませんでした。買い手企業は営業マンと会うことで情報を収集していた からです。ところが、今や多くのことはネットで調べれば事足りてしまいます。ご機嫌うかがいや、御用聞き営業の時代は終わったのです。
CMがスキップされ、バナー広告がクリックされず、メールマガジンも読まずにゴミ箱行き。広告だと思うと無視する習慣ができてきています。ここで、米国でのコンテンツマーケティングの権威であるジョー・ピュリッジ氏の言葉を紹介しましょう。皆さんが考えるべきは「顧客は何に関心をもっているのか?」です。
1-4 これからのマーケティングに欠かせない 「ZMOT」を理解しよう
最近登場してきた消費者の購買モデルがあります。ZMOT(ジーモッ ト、Zero Moment of Truth の略)で、「ゼロ個めの真実の瞬間」という意味で す。この ZMOTの考え方によると、消費者の購買モデルは、刺激、「情報収集」、棚、体験という4ステップの行動になり ます。この情報収集の段階で、買い手は非常に多くの情報を集め、自らの意思で、自分の集めた情報に基づき意思決定を行っていることが明 らかになったのです。
1-5 コンテンツマーケティングのメリットとは?
1. コンテンツの資産効果で広告宣伝費を抑えることができる
コンテンツマーケティングには従来型の広告にはない「蓄積効果」があり、一度発信したあとはそのコンテンツ自体の情報価値が失われないかぎり機能しつづけます。コ ンテンツを増やせば増やすほど顧客との接点が増え、費用対効果が改善していくのです。成果が出る時期やコスト削減率は業種や商材で異なりますが、取り組みを重ねるほどコスト効率が改善していくことは大きなメリットです。
2. 専門家として信頼される
2つめの重要なポイントは、コンテンツマーケティングを通じて、皆さんの会社が「専門家」として認識され、信用されるようになることです。顧客が興味を抱く情報を継続的に提供しつづけることで、「まじめな会社」「専門性のある会社」として認識されるのです。特に、ブランド力が弱い、認知度が低いなどの課題がある場合に、このメリットは重要になるはずです。
3. 顧客のロイヤルティを高められる
3つめのポイントは、顧客ロイヤルティ(忠誠心や愛着)を高められることです。顧客に役に立つ情報を出しつづけると、「こんなに役立つ情報を惜しげもなく提供してくれるなんて、いい会社に違いない」という印象を与え、顧客のロイヤルティが高まっていくのです。ロイヤルティはビジネスにさまざまなメリットをもたらします。たとえば、他社との比較検討がされにくい、価格競争に巻き込まれにくい、継続発注をもらいやすいなどです。
4. 情報を自然な形で拡散できる
4つめは、情報を自然な形で拡散できることです。検索エンジンやソーシャルメディアを通じて、コンテンツを探している人が自然に皆さんの情報を見つけ出してくれるようになります。さらにコンテンツを読んでおもしろいと思った人は、メールやTwitter、Facebookなどで知人や友人に紹介してくれるので、口コミも働くようになります。広告に頼らなくても、自然と情報を拡散していけるのは、コンテンツマーケティングの大きなメリットです。
5. 幅広い地域を対象にできる
5つ目は、幅広い地域をターゲットにビジネスを展開できることです。コンテンツマーケティングで、宮崎の企業が東京の一流企業と取引をしたり、東京の会社が地方のメーカーと取引をする例が出ています。また、これまで海外進出は非常にハードルの高いものでしたが、コンテンツマーケティングを多言語で展開することでグローバルをターゲットにでき、安価なテストマーケティングも可能になります。
2. さまざまなコンテンツの手法を理解しよう
コンテンツマーケティングというと「ブログ」での情報発信をイメージする人が多いかもしれませんが、コンテンツマーケティングで扱うコンテンツには実にさまざまなものがあります。表はおもなコンテンツを特徴ごとに整理したものです。 横軸は「ユーザーの購買フェーズ」で、左から右にいくにしたがって購買へと近づいていきます。
縦軸は「感情訴求かロジック訴求か」を整理したものです。たとえばインフォグラフィックスは「認知段階」のユーザーに対して「ロジック訴求」でアプローチするときに適したコンテンツ形態といえますし、導入事例は「ロジック訴求」ではあるものの、より購買に近いユーザーに対して最後のひと押しをする場面で有効なことがわかります。
2-1 ビジネスブログで構築するストック型メディア
ビジネスブログの最大の特徴は「コンテンツを蓄積しながらメディアを構築できること」です。ブログ記事1つひとつがWebページとしてサイト上に蓄積されていくことから「ストック型」コンテンツと呼ばれます。コンテンツ(ブログ記事)が増えれば増えるほどサイトが充実し、検索エンジンからの評価も得やすくなっていきます。安価に立ち上げられる点も見逃せないメリットです。
一方、facebookやTwitter等のSNSは投稿内容がタイムライン上をどんどん流れていく「フロー型」コンテンツと呼ばれるメディアです。コンテンツマーケティング実施にあたって「SNSだけではダメなの?」という質問をよく受けますが、「ストック型」のビジネスブログにコンテンツを公開しておいて、そのコンテンツをフロー型であるSNSでさらに多くのユーザーに広めるという使い分けがおすすめです。
2-2 ホワイトペーパーの起源と目的
「ホワイトペーパー」の語源は英国で議会に提出される公式報告書の表紙が白だったことに由来し、長らく政府や調査機関などが定期的に発行する報告書のことをホワイトペーパーと呼んできました。日本でも内閣府が発行する「国民生活白書」や環境省の「環境白書」などを耳にしたことがあるはずです。
ホワイトペーパーが活用されるようになった目的は、調査や確たる裏付けに基づいた情報の発信による自社の権威づけと、製品やサービスの購買を促すこと。BtoB事業者のなかでも先端性が高く高度に専門的な商材を扱う会社が、非技術者である経営層に売り込むために、その将来性や市場トレンドを伝えて自然と自社商材の必要性を訴求できるホワイトペーパーを活用したのがはじまりと言われています。
2-3 継続的な情報提供で信頼を勝ちとるメールマガジン
企業による一斉メール配信(メールマガジン)は広く浸透しており、顧客にとっては新製品発表やイベントの案内、業界ニュースなどを知るきっかけのひとつになっています。メールの件名や内容が読み手にとって魅力的であれば、顧客を自社サイトに誘導することもできます
読み手の行動に依存する面はありますが、好きなタイミングで配信でき、コストをかけずに多くの顧客をサイトに呼び込めるのが利点です。メールマガジンを配信して、自社の製品やサービスに関心のある顧客と継続的に接点をもち、情報提供による関係を構築し、いかに信頼を得られるかがポイントです。プッシュ型であるがゆえの難しさもありますが、コンテンツマーケティングを実践するなら、ここは腕の見せどころです。
2-4 広がるマーケティングへの動画活用
米国における最新の調査(2015年)によると、コンテンツマーケティング実施企業のうち約BtoC企業の74%、BtoB企業の76%が動画コンテンツを活用していると回答しており、これには3つの背景があります。1つめは安価な制作ツールの普及。スマートフォン単体で4K動画が撮影・編集可能な時代です。民生機でも企業利用に充分な品質の動画を制作できるようになりました。2つめは高画質・大容量の動画コンテンツの送受信を可能にした通信回線の高速化と、それに伴う動画投稿サイトの拡大です。そして3つめがマルチスクリーン化です。テレビだけでなくスマートフォンやタブレット、また駅や公共スペースでのデジタルサイネージ導入によって、人が動画に触れる環境が多様化しています。
2-5 顧客の力で見込み顧客に購買を「疑似体験」する事例コンテンツ
事例コンテンツはその名のとおり「顧客の導入事例」を紹介するもので、BtoB業界ではよく使われるコンテンツ形態です。A4用紙1~3枚程度の分量で、顧客が「なぜサービスを導入したのか」「何に困っていたのか」「サービスを導入した結果、どのような結果を得られたのか」などを説明することで見込み顧客に購買を「疑似体験」させるコンテンツです。BtoC業界であれば「推薦の声」にあたるものです。こういった、商品にお墨付きを与えるようなコンテンツを「テスティモニアル」(証明書、推薦状の意)と呼ぶこともあります。
3. 戦略的にコンテンツマーケティングに取り組もう
コンテンツマーケティングの戦略を立てるうえでいちばん大きなポイントは、「どのようなビジネス上の課題を解決しようとしているか」です。下の図に、多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組むきっかけとなった課題を8つ挙げました。いかがでしょうか? 自社に当てはまる課題があるか、チェックしてみてください。
3-1 コンテンツマーケティングの強みと弱み
コンテンツマーケティングが「得意なコト」と「苦手なコト」を整理してみました。コンテンツマーケティングで成果をあげている企業に共通しているのは、長期間にわたって運用していることです。一般的には、最低でも6か月、できれば1~2年くらいは腰を据えて取り組む姿勢が求められます。大切なことは、目標をしっかりと設定し、そこにたどり着くための段階的な指標(KPI)を設定することです。
3-2 ペルソナを設定して顧客を深く理解しよう
ペルソナとは「自社の商品やサービスを買ってほしい顧客の特徴」をわかりやすくまとめたものです。ペルソナを「理想の顧客」としてコンテンツマーケティングに関わる関係者で共有することで、個人個人の「思いこみ」や「勘」によるコンテンツ発信を防ぎ情報発信のブレをなくすことができます。
ペルソナを作るうえで、「顧客インサイト」は特に重要です。「インサイト」という言葉はちょっとわかりにくいので、「隠れたホンネ」といった意味でとらえるといいでしょう。「どうして買ったのか?」「ためらった理由は何か?」などを明確にすることで、顧客の興味や関心をかなり深く理解できるようになるはずです。
3-3 顧客の態度変容を促すための「コンテンツマップ」
コンテンツマーケティングでは、顧客に「好きになってもらい、買ってもらうまでの流れ」を「認知段階」「調査・理解段階」「比較・選択段階」「リピート・口コミ段階」の大きく4つのプロセスに分けています。下の図は、この購買プロセスごとのコンテンツを図示したものです。それぞれの段階における顧客の情報ニーズを満たすコンテンツをもれなく提供することで「好きになってもらい、買ってもらうまでの流れ」を作ることができます。
3-4 潜在ニーズ、顕在ニーズとは要するにどういうことか?
認知段階のコンテンツを戦略的に考えるために、「顧客ニーズ」についてもう少し掘り下げて考えていきましょう。顧客のニーズには「潜在ニーズ」と「顕在ニーズ」の2種類があります。潜在ニーズの段階にある顧客は、自分の課題にまだ気づいていない、もしくは気付いていてもたいして問題視していない状態にあります。したがって、潜在ニーズの段階では、自社のペルソナが抱くであろう「一般的な疑問や質問に答える」や「世の中の最新トレンド情報を紹介する」といったコンテンツが有効になってきます。
4. ビジネスブログでコンテンツマーケティングを始めよう
コンテンツマーケティングを行ううえで、ビジネスブログはオウンドメディアの中心=情報ハブとして機能する重要な存在です。ビジネスブログ構築にあたって押さえておきたいポイントをご紹介します。
重要なポイントは以下の3点です。1つめは「回遊性」。コーポレートサイトとビジネスブログの相互に移動が簡単であること、カテゴリーや人気記事ランキングなど記事を読みまわりやすいレイアウトになっていることが必要です。2つめは「ソーシャルメディア対応」です。ソーシャルメディアのシェアボタンがビジネスブログのわかりやすい場所に設置されていること。3つめは、記事の下などにCTA(コール・トゥ・アクション:行動喚起)が用意されていることです。CTAとは資料ダウンロードページや商品ページへの誘導バナーなど、記事読了後の読者に取って欲しい行動への誘導経路のことです。
4-1 ビジネスブログ構築にはCMSを活用しよう
ビジネスブログ構築には、CMS(Content Management System:コンテンツマネジメントシステム)を利用するのが便利です。CMSとは、Webサイトを作るための専門知識を持ち合わせていない人でも、サイト上のコンテンツを直感的な操作で簡単に管理できる仕組みのことです。
弊社では、ビジネスブログ/オウンドメディアの構築ができ、高度なメールマーケティングや行動のトラッキングなどもできるCloud CMOというソフトウェアを準備しています。2万円〜と安く利用できますので、ぜひお問い合わせください。
4-2 「文章の構造」を整えて伝わるコンテンツを作ろう
読みにくい文章、わかりにくい文章には共通の特徴があります。すなわち、「文章に構造がない」こと。話があちこちに飛びすぎてわかりにくい。言いたいことが何なのかわからない。具体例がないので納得感がない。いずれも、文章に構造がないために起きる事象です。以下に紹介する「ピラミッド構造」という考え方を意識すると、わかりやすい文章が作りやすくなります。
重要なポイントは以下の3点です。1つめは「回遊性」。コーポレートサイトとビジネスブログの相互に移動が簡単であること、カテゴリーや人気記事ランキングなど記事を読みまわりやすいレイアウトになっていることが必要です。2つめは「ソーシャルメディア対応」です。ソーシャルメディアのシェアボタンがビジネスブログのわかりやすい場所に設置されていること。3つめは、記事の下などにCTA(コール・トゥ・アクション:行動喚起)が用意されていることです。CTAとは資料ダウンロードページや商品ページへの誘導バナーなど、記事読了後の読者に取って欲しい行動への誘導経路のことです。
5. コンテンツSEOの基本を確認しておこう
Googleの検索アルゴリズムは、日々進化を続けていますが、近年は、「より情報の質や信頼性を重視する」ように変わってきています。ユーザーが検索した目的、意図に対して、それを満たす回答(=コンテンツ)を用意できているかどうかが重要なのです。
コンテンツSEOを行ううえで重要なのは、Webサイトに来てほしいターゲット層の人たちが「どんなことを知りたくて」「どんな言葉を使って検索しているか」を知ることです。Googleサジェストを活用すると、入力した単語と一緒によく検索されるキーワードを知ることができます。
5-1 Googleキーワードプランナーを使ってみる
Googleキーワードプランナーを使うと、あるキーワードが世の中で1ヶ月に検索されている回数を調べることができます。例えば「コンテンツマーケティング」というキーワードの月間検索ボリュームは2015年5月の段階で5400回です。これはGoogleのデータですので、Yahoo!もあわせると1万回弱だなと見ることができます。
検索ボリュームが多いキーワードは競合相手も多いので、上位表示の難易度は高まります。一方で検索ボリュームが少なすぎる場合は「あまり知りたい人がいない」のかもしれません。はじめのうちはB2C業界では500~2,000、B2Bでは100~500程度の検索ボリュームを目安に、狙うべきキーワードをリストアップしていくと良いでしょう。
5-2 最低限押さえておくべきSEO施策とは?
キーワードが決まったら、それを正しくサイトに掲載することで検索エンジンに「見つけてもらう」ことを目指します。その際に押さえておくべきポイントがいくつかありますのでご紹介します。
検索ボリュームが多いキーワードは競合相手も多いので、上位表示の難易度は高まります。一方で検索ボリュームが少なすぎる場合は「あまり知りたい人がいない」のかもしれません。はじめのうちはB2C業界では500~2,000、B2Bでは100~500程度の検索ボリュームを目安に、狙うべきキーワードをリストアップしていくと良いでしょう。
タイトルには、必ずキーワードを入れて検索エンジンにアピールしましょう。また、検索結果にタイトルと共に表示されることの多いメタディスクリプションは、ユーザーがそのサイトを訪れるか否かの重要な判断ポイントとなりますので、丁寧に記載しておきましょう。見出し(<h1>タグや<h2>タグなど)に入れた言葉は検索エンジンに「重要なキーワードである」と認識されやすいので有効に活用しましょう。
5-3 ソーシャルメディアでコンテンツ拡散を行おう
コンテンツマーケティングを実践するうえで、ソーシャルメディアは外せない施策です。特に、オウンドメディアの立ち上げ当初はただコンテンツを作って公開してもなかなか見に来てもらえません。そこで、そのテーマに興味のある人が集まっているソーシャルメディアで更新を通知したり、過去に作成した記事をイベント等に合わせてシェアすることでコンテンツへの流入を増やすのです。
作成したコンテンツをまずビジネスブログで公開し、読者との双方向のコミュニケーションはソーシャルメディアで行うというように、両方を活用することで相乗効果が得られるのです。長期間にわたって、ソーシャルメディア上でコミュニケーションすることは、人に安心感、信頼感を与えます。ソーシャルメディアはファンを作るうえでも重要な施策と言えるでしょう。
5-4 競合メディアを分析してコンテンツを磨きあげよう
日本でも徐々にコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えてきました。同じようなターゲットペルソナを持つ企業がいれば、当然その会社との間に競争が生まれます。日々ユーザー視点で競合となるメディアを分析し、自社のコンテンツの質を高めることが重要なのです。下記にチェックポイントをまとめました。
イノーバでは御社の想定される競合メディアをリサーチをするサービスも提供しています。ご興味がある方はお問い合わせください。
5-5 コンテンツと広告を組み合わせてみよう
リマーケティング広告(リターゲティング広告とも呼ぶ)を使えば、自社のWebサイトを訪問したユーザーに対して自社サイト外で広告を表示し再訪を促すことができます。ユーザーに、「次のステップ」に進んでもらうためにリマーケティング広告を組み合わせることはニーズの育成(リードナーチャリング)に非常に有効といえます。
5-6 Facebook広告を活用してコンテンツを拡散しよう
数ある広告媒体のなかでもFacebookの広告は注目です。日本では、Facebookユーザーが40代、50代にも多いことから、ビジネス目的での広告出稿媒体としての価値が高いと考えています。具体的な出稿方法は二通りです。ひとつは、過去に投稿して“いいね!”が沢山ついた記事を広告で更に拡散させるというものです。もう一つの方法はeBookダウンロードなどの中間コンバージョンのコンテンツを広告出稿するというものです。
5-7 コンテンツの効果を最大化させる「インサイドセールス」に取り組む
インサイドセールスは、見込み客に対して、電話やメールでニーズをヒアリングし、ニーズの顕在化を後押しするのが役割です。顧客が望まない限り「売り込まない」ので、従来の「テレアポ」と異なります。インサイドセールスを導入することで、営業部での商談数が増加する、営業の受注率が上がるなどの効果があり、注目されています。
実は、このインサイドセールスの活動に必要不可欠なのが「コンテンツ」です。製品・サービスに関する情報はもちろんのこと、業種や業界に応じた導入事例など、ニーズを引き出すコンテンツが必要不可欠です。潜在顧客の情報ニーズに応じた「コンテンツマーケティング」と、それを的確に届けるための「インサイドセールス」は両輪そろうことで効果が最大化されるのです。
イノーバではインサイドセールスの導入を検討されている方向けに無料セミナーを行っています。ご興味がある方はお問い合わせください。
6. コンテンツマーケティングのKPIを設定してPDCAサイクルを回そう
コンテンツマーケティングのゴール(KGI)を達成するために、正しい道を歩んでいるのかを確認するのがKPIの役割です。
認知獲得段階(認知系KPI)
認知獲得段階では、「どれだけ多くの人たちに見てもらえたか」を中心に測定します。具体的なKPIとしては検索流入数、キーワード順位、滞在時間、ソーシャル流入数、ソーシャルシグナル、新規訪問率などが挙げられます。
調査・理解段階(理解系KPI)
調査理解段階では、「いかにニーズを醸成できたか」を中心に測定します。具体的には、コンテンツのページ滞在時間、離脱率、記事下のCTAバナーからの事例集やeBookダウンロードページへの訪問数、キーワード順位などをKPIとして定めます。
比較・選択段階
比較・選択段階では、「いかに自社を選択肢の1つにいれてもらうか」を中心に測定します。具体的には、資料請求数、お問い合わせ数、といった具体的な商談につながる有効リード数(MQL)がKPIになります。
6-1 B2B企業における効果測定のポイント
一般的にB2Bの商材は、B2Cの商材にくらべて購入サイクルが長いため、「顧客の検討フェーズに寄り添った継続的・段階的な顧客接点を作り出せているかどうか」、「きちんと次のフェーズに進んでもらうことができているか」を測定していきます。(B2Cでも、住宅や自動車、保険などのように商品が高額であったり、就職、転職などのように、重大な意思決定にかかわる場合はB2Bモデルに近くなります)
6-2 B2C企業における効果測定のポイント
一方、B2Cで低額の商品やサービスは、顧客との最初の接触から購入に至るまでのステップが短いケースが多いのが特徴です。したがって、測定すべき指標もB2Bとくらべてずっと少なくなります。B2Cで重要なのは検索エンジンでの表示順位、あるいは競合他社とくらべたときの検索結果のシェアです。またECでは、ブログからECサイトへの遷移率、ECサイトでの購入者のブログ購読割合などを見ていく必要があります。
6-3 「成果に繋がる改善」のポイントとは?
コンテンツマーケティングは、潜在顧客とコンテンツを通して接点を作り出し、徐々にニーズを育成することで購買に結びつける手法です。「潜在顧客」はすぐには購買に至りませんので、「改善」の効果が現れにくくなります。購買プロセスにおいて購買に近い部分での改善は効果も大きく即効性があります。コンテンツマーケティングを行ううえでの改善は「マーケティングファネルの底」からが基本です。
6-4 最近増えているオウンドメディアの失敗事例とは?
最近、「オウンドメディアを運用し、アクセスは増えたのだが、リード獲得や問合せにつながっていないので困っている」というご相談を良く耳にします。このような場合は、概ね、SEOを意識して記事を作成するなどして、検索流入は取れているものの、流入したユーザーに次のアクションを取らせる仕組み(CTA=Call to Action)が設置されていないケースが多いです。まさに、この「ファネルの底」に近い部分の改善ができていないというパターンです。
7. コンテンツマーケティングを通じてブランドを作る
広告、ウェブサイト、メール、イベント、商品の購入、アフターサポート…こういった顧客と企業のすべての接点における体験の総和が「ブランド」を作り上げます。一方的な売り込みは顧客の気分を害します。顧客にあわせてタイミングよく適切なコンテンツを届けることは、逆に顧客をファン化することができます。コンテンツマーケティングは、主に前半の顧客獲得の接触ポイントにおいて、ブランド価値を高めることができるのです。
7-1 「ソートリーダーシップ」を獲得して業界のリーダーになろう
ソートリーダーシップとは、業界の課題を指摘したり、来たるべき未来、あるべき姿を語り、顧客の発想を高め、自社のビジョンに共感を持ってもらうのです。モノ余りの時代では、商品アピールだけでは売れにくい時代になっています。「こうあるべきだ」「こうしていきたい」というビジョンを売ることで顧客と高いレベルでのつながりを作り出すことができます。
▶ソートリーダーに求められる発想
- 5年後、10年後のあるべき姿を考え、語ること
- 次のトレンドの芽を見つけ、啓蒙していくこと
- 顧客や業界全体のことを考えること
- 限られたパイを奪い合うのではなく、パイ自体を拡げることを考えること
- 最大限の情熱を傾けること
7-2 今注目のマーケティングオートメーションとは?
マーケティングオートメーションは、「見込み顧客リードを管理し、営業案件を創り出すこと」を目的に作られたソフトウェアです。顧客の属性や行動(メールの開封やサイト訪問、特定の資料ダウンロード、セミナー参加など)をトリガーにメールを送るなどして、コンテンツによる顧客育成の自動化を図ることができます。
見込み顧客に対して「適切なコンテンツ」を「適切なタイミング」で「適切な手段(チャネル)」を通して提供するため、商談を効率的に生み出すことができます。参考までに、リードナーチャリングを高度に行う企業は、見込み顧客の獲得のコストが33%少なく、営業に渡す商談件数が50%増えるという調査があります。(米フォレスター社)
自社開発のマーケティングオートメーションソフトウェアCloud CMOを開発提供しています。詳しい情報はこちら
コンテンツマーケティングに関するご相談を承ります。
いかがでしたか? コンテンツマーケティングの概要は理解できたでしょうか。
弊社では、クライアント企業や出版社などの勤務経験があり、ノウハウを持つコンテンツディレクターが、貴社の抱える課題について検討し、御社にあわせたコンテンツマーケティングのプラン作りをお手伝いします。ぜひ、お問い合わせ下さい。
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