習国家主席「1つの中国」を強調 台湾総統をけん制

習国家主席「1つの中国」を強調 台湾総統をけん制
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中国の習近平国家主席は、北京を訪問した台湾の野党国民党の党首との会談で、「『1つの中国』の原則を堅持し、国家を分裂させないことがすべての中国人の意志だ」と述べ、独立志向が強いと見なす民進党の蔡英文総統をけん制しました。
習近平国家主席は中国共産党トップの総書記の名義で台湾の国民党の洪秀柱主席と1日夕方、北京の人民大会堂で会談しました。

この中で、習主席は「台湾海峡の両岸は切っても切れない運命共同体であり、『1つの中国』の原則を堅持することが両岸の民意の主流だ」と述べました。さらに、「国家の一体性を保ち分裂させないことが、すべての中国人の意志だ」と述べ、独立志向が強いと見なす民進党の蔡英文総統をけん制しました。

一方、洪主席は中国大陸との敵対状態を正式に終結させる平和協定の締結を積極的に検討したいという方針を示したうえで、「『1つの中国』の共通認識を深化させることで、台湾独立主義が引き起こした危険な動揺を取り除き、ようやく得られた両岸の調和と繁栄を守りたい」と述べました。

会談後に記者会見した洪主席は「国共両党はともに、台湾独立や台湾海峡の安全を脅かすことに反対する」と述べました。

習主席には、「1つの中国」の原則で一致する国民党の党首との会談を通じて、この原則を受け入れない蔡総統に圧力をかける狙いがあります。

蔡英文総統「民主制度信じていること直視すべき」

台湾の総統府は1日夜、蔡英文総統の談話を発表しました。この中で蔡総統は中国との関係について、「民主主義の仕組みを深めていくという基礎の上で、建設的な交流と対話を推し進め、長く続けることが可能な平和で安定した関係を築きたい」と述べました。

そのうえで、「北京当局は、台湾の人々が民主制度を固く信じていることを直視すべきだ。台湾海峡両岸の指導者は知恵と柔軟性を示し、意見の違いをウィン・ウィンの未来に導いていくべきだ」として、中国側が停止させた当局間の対話の再開を改めて呼びかけました。