2日午前7時10分ごろ、千葉県八街(やちまた)市文違(ひじかい)の国道409号で、2トントラックが登校中の児童の列に突っ込んだ。県警佐倉署によると、近くの市立朝陽(ちょうよう)小学校3年男児(9)が頭の骨を折る重傷、2年男児(8)と3年男児(8)、5年女児(10)が軽傷を負った。
県警佐倉署はトラックを運転していた同県茂原市の会社員の少年(19)を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕した。少年は「助手席の仕事仲間との話に夢中になっていた」と話しているといい、佐倉署は少年が前をよく見ていなかったとみて調べている。
佐倉署などによると、児童は集団登校中で5、6人のグループが複数、1列に並んで歩道を歩いていた。トラックは児童の後方から接近。列にぶつかりそうになり、センターライン寄りに方向を変えたが、再度道路脇へと向きを変え、歩道に乗り上げて列に突っ込んだという。
佐倉署は少年が児童の列に気づいて避けたものの、対向車が来たため再びハンドルを切ったとみている。車はレンタカーで、少年は仕事に向かう途中だったとみられる。
現場は、JR八街駅の北約2キロの住宅や店舗の混在地で、見通しの良い片側1車線の直線だった。
現場から50メートルほど離れたところで登校の見守りをしていたボランティアの男性(72)によると、「ゴーン」という大きな音がしたため見ると、トラックが縁石に乗り上げ、児童が倒れていた。男性は倒れていた男児のランドセルを外し、あおむけに寝かせたという。男性は「運転していた男性は青い顔をして携帯を耳に当てて震えていた。13年間ボランティアをやっているが、こんな事故は初めてだ」と話した。
近くの住民によると、事故直後、児童が歩道に倒れたり、うずくまったりしていた。住民らが自宅から持ち出した毛布をかけ、「大丈夫?」と声をかけて介抱したという。70代の主婦は「子供たちが騒ぐ声が聞こえて庭から道路を見たら、児童がランドセルを背負ったままうつぶせになって倒れて動かなかった。横浜でも似た事故があったばかりで、自分のところでも起こるなんて」と驚いていた。【金森崇之、近藤浩之、信田真由美】