三重県鈴鹿市は2日、日照不足による野菜価格の高騰を受け、給食会計の運営が厳しいとして、市立小学校30校と幼稚園13園で給食を、今年度中に2日間中止することを明らかにした。10月25日、各校へ通知した。
市教育委員会によると、中止するのは2学期の給食を出す最後の日としていた12月20日と、3学期初日の1月12日の2回。授業への支障が比較的少ない日を選んだという。午前中で授業を終えるか弁当持参にするかは各校の判断に委ねる。保護者からは「授業時間の確保ができないのではないか」という問い合わせがあったという。
市によると、調理は小学校19校と給食センター1施設でしているが、半数以上が赤字に陥っているという。
小学校の給食費は、14年度に月4000円から4100円に値上げしていた。昨年5月から学校給食を始めた中学校は、月4700円で、試験などで回数も少ないとして中止はしない。
市教委学校教育課の山田洋一課長は「栄養基準を満たすためにもやむを得ない。年度途中の値上げより、保護者への負担が少ないと判断したので理解してほしい」と話す。
三重県教委保健体育課は、鈴鹿市での給食中止を受け、給食を実施している県内の特別支援学校12校の状況把握を始めた。同課の担当者は「中止を検討している学校はないが、ホウレンソウを小松菜に替えるなど献立を一部変更している例はあるようだ。詳細を調べたい」としている。
食材変更して対応の自治体も
愛知、岐阜両県の小中学校でも、給食の中止はないものの食材や献立の変更など対応に迫られている。
名古屋市教委は、夏の時点で台風被害や天候不順から野菜の値上がりを予見。献立を作成する際、そうした状況を踏まえて食材を選んだため大きな支障はないという。
愛知県教委によると、各市町の学校現場で野菜の仕入れ先の変更や食材の代替など対応を図っているという。
岐阜市教委によると、9月給食費予算は1食当たり小学生1人250円だが、実際には262.24円かかった。中学生は予算298・88円に対し、303.73円。今のところ給食の献立や量に変化はないものの、11月以降はカレーに使う牛肉の量やデザートの回数を減らすなどの措置を決め、ホウレンソウの代わりにモヤシや白菜を使うなどの対策を検討している。【加藤新市、田中功一、太田敦子】