山本農相「冗談を言ったらクビになりそうになった」

山本農相「冗談を言ったらクビになりそうになった」
山本農林水産大臣は、1日夜、都内で開かれたパーティーで、先月撤回した、TPPの国会承認を求める議案などの審議をめぐる強行採決に関する発言について、「冗談を言ったらクビになりそうになった」などと述べました。山本大臣は、2日朝、「ご迷惑をおかけします」と述べました。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める議案と関連法案の衆議院での審議をめぐって、山本農林水産大臣は、先月中旬、佐藤・衆議院議院運営委員長のパーティーで、「強行採決するかどうかは、佐藤委員長が決める」などと発言し、その後、衆議院の特別委員会で、発言を撤回して、陳謝しました。

これについて、山本大臣は、1日夜、都内で開かれた自民党の衆議院議員のパーティーで、「冗談を言ったらクビになりそうになった」などと発言しました。また、山本大臣は、パーティーの参加者を前に、「JAの方々が大勢いるが、あすでも、この衆議院議員の紹介で農林水産省に来てくれれば、何かいいことがあるかもしれません」とも述べました。

民進党などは、「撤回した発言を『冗談』としたのは、国会をばかにしている」などとして反発し、山本大臣の辞任を求める声も出ています。こうした中、山本大臣は、2日朝、農林水産省に入る際に、記者団から、「昨夜の発言について、野党からは反発が出ているようだが」と質問され、「ご迷惑をおかけします」と述べました。

参院自民幹事長「断じて許せない」

自民党の吉田参議院幹事長は、党の参議院議員総会で、「あのような発言は、断じて許すわけにはいかない。TPPの国会承認を求める議案などが、参議院に送られようとしているが、非常に日程が厳しいので、われわれも緊張感を持って、言動には気をつけながらやっていきたい」と述べました。

公明 漆原中央幹事会会長「猛省を促したい」

公明党の漆原中央幹事会会長は、記者会見で、「緊張して厳しくやろうと言っているにもかかわらず、山本大臣の発言が止まらず、残念だ。しゃべってわびるなら、しゃべるなと言いたい。こういう不誠実な言動の積み重ねが安倍内閣の体力を奪っていることをしっかり認識してもらいたいし、山本大臣には猛省を促したい」と述べました。

また、漆原氏は、記者団が、「山本大臣は辞任すべきと考えるか」と質問したのに対し、「ご本人がどう考えるかだ」と述べました。

民進 蓮舫代表「審議に影響」

民進党の蓮舫代表は、党の参議院議員総会で、「山本大臣の謝罪は、うわべだけだったのが明らかになった。ちょっと理解不能だ。さらに驚いたのは、山本大臣が、『あすでも、議員の紹介で農林水産省に来てもらえれば、何かいいことがあるかもしれません』と発言したのは、利益供与ではないか。当然、委員会審議に影響が出ると言わざるをえない」と述べました。

共産 穀田国会対策委員長「大臣としての資質に欠ける」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で、「山本大臣は、反省したはずなのに、それをまた、おちゃらけて話をすること自体、大臣としての資格、資質に欠ける。また、農業関係者に関する発言は、依然として、古い時代の利益誘導型の政治にどっぷりつかっている神経で、時代錯誤もはなはだしく、二重の意味で大臣に値しないことは明らかだ」と述べました。