瞑想凄いらしいけど本当に凄いの?
瞑想がはてな内でブームだ。火付け役は運動と瞑想と野菜350gの伝道師id:xevra氏による功績が大きいと思う。実際、銭湯のサウナで長く息を吐き座禅を組むとすごく気持ちいいしほぐれる気がする。瞑想は近年心を無にするマインドフルネスという手法の一つとして注目されていて、真田丸で真田昌幸が合戦中に囲碁をするシーンがある。合戦中にお父ちゃん何やってるんだよ!と思い見ていたが、あれも実はマインドフルネスの一つのやり方ということを心理学博士が言っていた。話は、逸れたが瞑想って本当に凄いの?ってことが気になったので瞑想について検索してみると想像以上に瞑想は凄いことがわかったので紹介したい。
遺伝子まで瞑想は動かす!?
医療指導では食生活・運動・休養を支配しているのは患者の精神行動であることが判る。精神活動が疑問な動物実験と疫学に基づく従来の栄養学には限界があり、縦断的伝記や性格分析が健康寿命研究に重要である。昔から宗教家は健康長寿であり、これは現代の巨額な透析や機器、医薬による延命とは無縁である。誠実性の高い個人は欲望を自制できる。瞑想が遺伝子発現を制御し、ATP合成酵素を増し、テロメアを維持し、ストレスを回避する。精神労働の現代では、心身を活性化し、激増した鬱病や認知症を予防する精神栄養学が強く求められている。
出典
栄養学の歴史(第2回) 禅僧の健康長寿と精神栄養学(解説)
Source: BIO Clinica (0919-8237)31巻7号 Page768-772(2016.06)
本居宣長もやっていた?
国学の大成者・本居宣長は日本人のもつ幼児的な心性である「甘え」の重要性に気づいていた。また、フォーカシングに等しい技法を開発していたことや、当時の言葉で「からごころ」と呼ぶ「認知の歪み」を訂正しようとしたなど、精神医学者としての側面があることに注目した。そこで、うつ病の再発予防に効果をあげているマインドフルネス認知療法の理解に基づき、宣長の歌論書である『排蘆小船』と『石上私淑言』、それに源氏物語論である『紫文要領』とを中心に注釈と論考を加えた。その結果、「物のあはれを知ること」はマインドフルネス(気づきの瞑想)であり、逆にマインドフルネス認知療法とは歌を作らぬ歌人を育てる道であると解釈した。さらに、和歌は妄念を鎮めるのでうつ病の再発予防に良い方法であり、一句ごとに母音を長く引く詠歌の方法が心身相関論の見地から望ましいとした。宮中歌会始の儀がその模範である。
出典
マインドフルネス認知療法から見た本居宣長(原著論文)
日本病跡学雑誌 (0285-8398)89号 Page12-20(2015.06)
脳をコントロールし痛みを和らげる
種々の神経イメージング手法を用いたヒトの痛覚の脳内受容機構について解説した。痛み刺激に対して、刺激対側の第1次体性感覚野、両側半球の第2次体性感覚野、島、帯状回、扁桃体に活動が見られた。島と帯状回の一部にはスローペインに特異的に反応する部位が発見され、情動との深い関連を示唆した。「心の痛み」を感じるときには、実際に痛みが与えられたときと同様の部位(特に島、帯状回)が活動することがわかった。瞑想中には痛みを感じないヨガの達人の脳活動を調べると、下行性痛覚抑制系が活動していることがわかり、痛覚を自己管理する可能性が示唆された。
出典
痛みの臨床 心身医療からのアプローチ】 「痛み」と「心の痛み」の脳内認知機構(解説/特集)
Source: Modern Physician (0913-7963)34巻1号 Page9-12(2014.01)
過敏性腸症候群の治療にも使われる。
過敏性腸症候群(以下IBS)の患者に対して、心身両面からのアプローチであるヨーガ療法が奏功したので報告する。ヨーガ療法は、独自の人間観、病理論、治療/指導論、技法論を有する対人援助体系で心理療法体系である。IBSの発症についてヨーガ療法では、認知の誤りに基づいて思考が暴走し、そこから不安等の感情状態が生じ、その後、呼吸の乱れ、筋骨格系や自律神経系などの乱れ、大腸機能の乱れが生じると考えることができる。そこで、ヨーガ療法では人間を5層に分けて理解する五蔵説という人間観に基づいたアセスメントを行い、技法選択と実習を行い、身体的精神的社会的、またスピリチュアルな側面での健康実現を目指していく。症例は、60歳代後半の主婦。IBS、不安神経症と診断され、ヨーガ療法のオーダー後、服薬せずにヨーガ療法グループに10回参加した。座法、呼吸法、瞑想、心理教育で身体的精神的リラクセーションが生じ、心気症的認知も修正され、症状は消失していった。
出典
下痢型IBS患者への心理療法としてのヨーガ療法の適用(原著論文/症例報告)
日本心療内科学会誌 (1342-9558)18巻3号 Page170-175(2014.08)
血圧低下にも効果がある。
注意集中型の瞑想であるトランセンデンタルメディテーションの効果は、血圧の低下である。観察型の瞑想であるマインドフルネスストレス低減法の効果は、痛みへの認識を変える作用である。この効果は、疼痛緩和等によるストレス低減からQOLの改善をもたらし、症状の緩和につながると言える。統合型の瞑想である禅的技法の効果は、血圧低下と心拍変動の増大であり、交感神経活動の抑制と副交感神経活動の亢進が確認され、交感神経と副交感神経を良好に調整することが示された。
出典
ストレス関連疾患に対する瞑想の有効性についてのレヴュー(原著論文)
人体科学 (0918-2489)22巻1号 Page19-31(2013.06)
癌患者の不安を抑える事にも利用されている。
目的:本研究の第一の目的は、日本人のがん患者のための心のケアのプログラムを開発し、スピリチュアリティと心理的側面への効果を調べることであった。第二の目的は、この体験を通しての内容の変化を調べ、欧米の結果と比較することであった。方法:対象は28名のがん患者であった。患者は、呼吸法、ヨガ、瞑想を含む2回のマインドフルネス・メディテーション療法に参加した。各患者は、最初の面接でプログラムを習い、CDを用いて自宅で実践した。その2週間後に2回目の面接で面接者と会った。主治医が患者を募り、この療法のトレーニングを受けた看護師と臨床心理士が個別に面接を行った。患者は、介入前後に不安・抑うつを測定するHADSとスピリチュアリティを測定するFACIT-Sp、成長感、患者、痛み、他の身体症状に関する質問に回答し、病気の意味について語った。結果:HADSの得点は介入後に有意に低下し、FACIT-Spと有意に相関していた。半構造的な語りは、質的に分析されてテーマが抽出された。介入前は、「病気対応の努力」、「過去の振り返り」、「スピリチュアリティ」、「個人的成長」、「苦悩」が抽出された。介入後は、「適応的コーピング」、「個人的成長」、「肯定的な意味」、「スピリチュアリティ」、「否定的認知」が抽出された。結論:マインドフルネス・メディテーション療法は、不安・抑うつ感の低下に効果があり、それはスピリチュアリティと関連していることが明らかになった。さらに肯定的な認知や適応的生活スタイルへの変化などを含む、適応的コーピングを生み出すことに有効であろうと考えられた。本研究から抽出されたテーマは、先行研究における欧米人を対象とした研究から得られたテーマと共通しているものもあったが、異なるものもあった。これより体験における文化的差があることが明らかになった。
出典
日本人のがん患者の心理に及ぼすマインドフルネス・メディテーション療法の効果と体験の内容変化(原著論文)
日本サイコセラピー学会雑誌 (1347-071X)13巻1号 Page39-44(2012.12)
鬱などにも効果的
近年、瞑想などを取り入れたマインドフルネスに基づく心理療法が注目されている。本研究の目的は、禅的瞑想を取り入れた集団トレーニングプログラムを作成し、このプログラムが、一般健常者の精神的健康に及ぼす影響について実験的に検討を行うことであった。また、効果の媒介変数として、認知的要因を想定して検討を行った。インフォームド・コンセントに同意した20名の一般健常者が抽出され、4週間のうちにほぼ毎日の自宅練習と週1回の集団セッションが課せられた。瞑想の練習は、教示の吹き込まれたCDに従い、いつでも気軽に行えるよう工夫されていた。その結果、本プログラムは、精神的健康における抑うつ傾向の軽減と、認知的側面においては思考抑制の減少、破局的思考の緩和能力の向上、理性的思考と感情的思考のバランスの回復などの効果をもたらすことが示された。本研究の可能性と限界について考察がなされた。
出典
禅的瞑想プログラムを用いた集団トレーニングが精神的健康に及ぼす効果 認知的変容を媒介変数として(原著論文)
心身医学 (0385-0307)49巻3号 Page233-239(2009.03)
結論
瞑想マジでやばい。