日刊紙を発行する中部経済新聞社(名古屋市)は1日、人工知能(AI)が記者に代わって書いた新聞記事を同紙創刊70年の記念企画として朝刊紙面に掲載した。
記事は21字詰め32行で、同社の歴史や中部地域の経済の動向がテーマ。「『中部経済新聞』は昭和二十一年十一月一日、焦土とかした市街地にはなお瓦嘩の山がうず高く残る名古屋市内で創刊いたしました」との書き出しで始まる。不正確な表記もそのまま残した。
AIの技術を提供したデータ解析会社「データセクション」(東京都)によると、過去の記事からテーマに関連する記事数万文をAIに読み込ませ、テーマに沿ったキーワードを入力し、AIに執筆を指示したという。
米国では昨年ごろからAIによるスポーツや経済記事が掲載されていた。中部経済新聞社は「AIによる新聞記事は国内初。AI活用で記者の負担が減れば、新聞に新たな価値が生まれるかもしれない」と期待を寄せている。【林奈緒美】