国政介入:崔氏出頭で現場騒然、汚物投げる市民も

「陰の実力者」崔順実氏が検察に出頭
「死に値する罪を犯した」

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の友人女性で「影の実力者」として国政に介入した疑惑が持たれている崔順実(チェ・スンシル)氏が31日、被疑者として検察に出頭した。

 崔氏は同日午後3時、黒の乗用車でソウル中央地検に到着。権力の影に隠れ続けてきた崔氏が、国民の前に初めて姿を現した。崔氏は当初、検察が用意した取材場所で国民に謝罪の言葉を述べる予定だったが、デモ隊メンバー約30人が「崔順実を拘束せよ」と書かれたプラカードを掲げて崔氏を取り囲んだため、現場は騒然。崔氏は検察の職員10人ほどに付き添われ、記者らの相次ぐ質問には顔を手で覆ったまま言葉を発することができなかった。検察庁舎には国内外の記者およそ400人が集まった。

 崔氏は取材陣とデモ隊にもみくちゃにされながら検察庁舎内に入った。このとき崔氏が履いていた高級ブランド「プラダ」の靴が脱げた。崔氏は検察の入り口で「死に値する罪を犯しました」と述べたが、デモ隊の叫び声にかき消された。入り口前に動物の汚物をまき散らす男性もいた。検察関係者によると、崔氏は調査室に向かうエレベーターの中で、うつむいて泣きながら「申し訳ありません。国民の皆さま、許してください」と話したという。

 この日の崔氏は黒のコートに帽子を深くかぶり、眼鏡とスカーフで顔を覆っていた。7月にドイツに出国する際にはテレビカメラをにらみ付けて手でカメラを押しのけていたが、今回は正面を見ることもできなかった。

 検察は早ければ11月1日にも崔氏を逮捕する予定だ。崔氏はメディアに注目され始めた約2か月前にドイツに出国し、10月30日朝に韓国に帰国。検察は、崔氏が私物化していたとされる文化支援財団「ミル財団」とスポーツ支援財団「Kスポーツ財団」の資金集めに深く関与していた疑いのある安鍾範(アン・ジョンボム)前政策調整首席秘書官と、朴大統領の最側近3人のうちの1人、チョン・ホソン前大統領府付属室秘書官を出国禁止とした。チョン前秘書官は崔氏に朴大統領の演説文などの国家機密を渡していた疑いが持たれている。検察は今週中にも安氏とチョン氏に対する事情聴取を行う予定だ。

 検察はまた、崔氏、娘のチョン・ユラ氏、9月に中国に出国したミュージックビデオ監督のチャ・ウンテク氏の口座を詳しく調べている。

キム・アサ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース