朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の親友の女性、崔順実(チェ・スンシル)氏による国政介入疑惑が韓国政界を揺るがす中、29日に行われた閣僚懇談会で「今後の首脳外交の日程に支障が出る可能性がある」との報告がなされ、対策が話し合われたことが分かった。朴大統領の国政掌握力が弱体化し、外交・安全保障関連の問題も宙に浮きかねない状況だ。
まず、年末の最も重要な外交スケジュールである韓・中・日首脳会談の実現が不透明になってきた。3か国首脳会談は安倍晋三首相の招きにより年末に日本で開催される予定で、韓国政府はこの会談で中国を対北朝鮮制裁に積極的に賛同させる計画だった。韓国政府当局者は30日「日本側から、11月末か12月初めに首脳会談を開催しようと最近連絡が来たが、いまだに出席するかどうか伝えていない」と話した。会議準備や議題調整などを考えると来週までには回答しなければならないが、韓国政府内部では「今の状況では出席するのは難しいのではないか」との声が出ているという。
ほかにも首脳外交への影響が出る可能性が大きい。11月に来韓するカザフスタン大統領との会談以外、新たなスケジュールは全て調整がストップした状態だという。来月8日に選出される米国の新大統領との直接会談あるいは電話会談も先送りされる懸念がある。対北朝鮮制裁や韓米同盟の強化など対外的に共に声を上げるべき懸案を抱えているが、国内の混乱が収拾できなければ米国との協調にも支障が出るというわけだ。「崔順実問題」の波紋が拡大し、「首相も交代すべき」との声まで上がる中、首相が大統領に代わって首脳外交の場に出るのも困難だ。交代の可能性のある首相の発言や行動は外交の舞台で重みを帯びないからだ。政府消息筋は「年末は首脳クラスが出席する多国間会談などが少ないのが幸いだ」と話した。